大人オリジナル小説
- 恋せよ乙女たち【恋愛小説短編集】 【目次あり】
- 日時: 2019/03/01 21:36
- 名前: ぴな& ◆eltWj8iNLM
どうも、ぴな&です。
普通に恋愛小説を書きます。
拙い文章ですが、読んで頂けると嬉しいです。
どうぞ、よろしくお願いします。
「恋せよ乙女たち」
*登場人物&設定
>>1
*本編
プロローグ>>2
第一話>>3
第二話>>4
- Re: 恋せよ乙女たち【恋愛小説短編集】 【目次あり】 ( No.5 )
- 日時: 2019/03/02 17:15
- 名前: ぴな&
前話:第二話>>4
[第三話]
数日後、いつもの様に授業の合間の休み時間。
「…はぁ………。」
愛紗はため息をつくと窓の外に目をやる。
今日は生憎の雨で、厚い雲が空を覆っていたため、外は薄暗い。
何故だか、自分の心を映しているようで嫌だな、と愛紗は思った。
いつもなら、愛紗の回りには人だかりができているのだが、今日は愛紗の様子を察してか、人が寄って来ない。
チラリと眼球を動かして悠李を見る。
悠李は一人で本を読んでいるが、愛紗と目が合うと立ち上がり、愛紗の方へ来る。
「どぅ…したの?………元気ない…」
心配そうに愛紗の顔を覗き込むと、問いかける。
あっちゃぁー、と一息置いてから愛紗は打ち明ける事にした。
同じ想いを持っている妹に包み隠さず。
「私、散々悠李をからかっといて、アレなんだけどさ、大希の事、好きかも。」
ほんのちょっと間があいて、悠李は表情を変えずにそう……と返した。
「なんか、ごめんね。」
と、何故か謝罪の言葉を口にする愛紗に悠李は少しだけ、口角を上げて、
「なんで…謝る…の?…いいん…だよ?」
やっぱり、そうなんじゃないかと思ってたんだ、と悠李にしてはハッキリと言う。
そんな言葉にえ?と驚く愛紗。
意外な悠李の態度に戸惑いつつも、そっか、と頷く。
何か、気持ちが軽くなった愛紗は席に戻っていく。
その背中に悠李はそっと呟いた。
「どうなっちゃうの……かな」
少し複雑な顔をして。
***
放課後。悠李は公園に入って行く大希を見かけた。
「あ、大希…くん……?」
声を掛けたが返事がないので、どうしたんだろう、と不思議に思って公園を覗くと、ブランコに腰掛ける大希の姿が。
顔は下を向いていて表情は読み取れないが、その背中は何だか寂しそうで。
放って置けない、と思った悠李は、思いきって声を掛ける。
「だ、大希くん………ど、どう…したの……?」
恐る恐ると言った様子で声を出した悠李は頑張って笑顔をつくってみる。
その声に反応して、振り向いた大希は
「え、悠李……ちゃん。どうしてここに?」
と、驚きを隠せない様子で聞き返す。
二人の間にしばらく沈黙がながれて。