大人二次小説(BLGL・二次15禁)

文ストBL 太宰さん受け多め 【リク募集!】
日時: 2018/12/22 14:31
名前: 腐れ外道

はじめまして!腐れ外道と言う者です。
太宰さん受けの少なさを危惧して作りました。
このサイトで初めての投稿なので、拙いところもあると思いますが、何卒よろしくお願いします。
【リク募集してます!】
基本何でも書きますが、太宰さん攻めと中也受けだけは地雷なので書けません…悪しからず。

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Re: 文ストBL 太宰さん受け多め 【リク募集!】 ( No.4 )
日時: 2018/11/18 07:00
名前: 腐れ外道

***

それから本部の医務室で治療を受け、自室に戻った。仕事が残っていると言われたことなんて、完璧に忘れていた。
彼はいつも通りの軽口のつもりであの言葉を言ったのだろう。けど、私はその言葉から彼の私を拒む気持ちが滲み出ているような気がして、苦しかった。
ずっと本心を隠してきた。
ずっと気持ちを抑え込んでいた。
けど、このままでいいの?彼はこれまで以上に距離を取ろうとするかもしれない。本当にそれで善いの?
ずっと逃げてきた。
ずっと嘘をついてきた。
けど、いつかはどこかで一歩踏み出して本心をさらけ出さなきゃいけない。
明日になったら、中也に謝って、それから精一杯の私のおもいをぶつけよう。
そんなことを考えながら、その日は眠りについた。

Re: 文ストBL 太宰さん受け多め 【リク募集!】 ( No.5 )
日時: 2018/11/18 07:16
名前: 腐れ外道

***

朝起きてすぐ、彼の部屋に向かった。
彼はもう起きているだろう。私よりは早起きだから。
震える手でコンコン、二回ノックする。彼は直ぐ出てきた。
「誰だ?って、太宰!?珍しく早い時間じゃねぇか」
「そんなことはいいから、部屋入れて」
彼の部屋に入り、ソファに座る。
「っつうか手前、昨日直ぐ自室入りやがって…俺は手前の分まで仕事したんだよ」
「…ごめん」
「…て、手前が人に謝るなんて、明日は雪でも降るのか?」
いつも通りの、いつもよりぎこちない笑顔。
とってつけたようなからかいに、どこか距離を感じて胸がチクリと痛む。
「あのね、中也、聞いて、」
心臓がバクバクと早鐘を打つ。このまま逃げてしまいたい。けどそれじゃ駄目だ。
「あのね、中也。私は君をずっと馬鹿にばっかりしてきた。ずっと嘘をついてきた。それは、私が自分の気持ちに正直になれなかったから。だけど、君にずっと嫌われていたくない。だから、だからね、」
すうっと息を吸い込む。ずっと言えなかった想いを、私の気持ちをぎゅうぎゅうに込めて。

「ねぇ中也、大好きだよ」

やっと言えた、ほんとうのきもち。

Re: 文ストBL 太宰さん受け多め 【リク募集!】 ( No.6 )
日時: 2018/12/22 15:57
名前: 腐れ外道

<届かない> 【(織←)太←敦かもしれない】
ある日の夕方の事だった。
ソファーに寝転んで雑誌を読むでもなく頁をぱらぱらと捲っていた太宰が、ある頁で手を止め、少しその記事を流し読みした後、その頁を開いたままそれを乱雑にテーブルに置いた。
それを見ていた敦は、少しその記事の内容が気になってそっと雑誌を覗き込む。『自殺を止める英雄』と見出しにでかでかと書かれたその記事は、どうやら何人もの自殺を思いとどまらせた男性へのインタビュー記事らしい。凄い人がいるんだなあ、と思いつつ顔を上げると、いつの間にか太宰が起き上がって敦を見つめていた。
「どう思った?」
「へ?」
「その記事を見て、どう思った?」
「どうって…」
少し考えて、口を開く。
「凄い人もいるんだなあって。そんなに沢山の人の命を助けられるなんて凄いって、そう思いました」
太宰は少し目を見開いたあと、その双眸をゆっくりと細めた。
「ふうん。…やっぱり君って純粋だね」
「え?どうしてですか?」
「そのまま記事に載っている事を信じているからさ。私みたいな歪んだ人間は、こう思ってしまうんだよ」
太宰は口許だけで笑うと、溜め込んでいた何かを吐き出すかのように話し出した。

長くなったので一回切ります

Re: 文ストBL 太宰さん受け多め 【リク募集!】 ( No.7 )
日時: 2018/12/22 15:50
名前: 腐れ外道

「自殺を止めるのなんて簡単だけど、その人が何故死のうと思ったのか、その人がその先どう生きていくか、そんなの助けた側には関係ないんだ。今日は人の命を救った、嗚呼いいことした、なんて満足するだけ。
自分が死にたくないからって、他人も本当は死にたくなんてないだろうって勝手に思い込んで、勝手に助けて。それって、ある種のエゴではないのかい?」
そういう太宰の眸は濁りきっていて、この人は本当に太宰さんなのかと敦に思わせる程光が無くて。
彼は敦を見ているようで、それでいてどこか遠く、もう取り戻せない何かを見ているようだった。
その視線の先に何があるのか、もしくは誰がいるのか敦には分からない。
太宰の眸は敦からの返答を待っているようで、それでいて何も言わないことを期待しているようで。
なんと言えば、彼は笑ってくれるのだろう?
どんな言葉を選べば、彼の心にこびりついたままの闇を消せるのだろう?
あるいは、このまま何も言わず立ち去るのが正しいのだろうか?
敦にはそんなの分かる筈が無くて、それでも、口を開いた。
「…僕は、そうは思いません。それで、その人が前を向いて生きていくことだって、できると思うんです。
人は弱いから、誰かに頼ることも必要だと思うんです。太宰さんも、全て独りで抱え込もうとしないで、もっと周りに頼ってもいいと思います。だから、だから、」
言葉もまとまらないままに気持ちを吐き出していた喉が急に言葉を失って、ぱくぱくと唇だけが開閉した。代わりに、心の奥底に居座っていたもうひとりの敦が口を開く。
『だから、何?』
『もっと僕に頼れって?そんな事言える程僕って強かったっけ?』
『太宰さんの中の闇を全て肩代わりして浄化して、なんでもない顔して隣に並ぶ、そんな事が僕に出来る?』
ぐるぐる、ぐるぐる。
もうひとりの敦が、敦を、わらう。
そんな敦を見ていた太宰が微笑んだ。
「…有難う。でも、私の歪んだ考え方はもう変えられないんだ。」
そう言う太宰の顔はいつも敦に向けるものより寂しそうで、苦しそうで、それは敦に自分では彼の傷を癒せないのだと悟らせるには十分すぎて。
「…御免。私は一寸調子が悪いから帰ったって、国木田君に伝えておいて呉れないかな」
それだけ言って、太宰は敦に背を向ける。
引きとめたかった。引きとめたらどうなるかなんて分からないけど、それでも引きとめたかった。
探偵社から出ていく背中に手を伸ばす。
届かない。指先が震える。この指は彼の背中を掠めもしない。
敦なんかじゃ、彼は心に触れさせてはくれないのだ。
パタンとドアが閉まる音がした。
太宰にかけられる言葉を直ぐ見つけられる程、敦は彼をわかってはいなかった。

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