大人二次小説(BLGL・二次15禁)

炭受け
日時: 2019/08/17 20:59
名前: りんご

炭治郎受け小説上げる
大体支部に上げるものの下書きとか没ネタ

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Re: 炭受け ( No.1 )
日時: 2019/08/17 21:00
名前: りんご

いつか義炭になる

「運命など馬鹿馬鹿しい」
 それがこの男、冨岡義勇の言い分であった。変わらない態度に、友人でもある煉獄は豪快に笑う。
「そんなことを言って、そういう奴ほどコロっと落ちたりするかもな!ワハハ!」
「そんな訳ないだろう」
 義勇は、アルファ抑制剤を握り締めながら、煉獄を睨みつけた。
 この世には、男、女、とは別に、アルファ、ベータ、オメガ、という性別がある。大多数の人間がベータに分類されるが、稀に、カーストのトップとして君臨するアルファ、そして、人間の性欲のはけ口だと蔑まれてきたオメガがいる。
 そして、この男、冨岡義勇はアルファであった。
「しかし、何故そこまでするんだ?」
冨岡義勇は、昔から変わらずこうなのだ。世間とは違い、運命という言葉に心を踊らすこともなく、ただただ、嫌悪感を抱くのみである。
「……臭い」
 オメガの匂いが、ということだろう。
 本能で、オメガを組み敷いてしまうかもしれない。人を傷付けてしまうかもしれない、という恐怖心。オメガに優し過ぎる故に生まれたのに、何故こうもこの男は不器用なのか。昔から彼をよく知っている煉獄は、やれやれと溜息を吐いた。
「生徒にはそんな態度を取らないようにな!オメガの生徒だっているだろう」
「……当たり前だ、大体、生徒だって俺をそんな風に見ない。俺は教師だ」

 なんて言ってたのは、ほんの数日前のことだ。

「あの!貴方が、俺の、運命ですよね!?」
その少年は、冨岡の服の裾をしっかりと掴んで離さなかった。
「は?」
冨岡が嫌悪感で顔を歪ませれば、少年は我に返り、服から手を離す。
「す、すいません突然!あの、俺、俺!竈門炭次郎って言います!」
「……邪魔だ、退いてくれないか」
「待って、ください、えと」
 炭次郎は、ジャージに書かれている名を一瞥する。
「と、冨岡先生!」
 冨岡は教師である以上、この生徒との接触は避けられない。その上、彼の耳にはピアスがついている。これは、生徒指導である冨岡が見逃してはいけない案件だった。彼に引き止められようがられまいが、この生徒との接触は避けられない。冨岡は小さく溜息を吐いた。
「運命だかなんだか知らんが、お前のソレは見逃せないな」
「……こ、これは」
 トントンと耳元をつつかれると、炭次郎は、う、と小さく呻いた。
「これはダメです、運命の人の願いでも外せません」
「馬鹿なことを言うな、これは教師としての制裁だ」
 淡々とした言葉を聞いて、炭治郎は顔を歪めた。庇うようにピアスを手で覆い、ふるふると頭を横に振る。
「さ、さよならっ!!」
「おい、待てっ」
 冨岡が伸ばした手を、炭治郎はひらりと躱した。
 それから炭治郎は、冨岡との距離を保ちつつ、それでも、しっかりと目を見つめる。
「でも、また、会いに来ますから!」
 そんな言葉を一方的に投げつけ、炭治郎はその場から走り去って行った。
 桜舞い散る新学期。これが、冨岡義勇と竈門炭治郎の出会いである。
 
 
 ▽▽▽


 今年の新入生の中の一人。竈門炭治郎。成績は良好で、至って真面目な性格をして、心優しく正義感が強い。所謂優等生宛らのステータスを兼ね備えているにも関わらず、それでも彼は、問題児として扱われていた。
 冨岡義勇に対する異常なまでの執着、そして、いつも欠かさず身につけられているピアス。それが原因だろう。職員室では時折竈門炭治郎の話で盛り上がる。それも、殆ど笑い話としてだが。
「冨岡、またド派手に口説かれたんだってな?」

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