大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 【進撃の巨人】前前前世【現パロ】
- 日時: 2017/05/20 12:55
- 名前: 麗
もう、思い出さねぇのか?
あの世界の事、仲間の事
そして‥
俺のことも
進撃の巨人‥シリアス多めになりますかね‥
この物語を思いつくきっかけが車の中で流れてた前前前世‥
この物語は主にリヴァイ兵長目線で書かれています
前前前世の記憶があの世界‥
そして、この世界で再び会う仲間たち
この平和な世界で愛を育む者‥
みな記憶が戻りつつある中、
あるものだけは、いまだに思い出せていない、
『あの世界』
それは、思い出しても、思い出さなくても、幸せなのだろうか
そんな回りの者の葛藤が描かれた、物語
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- 第二話 私のこと、あなたのこと ( No.3 )
- 日時: 2017/06/01 17:45
- 名前: 麗
「‥‥はぁ‥」
やりきれない気持ちでいっぱいの静かな部屋に、ため息が響く。
エレンは、あいつ‥リヴァイを見ても思い出さなかった。
あの世界の事を、私たちの事を。
リヴァイとエレンがそういう関係にあったことは知っていた。
でも諦めるつもりはなく、ただそばに居たかった。
それだけで、十分だったのに。
私もエレンも、どうやって死んでしまったのかは分からない。
でも、いつか来る『お別れ』のときに私も一緒に死ねたのなら本望だ。
そして二度目に目が覚めたとき、エレンがそばに居た。
そのときに、全部を思い出した。
大切なもの‥
アルミンは私よりも先に記憶を取り戻していた。
おじいちゃんにもらった本を読んでいたら、記憶が戻ったそう。
アルミンのおじいちゃんも、エレンのお母さんも、私のお母さんもお父さんも、生きている。
生きている。
生きて、いる‥
『となりにお引越ししてくる子がいるから、仲良くしてね?」
『‥うん!』
『エレン、あいさつしなさい?』
『えっと‥家我エレン‥です‥?‥よろしくな?』
『!‥』
『おわっ?!」
『ミカサ?どうしたの?』
『ねえ、エレンなの?エレンなの?』
『あ、そ、そうだけど‥』
『お、覚えてない?ミカサ、ミカサよ?』
『は、初めて会ったばかりだし‥』
『‥‥‥』
‥…‥
『お母さん、お父さん生きてるの?』
『え、生きてるよ?』
『どうした?生きてちゃ不満か?』
『そうじゃないの‥‥殺されちゃったから‥』
『殺された?ははっ、夢じゃないのか?ミカサ?』
『殺されたなんて‥どうやって?』
『お母さんが‥刺繍、教えてくれて、お父さんがイェーガー先生を呼んで、ドアを開けたら、三人の男の人がいて‥お父さんは刺されて、お母さんは斧で‥』
『ミカサ?大丈夫よ。ここにいるから。大丈夫』
『大丈夫だよ。きっと悪い夢さ。大丈夫‥』
大切なものを見た瞬間、全てを思い出すのなら‥と思い、
胸まであった髪も切った。
身体も鍛えた。
エレンが、私の傍にいてくれるなら、
なんだってする。
私が、あの日のエレンに会えるのなら私は‥なんだってする。
‥‥なん‥だって‥‥
- 第三話 僕の事、君の事 ( No.4 )
- 日時: 2017/06/09 21:20
- 名前: 麗
「アルミンやっぱ頭いいな!」
「これくらいできるよ僕だって。」
「俺がバカみたいじゃねえか」
「‥実際そうじゃない?」
「‥‥‥だから呼んだんだった‥」
「まあでもコニーみたいに補修も忘れちゃったりはしないでしょ?」
「‥まあな!」
「いやそこで決め顔されても‥」
‥その横顔は、あの日、いや、あの世界の時と何一つ変わっていなかった。
あの時は駆逐しか頭になかった(バカだ)けど、(今もバカ)駆逐の標的がいなくなったことで、あの熱意(暑苦しさ)が消え、女子も集まってくるようになっていた。(僕は男子が集まってくる)本人は興味なさげにしていることがミカサにとっては救いなのだろう。ミカサの思いはあの時と変わっておらず、一途にエレンを追いかけている(?)
‥‥僕が、一番に記憶を取り戻した。
一番と言っても、ミカサやエレン、ジャンやマルコなどと比べてだ。104期生ではアニとベルトルト、ライナー、ユミルに会えていない。きっと高校生なのかもしれないし、外国にいるのかもしれない。他にももっと昔に生まれてたのかも。でも、きっとライナーたちは記憶を取り戻していると思うのは、僕の勝手な想像だ。そして、願望だ。
残酷な世界で、巨人として戦っていたあの三人が、もう一度友達として人間として友達になれて、楽しい時を過ごせるなら‥そういう考えがあった。
エレンのお母さんや、僕のおじいちゃん、リヴァイ班の皆さん‥『それ』で犠牲になった人々が生きているこの時に、僕はみんなで笑っていたい。
おじいちゃんが生きていること、エレンのお母さんが生きている事、マルコ、ハンナ、フランツ‥
あの時にできなかった、見つけられなかった本当の『自由』『安心』を手に入れられた今、僕はそれを望んでいる。
みんなが、あの日の別れの悲しみを忘れ、あの日の微かな幸せを思い出し、新たなこの世界で新しい幸せを作っていくことを。
「‥ミン‥アルミン!」
「へ、あ‥ごめん‥聞いてなかった‥」
「最近そうだよな‥なんつーか‥ボーっとしてる」
「そう?」
「うん‥っあ、ミカサに怒られる!」
「あ‥そうだね‥そろそろ‥」
「また『エレン‥勉強なら私が教える‥のでアルミンの部屋に長時間いてはダメ。』って言われる‥」
「ハハっ‥ミカサらしいや。」
「俺はイマイチどういう意味か分かんねんだよな‥」
「わからない方が良いよ。きっとね」
「そういわれると気になる‥」
「‥!‥ほら家の前に立ってるから‥急いで急いで!」
「おう、ありがとな」
「うんうん。いつでもきていいから。」
「おう。じゃあな〜」
「うん、バイバイ!」
僕は知っている。ミカサの言葉の意味が。
知っている。ミカサは僕の事を。
部屋に戻って窓の縁に肘をついて外を眺める。
まだミカサとエレンの姿が近くで見える。
「言えないよ。君が好きだなんて。」
そう僕が見つめたのは、赤いマフラーの少女ではなく、その隣の蒼い眼をした少年だった。
- 第四話 巨人とクソメガネ ( No.5 )
- 日時: 2017/06/22 18:03
- 名前: 麗
「おっはよぉ〜リッヴァイっ〜」
相変わらず大きな声で走ってくる奴がいた。
「チっ‥朝からうるせえな‥そしてなぜここにいる」
「え〜いつも一緒じゃん」
「そういうことじゃねえ。なんでてめぇが俺の家を知っている」
「あ、それぇ?気にしない気にしない!」
「‥ふざけてんのかてめぇは」
「ふざけてないよ?いたって真面目さ」
「‥まともではないがな」
「えぇ?!まともだよぉ」
「まともなヤツは巨人に名前なんてつけねえ。」
「‥‥リヴァイ?‥」
ハッとしたようにヤツは聞き返す
「あぁ‥昨日思い出したばかりだ。」
「そうか‥やっとか‥」
それは懐かしむように、思い出すように言った。
奴の名は‥
「ハンジ、」
「え?」
「‥‥何でもねえ‥」
「‥エレン、か。」
「あぁ‥。でも生憎あいつは思い出してねえんだ」
「え?!‥‥エレン、が‥?」
「あぁ‥」
「そうか‥残念だったね‥」
「まあいつか思い出すだろ‥」
「そうだと、いいね‥」
穏やかな表情で吐き出すように言ったかと思えば‥
「エレンってさ‥今も巨人化とかできたりするのかなぁ?!」
「‥‥‥」
「なんか言ってよ〜」
「うるせえ。おかげでてめえの馬鹿さ加減も思い出した」
「何それ〜?」
――――――――
「ハンジ先輩とリヴァイ先輩って‥付き合ってるんですか?」
「え、付き合う‥?リヴァイと私が‥?」
「はい‥いつも仲が良いから‥」
「ププっ、そんなわけないじゃ〜んっ」
「よかったね、美穂」
「う、うん‥」
これで何回目だろう‥
リヴァイは後輩からも人気で、私とリヴァイが付き合っているかどうか確認する女子が何人もいた。実際に告白した女子もいたが、リヴァイは昔、昔からエレンの事が好きだったから、断ったそうだ。
最初に近づいたのは、私の方だった。
見慣れた後姿、黒い髪、いつも機嫌の悪そうな幼い顔。それは、あの時と何ら変わっていなかった。だから、かな。いつも一緒に登校して、期末や中間の時は勉強を教わった。常に一緒にいた、と自分でも思うほど、接触する時間が長かった。でも、初めて出会ってから12年‥やっと記憶を取り戻したリヴァイが‥少し近くなったような気がした‥
でも少し‥悔しいのはなんでだろう‥
わからない‥けど‥
屋上に行ってどこまでも続く青い空を見上げる
雲が流れる青い空‥
「私‥‥リヴァイの事‥好きなの‥かな‥?」
微かに熱を帯びたこの頬に、答えは見つかった
- 第五話 私とあなたと死と ( No.6 )
- 日時: 2017/07/08 21:42
- 名前: 麗
仲間が次々と殺され、幼馴染が私の名前を呼ぶ声で意識が途切れた。
そして再び目を覚ました。
朝起きるととなりに誰もいない。
つまりもう起きたのか。
しばらくぼーっと青い空から差し込む光を眺めていた。
久しぶりに、あの時の夢を見た。
怖かった。
でもよかったと思うのは、あの人の最期の瞬間をみなかったこと。
でも‥あの人は見たんだ、よね‥
尚更辛かったんじゃないか、とあの人の寝ていたベットを眺めて思う。
「ぺートラー!遅せぇぞいつまで寝てるんだ」
「痛ッ!っと〜!ティッシュ投げつけないでよ!」
「おかげで目が覚めたろ、朝飯できてんだから降りてこいよ」
「‥‥」
ティッシュ投げつけて来たけど、朝ごはん作ってくれてんじゃん‥
やっぱ優しいんじゃん‥‥
舌噛むけど。
「‥オルオ、ハンジさんからメール来てる」
「ん‥?」
結婚してまだ一年もたっていない。新婚だというのにハンナやフランツのようにラブラブではない。ハンナとフランツのラブラブさ加減はあの記憶を持つ人の間ではとても有名な事だった。新婚旅行三日のうちにオルオは舌を計32回噛んだ。計算すると一日に約10回噛んでいる。
「ハンジさんが会いたいって。」
「紹介したい人がいる‥‥?!」
「これって‥」
「これは‥」
『プっ‥wwwwwwwwwww』
「ハンジさんに彼氏ができた!」
「なんと彼氏ができる日が来るとは‥!」
違った。
うん。違った。彼氏じゃなかった。
うん。全然彼氏じゃない。
「そうなの!やっとリヴァイが!!」
そう興奮気味に話すハンジさん。
その隣にいるのは‥‥
かつての私の想い人‥
リヴァイ兵長だった。
――――――――
強くなりたかった。
強くなればあいつも守れると思った。
兵長にあこがれているあいつに、想いを寄せていた。
兵長のようになれれば、あいつも‥そうも思っていた。
どんなに兵長に似せても、強さまでは真似できなかった。
あの時、兵長がいれば‥
あの時、俺が強ければ‥
ペトラが死ぬことは、なかった。
「ペトラ!!!!」
仲間が死にゆく緊迫した状況の中、俺は叫んだ。
怯えたあいつの顔が張り付いて、
あいつの血の舞う景色が忘れられなくて
一瞬のうちにすべてを失ったような喪失感が消えなくて
それを殺意に変えた一瞬が、とても悲しかった。
『すまないペトラ‥俺が強くなかったばかりに‥
すまないペトラ‥俺が守ってやれなかった‥
すまないペトラ‥愛してる‥』
それが脳内を駆け巡り少しずつ消えて飛び立った。
「!!‥‥」
またその夢をみた。隣を見れば、すやすやと眠っているあいつの顔がある。
安心する。
今この世界でペトラを『死なせる』確率はあの時よりもとてもとても低い。
平和になった‥‥
そう思い朝早く朝ごはんを作る。
何気ない日常がとても幸せであることを、他よりも早く知っている。
平凡が、幸せだから。
――――――
「兵長、なんか小さくありません‥?」
「‥‥?!‥‥何故だ‥何故‥」
「あっはーww今リヴァイ18だからww」
「そうか兵長は18歳以降も成長する珍しい体形で今は未熟なままだが年を重ねるにつr‥あ"っ‥」
「ぺらぺらぺらぺら。全くもう。」
「(いや、いま160‥‥‥)」
「なんか聞こえなかった‥?」
「何が‥?」
「何かが割れるような音が‥←」
「(それは俺の心だ!!!)」
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