大人オリジナル小説

存在意義
日時: 2014/03/18 19:52
名前: アザミ

アザミと言います、初めまして。
拙い文章ですがとりあえず書かせてもらっていいですか。
とはいっても更新は凄く遅いと思います。

『フハッなんだコイツ下手過ぎるw』

くらいの気持ちでみていただければと。

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Re: 存在意義 ( No.6 )
日時: 2014/03/19 16:41
名前: アザミ

「優莉とハルちゃんは同じチームね!」


前に私を心友だと言ってくれた彼女の聞きたくなかったそんな声が耳に届く。それは何度も聞いてきた…普通の言葉だった。
ハルちゃん、と呼ばれた彼女は何も言わずに私をみてそして逸らした。


もう明日にまで迫ったクラスマッチ…種目はバスケ。クラス唯一の女子バスケ部のハルちゃんは強くて期待されている。対して私は運動が頗る苦手で弱い。本当は大好きなバスケも…あまりに下手過ぎて動けない為か、嫌いだと思われていると知った時は泣きたくなった。…正直にいいます、泣きました、みんなの前で。あれは焦った。

つまり…冒頭のあの言葉はチーム決めの際の、弱い私とは強いハルちゃんを一緒にしよう…そんな“作戦”だ。もう誰だって使う、使い古されたからこそ王道の作戦。

悪気なんて一つもなく発せられたその言葉は私がもう幾度と聞いた言葉であって、そしてその度に傷ついていた言葉だった。仕方ないとそう思う。私が運動神経がないのはもう周知の事実だし変えようもなかった。

それでも…チームの役に立ちたいとコートに立ってみれば私にはパスのひとつもこない。マークなんてない…フリーにもかかわらず、だ。もしかしたら私の位置が悪いのかもしれないけど、どこに行けばいいとかそういうのも全く分からないのだ…。

結局、ゲームをしてみても私はボールに触ることなくそれを終えるのだった。いざ動いてみればチームの邪魔になるだけで、動くのさえも怖くなるけどでも戦いに私も入りたい…そんな思いと闘うしかなくなるんだ。


「がんばろーね!」


笑顔でそういう友達。このクラス…というか学年はどちらかといえば体育会系…とでもいうのだろうか?担任も含め、今度のクラスマッチは優勝したいらしい。…私だってそれは思うけれど私はそこに…優勝という目標に至っては迷惑な、いても邪魔なだけだから。


「ハハッめんどくさい」


思ってもないことをこうして言っていないと私が私じゃなくなってしまうようなそんな感じがしたから。


「も〜優莉ってホント体育嫌いだよね」


なにをわかったように…なんて絶対に口には出さないけれど。バスケが私は本当は大好きなことを察している人はいないのか。…見ることが好きだと、そう誤魔化してみたけれどやっぱりあのボールの感触…私はバスケが大好きなのに。なのに、上手く動けないだけで…どうしてこんなに苦しいんだ?


明日のクラスマッチなんて憂鬱で仕方ない…みんなの迷惑になる、そう考えただけで私が体操服を纏ってコートに出ることすらもおぞましい。それでも優しいみんなは笑うんだ。その内側に何を思っているのかはわかりようもないけど…


ハァ。明日という日が来なければいいのに。

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