大人オリジナル小説
- いじめ、解決するよ。
- 日時: 2013/10/01 17:19
- 名前: ost
はじめまして! ostと申します。おーえすてぃーなりおすとなりどうとでも呼んで構いません。
今回はタイトル通りいじめに正面から向き合い、解決する物語です。
更新はゆっくりですが、暖かく見守っていて下さい。
プロローグ >>002
1話 初対面@天然 >>003
2話 初対面@印象 >>004
- Re: いじめ、解決するよ。 ( No.4 )
- 日時: 2013/11/30 15:48
- 名前: ost
第一印象はかなり重要だ。人は最初のイメージで他人を決定付けることが多く、最初に形成した人物像を壊して新たなイメージで塗り替えるぼは余程のことがないと難しい。初対面でしくじれば負の印象が残り続けるだろう。
「それじゃあ、自己紹介お願いね」
「紫呉樹です。……よろしく」
だから初めて顔を合わせるホームルームの自己紹介では、俺は口元を下げてなるべく"低く、やる気"の無い声で挨拶をした。若干の冷たさも含ませながら。頭も申し訳程度に傾けただけである。
どうしてぶっきらぼうな態度でのぞんだのか、それは自己紹介の後の質問攻めを避けたかったからだ。低い声で親しみやすさを下げて、気だるそうな声の様子でお前らとは仲良くする気はないと遠回しに告げる。二つの要素によって人は俺との会話がきまずくなり、結果近寄る奴が少なくなるというわけだ。
友人が作れなくなってしまうじゃないかと指摘されそうだが、別に友人など必要ない、俺は一人でも生きて行ける。
友人など邪魔なだけだ、自分の時間が少なくなる。
友人など面倒なだけだ、気を使って疲れてしまう。
デメリットが数多く上がる存在など誰が望むものか。一人の方が余程気楽である。
「じゃあ紫呉君の席は後ろの窓際ね」
「はい」
指示された席に向かう間も無表情を貫く。その間に聞こえてくる小声。格好いいだとか男っぽいだとか、関わりずらそうだとか。生徒は予想道理の反応を示し、見事に印象操作されている。よし、と心ではガッツポーズをするが、外面は淡々と、足を動かすのみだ。席に着いたとしても変わらない。
「紫呉君はまだ来たばかりで分からないことがあるから、皆教えてあげてね」
きっとそのような者はいないだろう。俺と距離をとるものばかりだ。……ああ、そういえば先生鈍かったな。
「それでは、ホームルームを終わります」
これで疲れずにすむだろう。誰かに束縛されず、自由なのだ。俺は喜んだが、つかの間のことで。感情もすぐに崩れ去るのであった。