大人オリジナル小説
- 愛玩動物の憂鬱
- 日時: 2011/12/23 16:58
- 名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2
どうも、はじめまして、またはこんにちは。
九龍と申します。
今回は虐待の物語を書きます。
題名に愛玩動物という言葉が入れられている理由は、物語で話します。
気分な悪くなる描写が多く含まれていると思いますので、ご注意を。
*注意*
・僕が嫌いな人は、まわれ右です。
・荒らし・チェーンメールはお断りです。
・文才については、補償はできません。
目次
お客様
- Re: 愛玩動物の憂鬱 ( No.3 )
- 日時: 2011/12/27 13:51
- 名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2
第二話『奇妙』
僕がそう言ったら、光月くんはなにも答えずに、ただ僕をじっと見つめた。
迷惑、かな。
そう思い目を伏せると、光月くんがやっと、口を開いた。
「ねぇ、本当にそれでいいの?」
光月くんは、僕の頬に手をあて、顔を上げさせて、目を合わせてそう聞いてきた。
このころは、ただ頭の中がぐちゃぐちゃで、光月くんの目から、感情が見いだせなかった。
自分のことで精一杯で、彼のことは考えられなかったんだろうな。
だから、はっきり言っちゃった。
「うん。犬じゃ駄目なら、猫でも、カナリアでも、カエルでも、モルモットでもいいさ」
君が、僕を少しでも見てくれるなら。
少しでも、雀の涙くらいの量でも、僕に愛をくれるなら。
僕は光月くんに微笑みかけて、ゆっくり口を開く。
「嫌なら、嫌って言ってよ。そうじゃないと、僕のあきらめがつかないよ」
君が優しいから、そういうこと、言いにくいって知ってても、僕は君にそういったんだ。
夕日の光が、彼の横顔を照らしてた。その時、君がどんな表情をしてるか、初めてちゃんと解ったような気がした。
あのとき、君は悩んでたんだろうね。
いつもはしないような、難しい顔をしてたんだから。
僕はその間、じっと光月くんの目だけを見つめてた。
教室。廊下、あけっぱなしの窓。
その何処を見ても、やっぱり、生徒の姿は見えない。先生の姿だって見えなかった。
人はいない。どんな答えを出したって、どんなことを言ったって、誰も君を非難しない。
だから、聞かせて。
君の意見を、聞かせてよ。
「……駄目、かい?」
「……あのさ、もう一度聞くけど、蒼真はそれでいいの?」
「いいもなにも、僕が言ったことなんだ。取り消しなんて、しないよ」
彼の問いに、僕は笑いながら答えた。
彼は、信じられないような顔をして、でも、僕が笑ってるのを見たら、優しく微笑んでくれた。
奇妙なプロポーズ。
奇妙な恋愛事情。
でも、これでいいんだ。
君の愛を得られるというのなら、これでいいんだ。