大人オリジナル小説
- 時間と亡霊
- 日時: 2013/08/29 15:29
- 名前: 牟川 ◆mgGfGI6Kaw
ここでは「教師と生徒」と言う小説を書いている牟川です。まだ新人ですがここで2作目を投稿することにしました。よろしくお願いします。
尚、シリアス・ダークの板の「イギリスからの使者」もよろしくお願いします。
この作品はストーリー上、一部に社会問題的な表現があるためここで投稿する事にしました。
- Re: 時間と亡霊の陸軍 ( No.3 )
- 日時: 2013/08/29 15:34
- 名前: 牟川 ◆mgGfGI6Kaw
第1話 長い別れ
3、
「北辺と大乃はさ、何で社会のそこが出来ないのかな?だって日本人だったら誰でも知っている50年前の有名な大統領の名前だよ」
教室に入った途端にクラス委員長の橋竹に怒られる勇一と勝男だった。何故怒られなければいけないのか疑問だったが,橋竹は真剣な目つきだった。
「俺,社会は歴史も地理も公民も現代社会も政経も苦手だし。なあ勝男」
「そうだぜ,委員長。苦手なもんは苦手だぞ」
「はあ,授業に関係なく橋竹邦雄大統領の名前くらいは知ってるでょ!ああ、ちなみに私と名字が同じなのはただの偶然だからね」
「気にしてないし」
勇一たちが、日本の昔の大統領のことで橋竹に説教されていたところに、横から極豪が1人で語り始めた。
「橋竹元大統領はかなりの策略家として有名で,俺としては尊敬する人物だ」
極豪が語りだすと終ることなく続き,一学期の最初に行う自己紹介では1人で丸々50分間使い切ってしまうほどである。
「で,橋竹元大統領は國際連合軍事裁判A級戦犯扱いを受け死刑となったのだ。そしてさらに,・・・・」
「極豪は黙ってて」
極豪は熱く語り始めたが,橋竹の一声で急に黙りだした。さすがは「殲滅委員長」の異名を持つほどで,「熱血ミリタリー」の異名を持つ極豪でさえもノックアウトされたのであった。
「で,補修終わってもちゃんと2人とも勉強しておくのよ」
とり合えず,橋竹の説教はこれで終了したのだった。
「ねえ,勇一君。子乃羽会長が読んでいるよ」
実貴に呼ばれた勇一は教室のドアまで駆け寄った。子乃羽に呼ばれると大概勇一は雑用を任されるので,橋竹の説教の後は90%の確立で子乃羽のお使いを頼まれるのだ。まあ,子乃羽と勇一は従姉弟関係でしかも同居している関係であるから頼み易いのもあるのだろう。
「何だよ,子乃羽姉さん」
「勇君,休み時間で良いから職員室に行って夏休みについての書類を貰ってくるのお願い
ね。それと放課後,学園長室へ勝男君と来るようにだって」
「了解」
「それと今日は大事な話があるから補習終わったらすぐ帰ってきてね」
「わかった」
「じゃあ、また後でね」
子乃羽はそう言って生徒会室室の方向へ走って去っていった。
※
本日の全ての休み時間は生徒会室へ直行する羽目になったほか今日は放課後に,勇一と勝男は補修を受ける前に学園長室に来るよう指示されたため,学園長室に行く事になっているので2人は学園長室にやって来た。
「勇一と勝男!」
「驚かすな,道原姉さん」
「何が驚かすな,よ。そんな事より勝男…特に勝男は他の教科も致命的なんだってね」
「げっ!」
「とり合えず,勇一と勝男は2学期から少なくても社会だけは出来るようにしておく事ね,まあ勇一は他の教科はそこそこ出来てるから良いけど、勝男あんたは夏休み毎日勉強する事ね」
道原姉はそう言って2学期に習うと思われる日本史の予習プリントを勇一と勝男に渡した。
「明日からきちんと勉強するのよ、もしかしたら私たちはこれからここへは帰って来れないかもしれないからさ」