大人オリジナル小説

旅路の果てに何を見る
日時: 2018/03/10 14:14
名前: 空白魚

初めまして!空白魚(くうはくざかな)と言います!
今作品[たびはて]に興味を持って下さりありがとうございます!
今作品には言わずもがなBL要素が含まれ、グロ要素も含まれます。如何せん私にまともな文才がないものですから読みづらかったり、誤字脱字等の初歩的な間違いがあるかもしれません。申し訳ありません。
文字化けが起こっている場合は削除いたしますのでご了承ください。
だらだらと亀更新ですが、少しでも暇潰しや楽しんでいただける内容になれば良いなと思っております(笑)
エログロ、非社会的表現が多いですので、大変人を選ぶ作品です。
無理だと思ったら閲覧はお控えください(´・ω・`)

私から出せる注意事項はこれくらいです。
以上を踏まえた上で、本編をお楽しみください!

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Re: 旅路の果てに何を見る ( No.3 )
日時: 2018/03/11 18:45
名前: 空白魚

第三歩「執着と父」

「空色の髪を持つ美しき子よ。どうか良い夢を…」
エリオスの唇が大きなベッドで眠るセタの額に触れるだけのキスを落とす。セタはほわりと笑むと、心地よさそうに枕に顔を埋めた。
ふぅと息を吐いて、途端エリオスの長い髪は褐色の腕に引っ張られる。エリオスの瞳に微弱ながら恐怖が浮かんだ。引き摺られる様にしてセタの眠る部屋を後にする。それでも起きる気配のないセタに、安堵の笑みを浮かべた。
ズルズルとエリオスを引き摺って、赤髪のオールバックが似合う男は、容赦なくエリオスを別室のベッドに放り投げた。ギシッとベッドが軋み、エリオスは震える体を隠せぬまま明らかに怒っている目の前の男を見上げた。
金色の瞳が射抜く様にエリオスを映している。エリオスは、ただ黙ってカクカクと膝を笑わせていた。怖いのだ、目の前の男が。これから何が待っているのかを知っていたから。だから、エリオスは恐怖に満たされていた。それでも自分のした事に、不思議と後悔はない。だからこそ、エリオスは逃げる事をせずただ男を見詰めるしかなかった。
男はきっちりとしたスーツを身に纏い、その容姿は完全に人のそれだったが、エリオスは知っていた。
その口元で光る牙が、彼が吸血鬼であると密かに主張していることを、エリオスは知っていた。
「エリオス、あれはどういう事だ?」
びくりとする程冷たい声だった。
感じられる感情はただただ怒りのみで、エリオスの喉がひゅぅ、と空気を吐き出す。
体が動かない。力も能力も彼に負ける事は無いはずなのに、幼い頃から躾けられた体は、彼に逆らうのは良くないと叫んでいた。口をはくりと開いて、セタに会った時とは打って変わって叱られるのに怯える子供の様な声色で答えた。
「あいつは…私を、天使だと言いました…綺麗な空色で…放っておけなかったのです、お父様」
「そうか、エリオスは優しいな」
お父様。最後に言ったその言葉には、どこか甘える様な声色があったのだが、果たしてエリオスは気付いているのだろうか。
男はにこりともせず言うと、エリオスの頬を撫でた。無自覚に、エリオスの肩が跳ねる。ああ、怖い、と。エリオスは思った。
暫く優しい手付きで頬を撫でていた男は、少しだけ微笑むと、思い切り頬を叩いた。バチンと音高く。それでも俺は不快だよと、笑って。
息を詰まらせて、ベッドに倒れる。じんじんとした痛みは、何度同じ目に合っていても慣れる事は無かった。
体を赤子の様に丸めようとするが、男はそれを良しとすることをせず、傍にあった戸棚から注射器を一つ取り出すとエリオスに跨り、残酷に、美しく、笑う。エリオスは、ひ、と声を漏らした。
「さぁ、エリオス。悪い子には、お仕置きだもんな?」
男、レオンは、初めて抵抗を見せるエリオスに笑いかけながらも、注射針を躊躇いなく腕に突き立てた。
エリオスのやだ、という言葉には、聞かないふりを通し続けて。

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