大人二次小説(BLGL・二次15禁)

(新)【色々版権】駄作・雑多缶【r18/文スト福乱執筆中】
日時: 2020/09/16 20:41
名前: だらく ◆nI0A1IA1oU

 初めましての方は初めまして!久しぶりな方はお久し振りですだらくことなりは現在のハンネは変えてますが分かる人には分かると思います。皆様、宜しくお願い致します!

 同じタイトルありますが、色々中途半端がありすぎて収拾がつかないので整理がてら新しいスレッドで、また書いていきます。整理が出来たら旧は申し訳ないですが流すので、気になる方は同じタイトル(新)を抜いて検索したら出てきますのでそちらの方も宜しくお願い致します。(移動するのでこのスレで待っていたら読めますが←)

ルール
・荒し・中傷禁止・唐突のタメはスレ主苦手です(但しなりで絡んだ人は可) 
・駄文・駄作、誤字脱字が多い
・スレ主はBLでの 文ストの中也、乱歩は受け派、一番好きなのは福乱(←)
・スレタイにも書いてある通りスレ主の知ってる版権の組み合わせを書き、その上雑食(3L可、地雷はほぼ無し)なんで、見ようとした方の地雷CPが行きなりバーンと出る可能性があります。地雷カップルを見ないように必ず読者様は【目次から飛んで読まれるようにお願い致します】。
・コメント・リクエストは現在受け付けてません。
・エロ、グロ、シリアス、イチャイチャ、ヤンデレ、パロ(ケモミミ・ケーキーバース、オメガバース、fi 、お伽噺、学校もの等)、玩具責め、R18行為、モブ攻めをどっかしら含みます。
・キャラ崩壊要素多く、似非。そして、R18表現が絶望的に下手。
・一部キャラがメタい発言や爆弾発言有。
・基本的に落ちがない駄作もの。 
・妄想オンリーな駄作です、【原作では出ていない店や名前が出てきます。】
・更新は不定期、小出しが多く、何を書き、その駄作が続くのかはスレ主の気分次第になりますのでご理解、ご了承ください
・俺のイメージ、妄想で書いているものなので【自分の中にあるキャラのイメージ】を壊したくない方はUターンをするようにお願い致します。もう一度言います。自分の中にあるキャラのイメージを壊したくない人は見ないようにお願い致しますね。

それでも、構わないって云う方は、生暖かい尚且つ優しい、優しい目で見て読んで頂ければ嬉しいです。

以上です、長いですが目を通してくれたら幸いです。

ジャンル >>01
(※地雷、好きな組み合わせ、推しキャラ、漫画よりかアニメより等の詳細を記載し尚且つ書こうとしている版権の一覧)

目次 >>02-03

・犬神さんから、字体【なりでのやり取り】の許可を頂きました!
犬神さん、本当にありがとうございます!御協力感謝します!なりでも宜しくお願い致しますね!(図々しい←
しかも!こんな俺の駄作にコメントまで下さるとはお礼しかないです!あ、俺の駄作より犬神さんの小説かなりうまうまなんで、是非見て下さいね、皆様も!←


閲覧数

※徐に。って使うキ○○は俺です、本人ですからあしからずっ!
他の人が使ってても気にしないので、どうぞ俺の文法お好きにどうぞ!完全パクリはちょっと嫌ですが、文法自体は全然使って良いですからね。

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Re: 文豪ストレイドッグス【福乱】【r18/BL】 ( No.12 )
日時: 2019/06/03 11:46
名前: だらく ◆nI0A1IA1oU

福乱でケーキバース〜【ある日を境に】その2

 ケーキバースとは、とある外国発祥(とっくにはっしょう)、その多くが精神的なストレスによるものの後者と生まれながら甘さのみが感じられない人の前者がある......所で何故、私が説明をしなくてはいけない.....ん?乱歩が知りたがっている?誰が乱歩に言った......?教えないと言うのならば私が社の一人一人に問いただすとしよう
春野、今すぐ洋菓子を手配し乱歩にやってくれ、私は出る...一人一人軽く締めに行くだけだ、すぐに戻る

ーー

 同時刻、探偵社内では変わりない職務を皆が皆、業務に勤(いそ)しんでいる
二人を除いては通常通りと云っても良いほど変わらない日常風景がそこにはあった

 通常通りじゃない二人のうち、一人は朝から疲れきったようにぐでーと机に突っ伏し気だるそうにふとしたら直(す)ぐにでも眠りに落ちてしまうほど疲弊(ひへい)していた

 その者は自分で適当に切ったような不揃いの短髪に睫(まつげ)の長い切れ長の開眼していたら吊り目になるが今は糸目がちの眼(まなこ)に、やや幼い顔立ちをしている彼は江戸川乱歩、先程社長の福沢が和菓子を乱歩に取っておくように春野に告げるほど社長が一番に気に掛けている本人だ

 乱歩は頬を冷たい机に押し付けたまま、徐(おもむろ)に口を開けると


「あ〜......何かもう疲れた......一部の人の視線が僕に集中してるとか......僕が名探偵として有名になるのは一向に構わないんだけど、何かそれとは違う気がするんだよねえ......敦(あつし)、これどう思う?」

 不満そうに唇を尖(とが)らせながらもやや斜め横に居る少年に、何の前触れもなく聞く乱歩からしてみれば何となくでただ自分の近くに居たのが、敦と呼んだ少年だった。それだけのことでこの質問に意図や深い意味は何もなかった

 だが、聞かれた敦は朝から乱歩と同じか乱歩以上に疲弊している中、ぼーーっとした頭で、乱歩の不満そうな声を言葉を耳にして、僕と似たような目にあってるなあなんて思いながらも立ち聞きのようなことをしていたのもあって


「は、はいっ?!え、僕に振られてもと云うより........僕も実のところ、似たような目に合っていて、一部の人に獰猛(どうもう)な目で見られてて......しまいには........だから、その体中が痛くて此処に来るのが......ってそうじゃなくて!えっと、すみません、乱歩さんのお役に立てなくて......正直なところ...僕が知りたいなあ、なんて....あははっ」

 やけに上擦(うわず)ったような声を上げて持っていた書類を驚きからか床にばらまいてしそうになるのを何とか持ち直して聞かれてもないことを混乱した頭でそう言うが、言っている内にやけっぱちになったのか乾いた笑みを浮かべて乱歩を見る


「....ふーん、昨日からか......まあ、お互い様...嗚呼、違うね!僕の方がマシだ!何たって僕はまだ被害を受けていない!あの目は君が言うように獰猛な眼差しで僕を見た時は本当に気持ち悪かったけど、それが____だったら全然気持ち悪くないし君のようにはならないからね!」

 聞いたのにも関わらず、どうでも良さそうに返すがちらりと開眼している目で敦を数秒見てから再び何時もの糸目になるとまた口を開き、最後の方肝心な部分は濁(にご)して何かを得心したようにつらつらと言い放ち、顔ごと敦の方を向ける


「ふへ!?え、あ、何もないですよ?!昨日は何もなかった、あんなことは....!と云うよりも思い出したくもないです、昨日のこと全て!.......嗚呼、そうですね、乱歩さんの方が被害受けていない時点で大分マシですよ.....僕なんか身も心もずたぼろにされた思い....ですからね、嗚呼、忘れたい....」

 あわあわと何かを得心したような言い方をする乱歩に片手に書類を持ってから手を前に出して、身ぶり手振りしながら否定して何とか確信させないようにするも被害を受けてないと云う言葉に隠しきれず、そんなことを愚痴のように溢しよっぽど忘れたいのか頭を抱えるようにして項垂れた


「あ〜あ、君もう僕に答えを言っているようなもんだよ?そう云うのをこの僕に隠したいなら冷静にか頭を空(から)にして受け答えしなきゃ...嗚呼けど、そんなにひどい目にあったんなら与謝野(よさの)さんの治療が必要になるね、内側が色々痛いんでしょ?....僕が呼んでこようか、直ぐに来ると思うよ?」

 項垂れた敦を開眼していない眼で見て、しょうがないなあと云うようなニュアンスで言っていれば、ふと敦に近寄る女性に気付いてそれを含めた上で敦にそう聞く


「うう、以後気を付けます!そ、それは、そうなんですけど!!で、出来れば遠慮し....っ」

 自分の言ったこと後悔したように言っている途中で敦の肩に後ろからぽすんと手を置かれて、肩に置かれた手を見て明らかに男性じゃない女性の手に敦は血の気がなくなるような感覚を覚えながらも恐(おそ)る恐る後ろを振り向く

 乱歩が名を口にしていた与謝野女史だった、乱歩は此方に来る与謝野さんにも聞こえるようにまた敦の反応を見るためだけに言っていたのだ

 彼女は与謝野晶子(あきこ)という名で、探偵社専属の医師。三度の飯より手術や解体を好んでいるが故に敵よりも寧ろ身内から恐れられている

 そんな与謝野女医(せんせい)が敦が向いた途端に、にやりと笑みを浮かべて


「へえ....敦、怪我しているって?見たところ外傷はないようだけど、乱歩さんが言うなら内部の方だねえ、遠慮しないで良いからねえ、敦?大人しく妾(アタシ)の治療を受けな」

 そう言う与謝野女医は、心配から言っている訳じゃなくただ解剖と手術が出来るこの好機を逃さないと云わんばかりに笑いながら威圧をかけつつ、敦に肩に手を置いたまま問う


「あ......は、はい、お願いします......与謝野女医」

 さーーっと顔色を変え、青ざめた顔で消え入るような声で何とかそう言って、項垂れながらも与謝野女医に首根っこを捕まれて引き摺られる形で手術室に連れてかれる


「........、....」

 その光景を止めることなく開眼したつり目で二人が視界から外れるまでぼーーっと眺めてからゆっくり目を閉じて、ぽつりと


「........何か本当に疲れ、た....」


〜〜〜続く

Re: 文豪ストレイドッグス【福乱/r18/BL】 ( No.13 )
日時: 2019/06/03 11:48
名前: だらく ◆nI0A1IA1oU

福乱でケーキバース〜【ある日を境に】その3


 洋菓子が食べたいって頼もうとしたけど、僕が食べられる側ってことは周囲からそう云う目で見られるってことだよね?........社長と行動しよう!それが良い!そうしよう!社長ー、今の時間帯なら社長室かな?社長ー、居る?

 後、僕を食べていいのは、一人だけだから!君たちに振り回されるほどお気楽な僕じゃない!何たって僕は一途だからね!というより振り回される前に僕が振り回したら良い話だよね!
とりあえず、まずは社長を探そう、此処には居ないみたいだし!
............スッ....
...................、........超推理(←)

嗚呼、あと一寸(ちょっと)だけ待っていれば良いみたいだね、なら待とう!


ーーーーーーーーーー


「........何か本当に疲れ、た....」

 自分の周りが二人が居なくなったことで静さに包まれたその数秒後に、はあとため息が自然と口から零(こぼ)れ落ち、本日二回目の疲れたが無意識に声に出てしまったこと自体にまたため息を吐く

 あの目、本当に気持ち悪かったなあと乱歩は社に来る前の出来事を思い返して、心の中で改めて呟いた

 幾(いく)ら僕が人の事気にしないって言ってもあれは........いや、考えるのは止めよう、何か嫌だから


「........社長、忙しいのかな........最近顔見せてくんないし....社長室には社長から良いと言われるまで、入っちゃダメって言われてるし........何時見せてくれるのさ......兎じゃないけど寂しくて死んじゃうじゃん」

 頬を机の天板(てんばん)にくっ付けて突っ伏した状態のまま、数秒目を閉じていたが不意に目を開けて開眼したつり目で見る、乱歩が見た先には書棚があり、それ以外には目ぼしいものはなかったが乱歩の目には違うのが映っている

 乱歩の頭に浮かんでいるのは社長ただ一人だった、一人になるとつい頭に浮かんできていつの間にか社長のことで脳内を占めていた

 だから、乱歩の目の奥には何時も社長が居る。何故自分がこんなにも社長のことを考え思ってしまうのか、自分にも分からないまま、ただ悪戯(いたづら)に時だけが流れていた
 
 社長と出会ってからあれから何年経ってしまったんだろう、あの頃の方が一緒に居る時間あったなあ........と考えれば考えれるほど寂しさでいっぱいになり、記憶から映し出された社長の姿より実際に会いたいと云う思いが段々募(つの)り

 
「........もう我慢できないしこっそり社長室に入っちゃおうかな........あ、でも怒られたくないし........うー....どうしよ........とりあえず一旦寝よう、僕疲れたし」


「................」


「........」


「............会いたいよ....福沢さん....」


 眠気で今にも途切れそうな意識の中、切なくも消え入りそうな声音でぽつりと小さく社長の名を呼んだ

........夢の中でも構わないけれど、どうせなら........夢じゃない方が良い....夢なんかよりもずっと良いに決まっている


「............」

「........」


 完全に意識を手放して深い眠りについた乱歩は自分でも気付かないうちに涙を流していた


ーーーー

ーー



 乱歩が眠りについてから何れ程時間が過ぎたのだろうか、ふと乱歩の周りが暗くなる、それは誰かが乱歩の傍(そば)に近寄った人の影だった

 近寄った人物は福沢社長本人だ、社長はすぐに声を掛けようとしたが肩を上下に揺らし頬には涙の跡が残っている乱歩の寝姿を見ると声を掛けるのを止めてそっと乱歩の頭を優しく撫でようと手を伸ばして、そこであることに気付いた

 乱歩から甘い匂いがすると、何時もだとは思ったが今日は朝から疲れていて、菓子を食べている姿を誰も見ていないらしく、社の一人でもある弟子の国木田が用意している戸棚にある菓子を見ても減っていないことや乱歩に取って置いた分だけある羊羮と落雁を食してないと春野から聞いたため、そんなことはないと感じた

 だが、確実に乱歩から社長が好きな菓子の匂いがする。それも甘ったるい匂いじゃない........美味しそうと思える匂いで、今日半日を甘い匂いがしない、甘いと感じられなくなった味覚の原因を探していた社長にとって乱歩からのみ甘い匂いがするという事実に動揺を隠せずに手を引っ込めて一歩下がる

 また一歩下がり、ちらりと社内を見る。今は夕暮れ時で社内に居る人は帰投(きとう)していた、また好きで残っている社員らも今日は珍しく帰ったのは先刻、乱歩の様子を見に行く前に挨拶されたので分かっていたが、つい動揺を隠せない自分の姿を見られたくないと思っての行動だった

 そして、社長は数十秒間意味もなく右へ行ったり左へ行ったりを何回か繰り返した後、不意にくんと袂を掴まれた感覚し、掴まれた方を見れば


「........ま、待って....待ってよ、福沢さ、ん」

 乱歩は泣いていたのもあり涙腺が脆(もろ)くなっているのか、今にも涙が零れてしまいそうな開眼している潤(うる)んだ瞳で、弱々しく袂(たもと)を引っ張りながら心細そうな掠(かす)れている声で言ってから社長を見上げる

 乱歩は社長と目が合うと自分が何故こんなにも不安なのか、一緒に居たいと思ってしまうのか、福沢さんの前では色んな表情が感情が出てしまうのか、弱くなってしまうのか....とその答えが出なくて、分からなくて....たった数秒の沈黙に堪(こら)えられず俯(うつむ)こうとするもそれは叶わなかった

 それは社長が袂を引っ張っていた手をとってそのまま自分の方に引き寄せるように立たせたため、乱歩はよろけて前のめりになるも社長が包み込むように抱き止め、更に引寄せたからだった


〜〜続く〜

Re: 文豪ストレイドッグス【r18/BL】福乱 ( No.14 )
日時: 2019/06/03 11:50
名前: だらく ◆nI0A1IA1oU

福乱でケーキバース〜【ある日を境に】その4

 乱歩に言ったのは太宰か、社に戻っていないとなれば今日は社には戻ってこないだろう、国木田や谷崎が連れ戻してきましょうか等と聞いてきたが断り、先程社長室に戻ったのだが

............何故か乱歩が椅子に座っていたのだ
しかし、それは何時ものことで見馴れた光景だった、が一つだけ何時もと違うのは乱歩が寝ていることだった

........これからは、社長室に入れない方が良いだろう、こんな無防備で、乱歩と私しか居ない部屋には 

........そう思った瞬間でもあり、そっと乱歩の頭を撫でた、乱歩が起きている時には稀にしかしないことだが、本当は何時もこうしてやりたいと思っている


ーーーーーー


 社長に手を引かれたことに驚いて今にも流れてしまいそうだった涙が引っ込み、目を見開いて為すがまま抱き締められた乱歩は何が起きたのか分からないと云うようにすっぽりと顔を胸板下辺りに埋められたままでいた

 不安で押し潰されそうな気持ちが一瞬で消えて、真っ白になった

 でも、その真っ白で何もない、何も浮かばないのも一瞬だった、社長の温もりが感じられて少しだけ忙しない社長の心音が聞こえる

 福沢さんの温もり、福沢さんの心音....安心する、もっとこうしていたい........出来るならと自分からも背に手を回して確かめるように抱き着く

 それに重なるようにふわりとまた、乱歩から発する鼻腔を擽(くすぐ)るような甘い匂いが増して、抱き締めるのを止めて離れようとしたが乱歩が手を背に回して羽織から滑(すべ)りそうな手をむぎゅと服を掴んですり寄るように頭を押し付けてきたので離れようにも離れることが出来なかった

 乱歩から発する甘い匂いでくらくらしてきた思考を何とかしようとなるべく匂いを気にしないようにしつつも乱歩が気が済むまで抱き締め、背を撫でる

 その仕草を何度かした後に、もぞりと乱歩が身動(みじろ)いだような感覚がして乱歩の方を見やれば、顔を上げた乱歩と目が合った


「........福沢さん、忙しいのは........分かってるけど、顔ぐらい見せてくんないと僕の調子が狂うから見せてほしい、福沢さんが足りない」

 互いに見つめ合った状態が数秒続いてから乱歩は躊躇(ためら)ったように口をゆっくり開いて、開眼しているつり目で福沢を見上げながらも何処か拗ねているような声音ではっきりと言い、足りないから何とかしてと云うように強請(ねだ)っている瞳は身長差の関係で上目使いになっている

 私が足りないとは何だ?とくらくらとする頭が更にくらくらとしてくるのは気のせいじゃないだろうと福沢は思った、どう云う意味で言ったのかと逸らしていた視線を乱歩に戻し


「すまなかった、乱歩 これからは顔を出すようにする....、....して足りないとはどう云う意味だ?」

 まずは乱歩の様子も社の様子すら見れなかったことに対して詫びて安心させるように背を撫でてながらそう言い、少し躊躇ってから先程の言葉の意味を聞く  

「意味ってそのまんまの意味....今まで会えなかった分、福沢さんを感じたいってことだけど....駄目?」

 まるで、え?と聞き返すように不思議そうな眼差しで福沢を見ながらそれ以外何があると言わんばかりにはっきりと言い、間を少し空けてから僅かに首を傾げて何処か甘えたような声でそう聞く

 聞くんじゃなく聞き流せば良かったと福沢は先程の聞き返してしまった言葉を後悔するもすでに口から出たこと取り消しは効かない....駄目も何も否、感じたいとは.....とそこまで目を閉じてどう受け止めようかと考えていたが、それを止めるかのようにふわりと甘い匂いを纏わせて

 唇に何かが触れた、触れただけで甘いと感じる柔らかな何か−−、その何かは紛れもなく乱歩の唇でそのことを理解すると福沢は驚いたように目を開けて乱歩を見やると仄(ほの)かに顔が紅くなりながらも何時もとは違ったはにかんだような笑みを此方に向ける乱歩の姿があった 

 開眼している目は乱歩の想いを映すかのように熱を持ち、心の奥底から望んでいると見ただけで分かり、それに答えるように福沢は乱歩がした触れるだけの口付けよりも深い口付けをする


「っん....あ、ふ....んんっ」

 福沢にリップを塗るような丁寧さで上唇と下唇を舌で舐められて、乱歩はぴくんと体が反応し、服を掴んでいる手に力が入るもののすぐに吐息混じりの色めいた声と同時に力が抜けて委ねるように瞼を閉じ、するりと入ってきた舌を受け入れる


「んぁっ....ふあ.....あ」

 歯並び、歯茎、歯の裏、口内を余すことなく舌で丁寧になぞられている感覚に恥ずかしさからか、或いは福沢さんにされていることに対してか、その両方かは定かではないが、仄かにだった頬がかぁぁっと耳まで紅くなり、無意識に甘い声がなぞる度に口から洩れてしまう

 何でこんなにキス上手いの?福沢さんと内心で乱歩は思うが、自分の発する自分じゃないみたいな声と福沢の舌が自分の舌を絡むように触れ合い始めて

 その思考が次第にふわふわしてきて、じわじわと火照(ほて)る体が、福沢の熱を求めるように疼(うず)いてきて物足りないさが募り始めると同時に息が苦しくなり


「んぅ..ふ....ぁん....ふく、ざわ....さん」

 弱々しく福沢の服を握っていた手をくいくいっと二回引っ張り、口から放してくれた福沢を苦しさともどかしさで涙目なった何処かとろんとしたつり目で見つめ、舌足らずな声音で呼ぶ、唾液で口を放しても繋がれていた糸に福沢さんと僕はキスしたんだ、福沢さんも同じなのかなとそう思うと嬉しく恥ずかしくまだまだ福沢さんが欲しいと思ってしまう


「っ..苦しかったか、すまん ....だが、止められそうにない....私を煽(あお)ったのは乱歩自身だ....誰を煽ったか、先をやれば引き返せないのは、分かるな?乱歩」

 乱歩に服を引っ張られてはっとしたように口を放すが繋がれた糸に何れ程深く味わっていたのだろうと福沢は思うも、乱歩の甘さと愛しさに戸惑ったように数秒目を泳がせるも何とか口にして、一旦目を閉じてから再び目を開けて真っ直ぐ乱歩の瞳を見て、本当に良いのかと云う意味を含めて聞く


「うん、勿論....分かってるけど、僕は福沢さんのこと好きだから....それに、この僕を食べて良いのは福沢さんだけだからね!それと福沢さんの気持ちも僕と一緒だから.......僕の恋人になってほしいんだ、福沢さんに 福沢さん、続きしよ?」
 

 僕の傍に居れない時は、福沢の恋人だって云う証を僕に付けて欲しい、福沢さんにしか、僕を満たせないんだから、好き、大好き...福沢さん、愛してるよ




ーーENDーー


あとがき 
このあとは皆様の想像にお任せ致しますね!←

Re: 文豪ストレイドッグス【r18/BL】福乱 ( No.15 )
日時: 2019/06/03 11:52
名前: だらく ◆nI0A1IA1oU

福乱でケーキバース【2】〜【同性、年の差なんて、そんなの】

※これは、福乱でケーキバースの【ある日を境に】の続きです。
 
 ねえ、皆は年の差とか同性って気にするの? そんなのさ、莫迦(ばか)らしいって思わない?好きにしたら良いと思う。だって、誰でも良いって訳じゃないでしょ? ねえ、そんなので君の気持ちは簡単に諦められちゃうの? 他人に簡単に左右される程度じゃないなら、もっと愛してよ。

 いっそ、溺れるくらいに。 法律とかが邪魔ならこの僕が手を貸してあげるから、何時でも呼んで 

ーーーー
 


 ある日を境に晴れて福沢さんと恋人になった乱歩は、あの後福沢さんの想いを体や心で受けとめ、寮暮らしから福沢さんの家に同居することになってまだ、一週間経ってない日のこと。

 昔のように、二人の時間が来たことで寂しさや福沢さん不足が改善され、ここ最近は、福沢さんと恋人になる前までは簡単だし僕が行く必要がないから。と断っていた(乱歩にとっては)些細な依頼ですらも引き受け、意欲的に取り組み、以前とは比べ物にならない程成果を上げていた。

 ___活き活きとしている。一部の人を除いて誰もが分かる変化に、社の皆は、社長パワー恐るべし。と内心で乱歩を見る度にその言葉が頭に過り、この調子がずっと続けば良いと。誰もが思っていた。

 勿論、乱歩さんの教育係り否、世話を任せられている(?)国木田もその一人だ。だが、国木田はそう思うと同時に心配していていた。フル稼働__些細な依頼も、自分から進んでやるのは好ましいことでもあるも、普段の倍以上働いている乱歩を見て、喜べるはずのことが喜べず、代わりに心配が増すばかりで、国木田は、今日何回目かのため息を無意識に吐いて、こめかみに手をやる動作を繰り返していた。

「く〜に〜き〜だ君、何時もより眉間に皺が出来てるねえ、どうかしたのかい?」

 私で良ければ、相談に乗るよ? と、ずいっと視界に大きく否、視界の9割が太宰の顔で埋め尽くされて思わず、背凭れに寄り掛かるようにして仰け反りつつも、太宰の顔に手をやると無理矢理退かしながら

「余計なお世話だ。 その手には乗らんぞ、太宰」 

 良いから、お前はお前の仕事をやれ。と乱歩のことは心配だが、そう云えばコイツ(太宰)の存在をさっきのさっきまで忘れていた。否、ストレス因子(いんし)に成(な)りかねない太宰の存在を自然と頭から視界からも無いものとしている自分が居たが、相棒には変わりなく、社長からも任せられている上にデスクを挟み向かい合わせで仕事をしているので、良くも悪くも視界に入る。

 国木田は、身を乗り出している太宰を押し戻してから、眼鏡をくいっと上げる仕草をし目を光らせつつも、ぴしゃりと太宰を見ながら告げる。

「....、..分かったよ、仕事はする。 ただし、後で味見させてくれたらだけど」

 国木田に顔を強引に押されれば渋々と云った具合で引き下がり、押されたことで少し赤くなった鼻を擦(さす)りつつ承諾するも不意に思い付いたようにニヤリと笑みを浮かべて国木田を見つめながら「どうする?」と口には出してないがそう問いかけるように首を傾げる。

「?! ば、......誰があげるかっ!」

 ダンッと、両手で卓上を叩くと同時に立ち上がった国木田は誰が見ても顔が真っ赤だと分かるほど紅く染まり、叩いた手をそのまま拳にしてわなわなと怒りや何とも云えぬ羞恥心に駈られて身体を震わせながらも、太宰を睨み付ける。

 太宰はフォーク、国木田はケーキと、食う側と食われる側が向かい合わせだから、何れそうなるのは分かっていたものの、まさか机仕事(デスクワーク)真っ最中に言われてしまうとは思ってなく況しては国木田にはもうフォーク体質の恋人が居る為に、こほんっとわざとらしく咳払いしようと拳を口許へ持っていくも

「ねーえ、二人共。今、暇なの?」

 痴話喧嘩なら外でやってくんない? と新聞を広げて一つ一つに目を通していた乱歩だったが、二人がぎゃーぎゃーうふふしていた為に集中力が切れたのかぱさりっと無造作に新聞を卓上に放ると開眼した眼で国木田と太宰の両者を不機嫌そうな冷ややかにも見える眼差しで見つめてから投げ掛ける。

 二人の返事を待たずして、ため息を吐いてから口を再び開くと

「まあ、僕には関係ないけど。 国木田が用意してくれたお菓子、もう食べちゃったから。 国木田か太宰どちらでも良いから買ってきてくんないかな?」

 或(ある)いは二人で行ってきても良いけど。と開眼しているつり目を半目にし呆れたような物言いたげな表情をして云う乱歩は余程(よっぽど)気が散ったのか明らかに。そう、以前のようなやる気のない、つまらなそうに言い終わると同時に卓上に突っ伏してしまう。それを見た太宰と国木田は、お互いに顔を見合わせてから暫し時が止まったように固まっていたが、最初に動いたのは国木田だった。

 国木田は、太宰の冗談か本気か分からない言動に加え、乱歩から痴話喧嘩と云われた事に何とも言い難い羞恥心が駆け巡っていたが、本日二回目になる咳払いを紅くなっている顔でそれでいて自分では動揺や戸惑い、様々な感情を表に出てないと隠しているようで、

「断じて、違う。太宰に任せると仕事をサボりそうだ。だから、待ってて下さい」

 何時も通り、何時もと同じトーンで話せたと思っていたが、やや早口に早くこの場から去りたいと云う気持ちが先だって出てしまい、一気に熱が顔に来たようにどっと今よりも紅くなった顔で最後の方は乱歩に向けて告げて、足早に社から出ていた。

 その様子に太宰は、少し。そう本の少しだが国木田を本気で味見したいと思ってしまっていた。ただ

「私にも、ちっちゃい恋人が居るからねえ。 んー......」

(ちゅーやは、別に。怒っても怖くないのだけど、問題は。)とパソコン画面を眺め、思案しながらゆっくりゆっくりした動作で机仕事に取り掛かる。太宰にとってやる気さえあれば、こんな常務すぐに終わらせることも可能だがそのちょっとした手間が面倒でやりたくないだけの代物で。仕事より問題があると云えば、国木田の恋人が怒ると怖い。下手すればマフィアよりと、太宰は思う。だから、国木田にからかったり、悪戯したり、幾(いく)せ数多(あまた)の嫌がらせがまあ、出来るには出来るが、何時怒るか分からないから加減が分からないのも事実で、味見となったら確実に怒る。だから、どんな味がするかなんて試せないからどうしようかと顔には出さないが考えていて。

「......、...社長に一週間分褒めて貰いに行こう」

 太宰が此方に来そうな気がした乱歩は、太宰が耽(ふけ)っている隙に小さく。けれど、今から会うのが楽しみなのか口許を緩ませて口にする気は更々なかったのだが、気持ちが表に出てしまいながらも席を外して社長室へと向かう。

 社長と恋人になった今は、出入り禁止と云われていた社長室に入ることを許可されたので、社長が休憩に何時も入る時間帯に二日に一回は顔を出して社長の膝の上やソファーでお菓子を食べるというのが乱歩の日課になりつつあった。

 それだけでも、福沢さん不足は多少なりに解消出来ている。しかし、褒めてもらってないと乱歩は口にしてから気付き、その分褒めて貰いに行くと云う福沢さんに会う口実にもなるしいっぱい居られるんじゃないかと思い、社長室の扉に着く頃には上機嫌で今にも口笛を吹いてしまいそうな程、浮かれていた。

 扉をロックするなんて、乱歩はしない。する筈もなく勢いよく声を掛けると共に扉を開ける。

「社長ー!」

 満面の笑みをし、社長室に居る福沢さんに向ける。褒めて貰う前からこの調子じゃあ身が持たそうだと乱歩自身も思ってはいるものの、好きな人の前で自分と福沢さん以外誰も居ないから何時も以上に素になれる。乱歩は扉を勢いよく開けて直ぐ様福沢さんの元へ行こうとして歩みを進めようと一歩踏み出すも

「乱歩」
「扉ね。今、閉めるよ」

 福沢の嗜めるように名を呼ぶ声に踏み出そうとした足を引っ込めてから、福沢の次に云う言葉が分かったのか云う前に理解したように云いながら扉を閉める乱歩は、扉を開けたまま、このままのテンション、気持ちで福沢さんの元へ行きたかった為に、乱歩の口はへの字になり、扉くらい良いじゃん。と顔に書いてあるような分かりやすく態度に出ている。

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