大人二次小説(BLGL・二次15禁)

【オリジナル】砂を吐く病気【BL短編】
日時: 2015/05/09 21:57
名前: エヴァンシス

 初めまして。ここに小説を投稿するのは今回が初めてとなります。

 題名はこんなですが、あまり甘くない話も多いかも。
 あと、短編と銘打ってはいますが、同じキャラばかり出てくると思います。勿論一話ごとに完結させ、それぞれ読んでも大丈夫なようにします。
 グロ、エロ含む場合は一応その都度告知はします。

 作者は激甘なのも甘酸っぱいのも好きですし、変態、ヤンデレ、グロも好きです。とにかく色々です、ごちゃ混ぜです。
 そんな感じで宜しくお願いします。
 

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Re: 【オリジナル】砂を吐く病気【BL短編】 ( No.3 )
日時: 2015/05/31 18:22
名前: エヴァンシス

オリキャラBL
エロあり

颯巳(たつみ)×朝日(あさひ)








 彼は前髪をかき揚げて、いつも通りの不敵な笑顔を浮かべた。

 切れ長の目は下手をすれば目付きが悪く見えそうなものなのだけれど、彼の場合不思議と悪い印象は無い。鋭くて、同時に静かな知性を称えた真っ黒な瞳。それを正面から見ると、背筋にぞくりと奇妙な感覚が走る。冷たいような、熱いような。
 優等生然とした端正な顔は、彼が笑うとき少し歪む。仮面に亀裂が入って、その下の腹黒い何かが見えるみたいに。ニヒルで、退廃的で、斜に構えていて、性格の悪さが垣間見える笑顔。
 その感じ、俺は結構好きだったりする。綺麗に取り繕ったものが「台無し」になるみたいで。苦労して並べた積み木やドミノを、子供がやたらと壊したがるのとおんなじ気持ちなんだと思う。幼稚だ。幼稚だけど、癖になる。
 胡座をかいて頬杖を突いて、ますます仮面の亀裂を深めながら、彼は言った。

「で? 親友に裏切られた気分はどうよ?」

 『親友』。
 その言葉をことさら強調しているように、俺の耳には聞こえる。だからこそ、答えるのも面倒になってしまい、俺はがっくり項垂れた。
 本当なら手足を投げ出してフローリングの上に寝転がり、テレビでも聞きながらただただ無駄な時間を過ごしたい所なのだが、生憎とそれは出来ない。今の俺は手足も満足に動かないし、目の前のこいつがそんなこと許しやしないだろう。

「……ほんと、もう。帰りたいね」

 くは、と。
 俺の端的な答えを聞き、そいつは楽しそうに目を細める。
 俺としては全然全く楽しくない。少しその声が癪に触った。

「つれないこと言うね、えぇ? 何か無いのかよ、ショックとか」
「……ショック?」

 少しだけ顔を上げて、彼の顔を確認する。浮かべているのはやはり自信たっぷりの、不敵な笑顔だ。本気なのか冗談なのか、俺には読めない。
 前髪が傾げた顔の片目に掛かっていて、少し邪魔そうだなぁと思う。けれど今は、手を伸ばして払ってやることも出来ない。だからやっぱり、今の状況にはちょっと腹が立った。

「裏切られたっていうなら、お前はもう何回も、俺を裏切ってると思うんだけど」

 気持ちのままに睨み付けてみても、彼はそれを受け止めてなお、余裕たっぷりに微笑んで見せる。その笑顔が整っていれば整っているほど、今このときは胡散臭さも増していた。彼はそれも承知の上なんだろう。だからやっぱり、ちょっと腹が立つ。

「へぇ。はじめて聞く話だなぁ――」

 彼の言葉を遮るように、俺は口を開いた。

「中学で、俺の彼女を寝取ったね」

 少しの間を空けて、彼の口許が綻ぶ。楽しそうに、仮面の亀裂を広げる。

 別に勘違いや被害妄想ではない。そのうえ一回のみではない。三回だ。しかも皆、一ヶ月以内に別れている。
 そうと知ったのは、それぞれかなり遅かったけれど。彼の動きは巧妙で、確証を得るのに随分かかった。
 最も、俺が一番感心したのはその三人全員と後腐れなく手を切っているその手腕の方だ。俺にはとても真似できないだろう。

「そんなこともあったか。あったか? まぁ、忘れたな」

 白々しい。
 誤魔化すつもりなんて全く感じられない投げ槍な言葉に、俺は思わずムッとする。ここは真面目に向き合ってほしいところなんだけど。

「俺が今の高校に入るよう誘導したのも、お前」
「おいおい」

 彼は大袈裟に肩を竦めて見せる。

「そんなん俺にどうしろっつーんだ?」

 揺れた前髪がまた片目に掛かり、視線を遮る。邪魔っ気だ、彼の視線を阻むなんて。いっそ切ってしまいたい。
 はらはら落ちる彼の黒い髪は、きっと綺麗だろう。

 その件に関しても、彼は実に狡猾だった。用意周到で、巧み。入学当初からその布石を打っていたなんて、誰が気付くだろう。その上、俺の母親を懐柔して外堀を埋めておくのも忘れない。幼馴染みとして得た信用は伊達ではないということか、俺の母さんはあっさり彼の誘導に乗った。
 別段進路に拘りはなかったから、その作戦は正しい。母さんがそうしろと言うのなら、俺は黙ってそれに従うのだ。
 本当に、彼は俺のことをよく分かってる。

「……お前、ほんとに器用だよね」
「お褒めに預かり光栄です」

 口元を楽しそうに歪め、彼はにっこり笑った。
 腹黒さがちらちら見えるぐらい、にっこりと。
 そしておもむろに、こちらへ身を乗り出す。

「そう。俺は結構器用だぜ。なぁ?」
「だからそう言ってる」

 さらさら揺れる彼の黒髪。シャンプーの匂いが鼻を掠める。彼は胡座をかいたまま、手を伸ばした。
 指先が触れるのは、俺の足。生白い肌が剥き出しになっている。だからある意味当然、俺はズボンなんて言う文明の利器は身に付けていない。そして勿論、俺は自分からこんな格好になったわけではなかった。
 手は、手首をガムテープでぐるぐる巻きにされている。がっちがちだ。その凶悪なまでの強固さに、抵抗しようと言う気概は全く沸いてこない。幸い肘関節は動かせた。それに、肌に直接張っている訳ではないようだ。布か何か、一枚噛ませてある。
 上半身は学ランにワイシャツと、普段通りの着衣。学ランのボタンもワイシャツのボタンも全開だが、まぁ、それはいいとしよう。ただ、下半身は些か頼りない。
 左右の脚をそれぞれ折り畳んで、太股と脛とをひとまとめにぐるぐる。足を全く伸ばせないスタイルである。スラックスも穿いていないし、下着も身に付けていない。かつて無いほど無防備だ。

「随分とまぁ、犯し易そうな体勢だね」
「怖くねぇのかよ、お前」

 彼は俺の太腿をつまむ。つまめるほど肉も筋肉も無いのだけれど、それでも彼はつまんだ。きゅっと、少し強め。皮が薄いところなので、結構痛い。絶対わざとだ。

「確かにこのアパートは安物だが、壁は厚いんだぜ?」
「知ってる」

 だから、惰眠を貪るのには最適なのである。俺の家はお世辞にも静かとは言いがたいので、転がり込むことはこれまでにもままあった。
 彼は俺の太腿をつまむのをやめて、掌で撫で回し始める。特に柔らかい、腿の内側を重点的に。

「……、くすぐったい」

 ぞわり、ぞわりと、不思議な波が下半身から這い上がってくる。身体中の皮膚が敏感になって、首の後ろがぴりぴりする。鬱陶しいその感覚から逃げたくて身を捩るけど、体の自由は利かないし、内側から生じるそれから逃げる事なんて出来やしない。
 そう言えば、忘れていたのだけれど腕は完全に動かない訳ではなかった。この距離なら充分彼にとどく。
 俺は両手――手首が縛られているため両手にならざる得ない――で彼の頭をぐいと押しやった。

「んだよ」

 彼は案外あっさりと身を引く。でもそれで、止めるわけではないみたいだ。








続きます

Re: 【オリジナル】砂を吐く病気【BL短編】 ( No.4 )
日時: 2015/06/01 18:45
名前: エヴァンシス

 胡座をかいたまま後ろに手を伸ばして、何かを手に取る。彼の体に遮られて見えなかったけど、視界に入ってもなお、俺にはそれがなんなのかすぐには分からなかった。
 細長くて、透明なボトルだ。中身も半透明で、向こう側が歪んで見える。注ぎ口の部分は細長くなっていて、蜂蜜の入れ物に似ている。

「……何、それ」
「知らねーの?」

 彼は俺の目の前でボトルを振って見せる。たぷたぷ、水っぽい音がした。
 よく見るとさらさらした水ではなく、粘性があるようだ。
 あ、何だか分かった。

「なんでそんなに準備いいの」
「俺らしいだろ?」

 確かに。けど、そうではなく。
 彼は適当にはぐらかして、それを脇に置いた。まだ使わないらしい。代わりに俺の方へと手を伸ばし、また太腿に触れ――

「っ、ちょ……」

――るのかと思いきや、直接俺の性器を握り込む。

「勃つかな?」

 にやにや。
 優等生然とした仮面を破壊して笑うその表情は、何と言うかもう、あれだ。お巡りさんこいつです、的な。睨んでやろうかと思ったけど、顔を見るのも居たたまれない。結局、そっぽを向いた。

「本気? 本気かよ」
「冗談だったら嬉しいかよ」

 荒っぽく放たれた言葉が、俺に頬を張られたような衝撃をもって響く。
 嬉しいか否か。薬で眠らされて。ガムテープで拘束されて。部屋に閉じ込められて。何回も裏切られて。現在進行形で犯されそうになって。
 そんなこと、聞くんだ。
 ほんと、下らない――

「……っ、あ」

――というか何でこいつはこんなに上手いの。
 さっきから絶えず俺の性器を扱くその手が、やたらと的確な刺激を俺の下腹部に送り込んでくるのである。体の奥からじわりと熱が染み出すのが分かった。もっと有り体に言うと、勃っている。

「う……あ、うん。ちょっと待て。待って」
「なんで」

 なんでじゃねーよボケ。という抗議の意味を込めて正面を向いて睨む。どうせにやにやしているんだろうと思ったんだけど、そんなことはなかった。
 表情が消えている。笑っていないし、楽しそうでもない。勿論優等生みたいな真面目な顔をしている訳でもない。まるで、表情を作っているどころじゃないとでも言いたげな。ただぎらぎらと、強い視線が俺を見ていた。見たことがある、これは。
 それはジョンが雌犬に求愛していたときの目と同じに見えた。

「……ジョン」
「誰が犬だ」

 ジョン。昔俺が飼っていた犬。餌代は俺が出し、散歩も世話も俺がしていたから、正真正銘俺が飼っていたと言っていいだろう。もう死んでしまったけれど。
 こいつも、一緒に遊んだことがあったっけ。

「発情期、だ」
「……ったく」

 小さくため息をついて、そいつはこっちににじり寄ってくる。胡座をかいている膝が、俺の無理矢理広げられ折り畳まれた脚の膝にぶつかった。
 近い近い。額もぶつかりそうになって、顔を背ける。しかしあろうことかこいつは、空いている手で俺の頭髪を掴んでそれを阻止した。
 側頭部に、ぴり、と痛み。頭が揺さぶられる。

「……痛い」
「そうかよ」

 彼の顔が近付く。頭突きをされるとしか思えなかったので、思わず目を瞑る。けど、衝撃は伝わってこない。代わりにひたりと俺の額に何かが当てられた。
 薄い皮膚、硬い骨の感触。シャンプーの匂いとさらさらした髪が俺をくすぐる。ということは、これは、彼の額か。

「集中しろよ、朝日」
「何に」

 少しだけ目を開ける。分かってはいたが、こいつの顔がすぐ近くにあった。睫毛の本数まで数えられそうなほど、黒くて透明な瞳に吸い込まれそうなほどに、近く。
 彼は掠れた低音で、しかし間髪入れずに言う。

「俺に」
「…………」

 どう突っ込むべきか悩んで、少し考えてから喋ろうとしたら、彼の唇が俺の口を塞ぎ出かけた言葉を食べてしまった。それだけじゃない、こいつは欲張りだ。唇を割って中まで入ってきて、俺の呼吸や熱まで盗んでいく。
 苦しい。苦しい。

「っ、!」

 俺とこいつの間に挟まれた腕も痛い。彼のシャツの胸元を掴んだ(おそらく)けれど、上手く指が動かない。力が入らなかのだ。
 頭の後ろを押さえられて、もっと深く彼が入ってくる。くちゅ、と水っぽい音がした。彼は余すこと無く俺の咥内を舐め回す。
 そういえば、と思い出す。こいつはアイスを食べるとき、やたらと口許がエロかったなぁとか。いかん、これは走馬灯かもしれない。

「――っ、ぁは……っ!」

 頭がぼんやりしてきたところで、唐突に呼吸が楽になった。は、と息を吸う。舌を突き出して酸欠の魚みたいに空気を貪る。肺にひんやりとした空気が入ってくる感触がして、朦朧としていた意識が急速に覚醒していく。
 危なかった。殺されるところだった。肩を上下させ、頑張って呼吸する。

「下手くそ」

 あろうことか、彼は小さくそう呟いた。
 久々に本気で癪に障った。

「ふざけっ……」

 俺は、逆上して自分の状態を忘れていた訳ではない。最初からそこまで気にしてはいなかった。動けないが、それだけだ。俺は動くのが好きなわけではない。だから問題ない。
 しかし彼には腹が立つ。俺の苦言を聞くつもりなど欠片もないのだから。

「っ、わ」

 こいつは、なんの躊躇いも見せず俺の性器を口に咥えていた。
 熱くてざらついた舌が俺のに触れる。粘膜に覆われた咥内がぴったりとそれを包んで、ぐちゅぐちゅと緩急つけて締め付ける。結構深いんじゃないか、これ。大丈夫なのか、俺は少し心配になる。
 けど、その余裕はすぐに溶けてなくなった。

「た、颯巳っ!」

 だからなんでこんなに上手いんだ。
 ねっとりとした愛撫は俺をどんどん追い詰めていく。全身が熱くて、頭がくらくらする。なんだこいつは。こいつはなにがしたいんだよ。
 性器というのは随分敏感な器官だ。それを身をもって知った。逃げようにも逃げようがないから、気持ちのよさがどんどん溜まって、困る。

「まっ、ま、て。も、やだ……っ」
「ん、」

 聞いちゃいない。じゅ、と俺のカウパー(多分)も吸い上げて、さらに深く咥えてくる。かと思ったら先端近くを浅く咥え、尿道の辺りをぐりぐりと舌で苛めてきた。
 なんだこれ。こんなのやったことない。

「た、つみ、っ? そこ、や、ぁ……変……っ」

 ぐちりぐちり、力を緩めること無くそいつは俺のに快楽を教える。びりびりと、頭も体も痺れて駄目になる。駄目だって、もう。知らない。知らないから。

「っ、は、あぁ――ッ!」

 一気に、体の熱が解放された感覚。どぱ、と溢れた俺の精液は、まぁ当然のごとくこいつの中に。
 自業自得だ。俺は息を整えて、そいつを見下ろす。
 するとあろうことか。
 彼はごきゅ、と相当無理矢理な感じで喉仏を上下させ、何かを飲み込んでいた。
 何か――何か。

「なんだそれマジか」

 顔を上げた彼は、にやっと不敵に笑う。なんだかそれが随分久しぶりに感じた。

「ごちそーさん」
「…………」

 いや、いいけどね。君がそれでいいんなら気にしないけどね。
 恐らく半眼になっているだろう俺を見て、それでもこいつは楽しげだ。そしておもむろに自分のベルトを外し始める。
 その手つきが妙にいやらしい。多分意識しているんだろう。指先までしなやかで、綺麗な曲線。
 スラックスを下げて、さらにボクサーパンツまで下げてしまうと、もはやそれが露になる。
 勃っていた。

「た、颯巳」
「んー?」

 鼻歌でも歌い出しそうな笑顔である。
 彼が立ち上がると、丁度床に腰を下ろした俺の目線の高さにこいつの性器があった。もう何を言われなくてもわかる。
 髪を掴まれて、痛い。
 彼は何も言わなかった。俺の後頭部を引っ張って、ぐいと頭を反らさせる。すると、自然と口が開く。





続きます

Re: 【オリジナル】砂を吐く病気【BL短編】 ( No.5 )
日時: 2015/06/01 20:12
名前: 志摩

凄く面白いですね!!
思わず顔が……おっと、ごめんなさい。
えっとこれからも頑張ってください!!
あと迷惑かもしれませんが来れる時は来させていただきますね(><”

Re: 【オリジナル】砂を吐く病気【BL短編】 ( No.6 )
日時: 2015/06/03 18:34
名前: エヴァンシス

志摩さん
 コメント有り難う御座います!励みになります(*´∇`*)
 迷惑だなんてとんでもないです。またお暇なときにいらしてくださいね。

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