大人オリジナル小説
- ◎月×日 晴天
- 日時: 2012/10/27 20:57
- 名前: 甘味屋
◎月×日 晴天
クラスの沢田が自殺した。
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こちらでははじめまして、甘味屋です
痛々しいぼくら大嫌いな中学生の話
- ◎月△日 曇天 ( No.1 )
- 日時: 2012/10/27 21:19
- 名前: 甘味屋
今日の二年三組は、空気が重い。
昨日、知らされた、いじめられっこの沢田聖子が飛び降り自殺したこと。
たぶんみんな、それのことを考えている。
ひそひそみんながしゃべる、その真意は憐れみ?疑心?それとも冗談だと笑う軽い傲慢?
なんて、浅いんだろう
この空間空気言葉気持ちはたまた人間すべてが、浅い、浅い、浅い
「かわいそう」だっていう君も、「いい気味」だなんて笑うあいつも、痛い、痛い、痛い
ぼうっと、机に座って「極いつもどおり」に読書していると、担任の御村がいつも以上に陰湿な表情で入ってきた。
あぁ、やつれてる。
真にかわいそうなのはコイツだと思う。だけどまぁ、責任問題自業自得だしいいか。
HRが始まった。
刺でも刺さってくるような、さっきよりもずっと痛い空気になった。
それでも、顔を見合わせて「やばいよねー」と笑ってるあいつら。
なんて滑稽なことだ。
「・・・昨日話したとおり、このクラスの沢田さんが自殺しました・・・今日は、そのお葬式に行きます」
メガネを何度も直しながら、けして僕らに合わせない目。
あーあ。どうなることやら。
僕はひとり空気を読まずにちいさな長いため息をついた。
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