大人オリジナル小説

愛したっていいじゃないか
日時: 2011/03/26 18:42
名前: 千愛 ◆/qHTzufVAQ

はじめまして千愛と申します!
この作品が初投稿となります。文章がおかしいところもあるかと思いますが、どうか最後までお付き合い下さい。

注意書き
・荒らし目的の人は閲覧をご遠慮願います。
・私のことを知っている人も、見る分には良いのですがコメントははあまりされたくないです。ネットと現実は割り切っていきましょうね。(我ままですみません…)
・某ボーカロイド曲(モザイクロール)とは一切関係ないです。(どうしても変えてほしい、という方がいらっしゃったら検討します)


登場人物

葛西 茅(かさい かや)
本作の主人公。いつも自分を偽って生きてきた。(詳しくは本編で)

葛西 真菜(かさい まな)
茅の双子の姉。成績も良く、運動も出来る。蓮と良くつるんでいる。

桜 彩花(さくら あやか)
クラスの委員長。茅の親友。真菜の事はあまり良く思っていない。

都築 光希(つづき こうき)
クラスのボス的存在。気が強い。

佐伯 紘生(さえき こうせい)
光希と良くつるんでいる。モテる。

瑞樹 蓮(みずき れん)
クラス内で一番派手な女の子。気が強い。

浅岡 紫音(あさおか しおん)
絵を描くのが好きな地味な子。蓮と真菜に逆らえない。

山本 紅陽(やまもと こうよう)
馬鹿。煩い。良い言い方をするとムードメーカー。


基本このメンバーで話が進みます。
では、本編は次回からです。

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Re: 愛したっていいじゃないか ( No.2 )
日時: 2011/03/29 11:20
名前: 千愛 ◆/qHTzufVAQ


立派な門。表札には『葛西』の文字。ここが正真正銘、葛西家の家だ。セキュリティーは万全。門の前にはインターホン(カメラ・指紋認証システム付き)と防犯カメラの二つ。
「…ただいま」
この大きく広い部屋に私は一人で住んでいる。
「ただいま」の声に誰も反応しないはいつものこと。「ただいま」と言うたびに私は一人なんだ、と寂しくなるが言わずにはいられない。



こんな生活が始まったのは今年の春。
普段通り家族と過ごしていた。過ごす、と言っても私は両親に嫌われることを恐れ、静かに過ごしてきた。(計算して過ごしてた。抜かりは無いはず。)
口数は少なく、何をやっても姉を上回ることはない。いわば姉の引き立て役だ。(私が望んだ事じゃないけど。)
私が昼食を食べ終えると珍しく両親が話しかけてきた。いつもなら私のことなど目にもくれず、姉さんと話をしているのに。(まぁ気にしてないけど。)

「茅。お前ももう高校生だ。一人暮らしという形でもっと社会に触れてみたらどうだ。家は用意してやる」
父さんの言葉には裏がある、ともうその時点で気付いていた。
上手い事言って私をこの家から追い出そうとしている。私はあえてそれに気が付かないふりをする。
「一人暮らし、憧れてたんだぁ…。嬉しいっ」
にこ、と笑う。あぁ偽笑いっていうのも案外疲れるもので、最初のほうは顔が引きつることが多かったけど、10年近くやってればもうお手の物。不自然な所なんてありませんけど?これで一体どれだけの人を騙したんだか…。
「そうか。家は吉備野にある別荘で良いか?あそこなら高校も少しは近くなるだろう。金は毎月振り込んでおいてやる」
父さんは早口にそう言うと、母さんを呼び、私が一人暮らしすることを伝えた。

「えぇ、茅ちゃん頑張って生活してね。母さん応援してるから」
母さんの顔を見ているとやっぱり親子なんだな、と思う。
母さんは私にだけ偽笑いを使う。そのことに私はとっくに気付いてて、母さんの偽笑い方をマネしたこともあった。顔の筋肉が痛くなったけど。
「うん、頑張るね。私、荷造りしてくるね」
そう言ってこの空間を抜け出す。

荷造りを早急に終わらせる。家具類は向こうの家にもあるので持っていくものと言えば洋服や制服、小説、携帯や財布、音楽プレーヤーに勉強道具ぐらいしかなかった。
そんなとき。訪問者が現れた。
「茅、一人暮らしするんだ」
姉さんだ。荷造りを手伝うわけでもなく、ただ扉を開け中の様子を窺っているだけ。
「あ、うん。憧れてたし」
手短に返答し、段ボールにざっと300はある小説を詰め込んでいく。
「へぇ…頑張ってね」
姉さんはそれだけ言うとパタン、と扉を閉めていった。何がしたかったんだ。


私は早朝にこの家を出て行った。荷物を運ぶトラックは両親が手配してくれたので問題はない。
昨夜1枚のカードを渡された。「これで何でも好きな物を買いなさい」と。私にとってはありがたいことだったので「ありがとう」と偽笑いを浮かべ、受け取った。


両親のいない家で、何か変わると良いのだけれど。


トラックに揺られながらそんなことを考えていた。

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