第二話
「茉奈ぁ〜っ!ビッグニュース!」
「優生。どしたの?」
「今日っ転校生来るってっ。うちのクラスにっ。」
「茉奈、転校生ってキョーミない・・・」
「でもさぁ、どんな人来るか楽しみじゃん?」
「経験上、良い人が来たことないもん。全員悪い人。」
(トラウマか・・・茉奈は人と接するの、ニガテだもんね)
「はい。席について!今日は転校生来るから。」
おぉぉぉーという歓声。
「カワイイ女子か面白い男子がいいなぁ。」
という男子。
「明るい女子かカッコいい男子よね☆」
という女子。
つまりいい人ならだれでもいいってことか。
「はい。高城さん、入って。」
(たっ・・高城さん?!まさか亜樹なんじゃ・・いやそんな偶然ないか・・)
と、優生は思ったが、教室に入ってきたのは、亜樹子以外の誰でもなかった。
(ちょっ・・・ちょっと亜樹!この中学には若奈も凛も千尋もいるんだよ!?なのに、何でっ・・・)
「高城亜樹子です。よろしくおねがいします。」
感情のこもっていない亜樹子の声が、教室に響く。
そして・・・・・・
「うわあぁぁぁぁぁぁ!カワイイ!よっしゃ!」
亜樹子を知らない男子の声。
「あれ、高城?高城って入院してたんだよな?」
亜樹子を知ってる男子の声。
「わー、カワイイこだねっ。友達になれるかなぁっ。」
亜樹子を知らない女子の声。
「あれ、亜樹子だ。いじめられるって思ってないのかな。」
亜樹子を知ってる女子の声。
優生は何も言わず、驚きの表情のまま、亜樹子を見つめていた。
これから起こるクラスの問題を、亜樹子が作ってしまうとも知らずに――――