大人オリジナル小説
- ◎月×日 晴天
- 日時: 2012/10/27 20:57
- 名前: 甘味屋
◎月×日 晴天
クラスの沢田が自殺した。
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こちらでははじめまして、甘味屋です
痛々しいぼくら大嫌いな中学生の話
- ◎月▲日 曇天 ( No.3 )
- 日時: 2012/10/28 20:53
- 名前: 甘味屋
「死んだってね、沢田さん」
ひどく遠い目をして、僕に話しかける女子がいた。
女子としてはちょっと許せないくらいの短い黒髪の、似合わないスカートを履いた彼女。
僕の友達。 水野葉月。 変わり者で、孤立しているのに虐められたことがない変な子。
「はづちゃんだってクラスメートだろ」
「まぁね でも しゃべったことも 見たこともなかったから」
ひでぇやつ。見たことはあっただろうに。
「飛び降り自殺かぁ、痛かったろうなぁ」
「好きそうだね」
「リアルグロだもんねーでもね、自殺は好きじゃないな 屋上から飛んで、そのまま落ずに滑空できたらいいのに」
「馬鹿なの?」
「本気だよ」
「それは馬鹿って言うんだよ?」
「ううん、ほんとうにね」
こいつだめだ僕の話を聞いていない
葉月は間を空けて、あのへらりとした笑顔を浮かべた
「空飛べたらいいのに」
楽だろうなぁ、なんて付け足して。
あぁコイツは例えいじめられようが殺されかけようがこのヘラヘラした顔をやめないんだろうな
腹が立つわけじゃないけど、なんだろう?
「やだねぇ、どうなっちゃうんだろうねこのクラス」
葉月は唐突に言った。
その言葉の裏には、
[こんどは誰がいじめられるんだろうね?]
という響きが込められているのを僕は知っていた。
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