大人オリジナル小説
- 私が人見知りになった訳
- 日時: 2012/03/06 20:41
- 名前: ミナミ♯0122
- 参照: http://lost
初めまして、このサイトの別館に来たのは初めてで、文章も下手ですがミクロ単位でも良かったな、と思っていただければ幸いです。
ちなみに、コメントは歓迎ですが、荒らし・暴言は受け付けません。
基本的に、暗い友情関係です。あれ?と思っても、スルーしてください♪ 期待はずれだったら、諦めてください。
以上です。
- Re: 私が人見知りになった訳 ( No.7 )
- 日時: 2012/03/22 17:15
- 名前: ミナミ♯0122
- 参照: http://lost
ちょっと短めです。
二章 現在
普段、学校で私を知らない人は皆私のことを
「おとなしい」とか「静か」と言うことが多い。
まあ、実際はおとなしくも、静かでもない。そこらで見られる女子と同じなのだ。
「あ、ユメさんおはよう」
「…おはよう」
いつものように、自分の教室のある二階に上がると、クラスメイトの女子が数人、踊り場付近の水飲み場にいた。特に仲がいいわけでもないが、何かと狙われて困るのはこっちだし、普通に挨拶を返して教室に入った。
席は、窓際の一番後ろで、隣は学年委員長の早乙女柚月。これでも、男子。
鞄を窓のさんに置いて、二十センチほど離された机の隙間をちらっと見て、椅子に座る。
誰かが寄ってくることもないまま、本を開く。
「…ドッペルゲンガー」
誰かがそう呟いた。毎日毎日、その単語にイライラしている。
私は、羽芽のドッペルゲンガーでもないのに、そんな風に言われるのだ。確かに、普段私と羽芽を比べれば私は羽芽のドッペルゲンガーに思われるかもしれない。時々見かければ、羽芽は友達と笑っている。それに比べれば、私はいつも一人で唯淡々と俯き歩く。
そんな学校生活でも、楽しみはある。
今日は、月曜日なのでそのうちの一つがある。
そんな事を考えながら授業を受け、昼休みになるのを待ち続ける。
午前の授業も終わり、給食を終えると私はすぐその楽しみのために、ある場所に向かう。
「こんにちは」
私のクラス、二年三組はその場所に最も近く、カウンターの近くにいる先生に挨拶して、カウンターにはいる。
はあっとため息をついて、カウンター席に座るとなんとなく落ち着くのだ。
ここは、図書室。ちなみに、私は今日図書当番で尚且つ図書委員長である。
始めのうちは多かった本の貸し出し返却も、昼休み半ばになると閲覧がほとんどになって、本を読む暇ができる。
「返します」
ついつい、夢中になって本を読んでいると、上からそんな声が降ってきた。
「………」
ぱっと顔をあげると、それはいつも柚芽がここで待っている人だった。
「これ、返すんだけど」
黙っていると、何を思ったのかこいつは、最近よくやる偉そうな態度に変わった。
「よし、お前のバーコード切り取ろう♪」
なんとなく、笑ってしまったので、ちょっと意地悪に言って、全校生徒のバーコードが並んだファイルと、鋏を取り出す。
「やめろ、借りられる本が三冊減るだろ」
この言葉を聞いて、私はなるほど、と思った。
こいつは、私と同じだな、と。
仕方なく鋏を仕舞い、返却作業をする。こいつの読む本には、少々興味があるので題名を確認するが、文学ではなく職業に関する本だった。
たったそれだけだが、これが私の楽しみの一つ。いつも私は、簡単に崩れてしまうような仮面をもっている。だが、この柚月は当たり前のように、仮面を崩す。本当は、こんな性格なんか嫌だったのに…
授業が終わり、掃除もなかったので私はそのまま下校した。校門をでてから、手に持った本を開こうとすると。
「柚芽せんぱい♪」
と、いつも独特のちょっぴり舌足らずな声がかかった。