官能小説(オリジナル18禁小説)
- 聖なる夜に(短編.nl.r18)
- 日時: 2018/12/21 01:52
- 名前: 白楼雪
クリスマス短編nlです。
短編なので、サクサク書ければと思っています。
荒らし等はご遠慮ください。
感想は雑談にて、お待ちしております。
さぁ、クリスマス迄まにあうかな?
※ どうにか、イブ前に書き終えました。
結構後半厳しい感じでした。
その他、作者の呟きは雑談の「私室」にて、つらつらと載せますので、良ければ遊びに来て下さいね。
感想、ご意見、リクエスト等もお待ちしています。
- Re: 聖なる夜に(短編.nl.r18) ( No.1 )
- 日時: 2018/10/23 03:47
- 名前: 白楼雪
プロローグ
白のファーが胸元と太股に柔らかな感触を与える。
深紅の布地が背から腰に滑らかに触れる。
ミルク色の肌は淡い薄紅に染まり、そして閉じた瞳には夜空の清らかさが…。
「あの、…もう、これ以上は…」
伏せた瞳をゆっくりと開き、彼を見つめる瞳は羞恥の涙で潤んでしまう。
こんな筈じゃなかったのに。今夜は絶対頑張るって決めていたのに。
「何を言っているんですか?これからがメインでしょう?」
意地の悪い笑みを口元に浮かべ、男は目の前の女を見つめる。
その視線を避けるよう女は視線を逸らす。
今夜はクリスマスイブ。
華やかな街も今は眠りを覚え、皆が各々のクリスマスイブの夜を過ごしている。
そしてこの二人もまた、聖夜を共に……。
- Re: 聖なる夜に(短編.nl.r18) ( No.2 )
- 日時: 2018/12/06 02:39
- 名前: 白楼雪
※ 聖なる夜に ※
「お疲れ様です。お先に失礼します」
光を鈍く受ける金属製のデスクにて、ノートパソコンの電源を落とす。
傍らにあった書類の束は既に処理を終え、今日の仕事は無事終わった。
「お疲れ、データは…」
「もう送信しました。明日の朝までに確認お願いします」
社会人も二年目となった真柴霞(マシバ、カスミ)は、最近漸く仕事の手際も良くなり、残業の量も減りつつある。
軋む椅子から立ち上がり、資料やデータのコピーは鍵つきの引き出しにしまう。
必ずしもこれで安全とは言えないが、そのままデスクの上に放置するよりは安全だし、会社の情報を外に持ち出すのは厳禁とされている。
その為、これで資料管理を終えた事になるのだ。
鞄に持ち帰る物を詰め、それを片手に真柴は小さく課内の人間に会釈をして社内を後にした。
*****
十二月の外気は肌寒く、葉を落とした木々が哀愁を漂わせる。
「もうすぐ今年も終わるな」
社会人二年目の一年は、あっという間に思えたものだ。
一年目とは違い、仕事もある程度出来るようになると、ミスのない手際を求められていく。
たった一年。されど一年の重みを感じ、仕事に追われ、より多くを吸収する日々は、厳しくもあり充実を感じるものだった。
そして去年にはない新たな出来事も…。
『すいません。今日はまだ終わりそうもないので、約束はキャンセルでお願いします』
不意に鳴ったスマホの通知音。開いたメールには、先週付き合い始めた寄月時雨(ヨツキ、シグレ)の名前と、デートの予定についてのメッセージ。
「やっぱり、そうだよね」
溜め息とともに彼に了承のメールを返す。
寄月が忙しいのは既にわかっていた。同じ職場で働いているのだ、見ていればわかる。
寄月時雨は同じ会社、同じ課の上司であり先輩である。
入社当時とてもお世話になって、気がついたら互いの距離も縮まっていた。
そして半年前に淡い恋心を懐き、そこから思いを伝えられたのは先週の事。
始め寄月の反応は困惑が見え隠れしていた。
真柴としては、自身が彼より三歳年齢が下なせいか、単に真柴自身に恋愛感情を懐けないからだと思っていた。
だが彼にそれを訊ねるとそれが理由な訳ではなく、気持ちも重なっていると告げられたのだ。
ならば何故かと問おうと思ったのだが、それより先に寄月は交際を受け入れてくれたので、敢えてそれ以上は聞かないで流してしまった。無理に問い詰めるのは苦手だったからだ。
- Re: 聖なる夜に(短編.nl.r18) ( No.3 )
- 日時: 2018/12/06 02:41
- 名前: 白楼雪
互いに忙しい日々、それでも交際は順調で二日前には肌を合わせる行為も行った。
寄月は普段の仕事でも真面目で、誠実な男だ。
黒い髪は首筋が見える程度に切り揃えられ、銀縁の眼鏡越しの瞳は優しさを伴っている。
清潔感があり、それでいて堅物ではない。社内でもその人柄の良さは有名で、真柴としては自慢の恋人である。
そんな彼との行為は、やはり寄月に頼りきりとなってしまった。
互いに愛を交わせられれば、それが一番重要なのはわかっている。
しかし日々疲れているだろう彼に、常に頼りきりというのは好ましく思えない。
恋人というのは、片方が頼り続けるものではないだろう。
真柴とて寄月に何かしてあげたい。
街は二週間後のクリスマスに向け、電飾や小物で彩られている。
「クリスマスか…」
そういえば、クリスマスは二人とも有給を得る事が出来たのだ。
社内では互いの関係を公表していないが、同じ日に休みをとって大丈夫だっただろうか。
いや、クリスマスに休みを求めるものは、真柴達だけではない。
家庭を持つもの。恋人のいるもの。何らかのイベントに参加するもの。
多くのものが有給を求める、そんな日なのだから、何の問題もないだろう。