大人オリジナル小説
- リリア所長、捕まる!!
- 日時: 2021/04/16 00:20
- 名前: 山本蒼紫
リリアの小説のお陰で、迷惑をかけられたり困っているという苦情が沢山寄せられている。
その声の一部をお聞き頂こう。
「何かリリアってズルばっかりするじゃない。ああ言うのって僕嫌いだな」
「リリアの小説って何か役に立つの?」
「よく『の』の字を『e』って間違えるじゃない。うちの子が間違って覚えたらどう責任取ってくれるんだよ」
「ちょっとはさー、いい事の一つもしたらどうなのよ」
「もう漫画みたいな本はダメダメ。絶対ダメよ。だって教育上良くないんですもの」
「大体ね、悪者なのに子供の本の主役になってるなんて事が許されていい訳?」
「研究所の変な奴らを引き連れてさ、少女達をいじめようとするだろ。酷いと思うぜ」
「あいつさ、御地なのにさ、いつも歌って出てくるじゃないか。俺、耳がおかしくなっちゃうんだ。やめさせてくれないかな」
「下品な言葉ばかり出てきてうちの正春ちゃんが悪い言葉を覚えて困ってしまいますわ」
「チョコレートなんか食べる時、嫌しんぼな食べ方するだろ。あれ困るんだよ」
あまりにも被害者の数が多いので、動物警察も黙って見ている訳にはいかなくなった模様だ。
- Re: リリア所長、捕まる!! ( No.3 )
- 日時: 2020/06/24 16:41
- 名前: 山本蒼紫
目の前にロボットが現れたのだ。
その姿は頑丈で剛鉄性のボディに、頭部にはシルクハットを思わせるデザインの兜をかぶり、下半身には桃色のズボンで覆われ、両手には白い拳を持っている。体は桃色と白が半分半分になっていて、十字型の穴から見える白い目の中の瞳は桃色である。
言子署長の秘密兵器『キエルンガーZ』
言子「子供の教育に良くないと決定された漫画やキャラクターをこの世から跡形もなく消し去る、恐ろしいメカなのです。言わば、キャラクターの死刑マシンと言った所ですかね。フフフフフフフ。その威力、リリアに見せてあげなさい。」
キエルンガーZの目から眩いばかりの光線が発射されたのだ。するとどうだろう。
このページに印刷されていた字がみるみる消えていくではないか。何と恐ろしいロボットなんだろう。
※ロボットがインクを消してしまい、読み苦しい所があった事をお詫びします。
言子「どうですか、もうリリア関連シリーズともお別れですね。何か言い残す事はありませんか。フフフフフフ。」
リリア「何言ってるの。あのロボットの目さえ壊しちゃえば、光線なんか出やしないのよ。物をぶつけて割っちゃいましょう。」
リリア達は持っている物を手当たり次第に投げつけた。
言子「フフフフ。さあ、今度はリリア、あなたが消える番です。」
リリア「ひえーっ、伏せて。」
ネネカ「ほんとに何もかも消えちゃったよ。」
ララト「僕達の集めた宝物がぁ!」
しかし、こんな事で諦める天才リリアではない。
リリア「ねぇ、読者のあなた達。こんな時賢い主役はどうするか知ってるかしら?鏡を使って光線を跳ね返すのよ。よくある話だから、みんなも覚えておくのね。あははははは。」
言子「・・・・・・」
リリア「ララト、あなた確か鏡持ってたよね。ここであれを使うのよ。」
リリアが言った。
ララト「へーい。」
ララトは風呂敷から鏡を取り出すと・・・・・・
ララト「これであのロボットの目を狙うんだね。えーい!」
キエルンガーZに投げつけた。
リリア「違う違う。投げるんじゃなくて、光線を跳ね返そうと思ったのに!」
リリアは叫んだが、もう遅すぎる。鏡はキエルンガーZの超合金の体に当たり、
ガシャーン
粉々に砕け散ってしまったのだ。もうどうしようもない。ロボットはリリア目掛けて鋭い光線を発射した。
ビビビビビビ
リリアは光線から逃げ回りながらもまた何か閃いた様だ。
リリア「ねぇー、ネネカとララト。私が逃げ回ってる間にあなた達の持っている紙ヤスリでその大きな鉄の門をこすりまくるのよ。急いでー、頼んだわよー!!」
ネネカとララトは訳の分からぬまま鉄の門を紙ヤスリで一生懸命こすり始める。
ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ
リリアはあちらと思えばまたこちら。ひらりひらりと逃げ回っていたものの、
とうとう息が切れ、足取りも重くなってきた。やっとの事でネネカとララトがいる鉄の門に戻ってきた時・・・・・・
ビビビビビ
リリアの自慢のアホ毛の先に見事光線が当たってしまったのだ。
リリア「うわあー!!ネネカ、ララトー。どうかしら、鉄の門は磨けたかしらーー。」
ゴシゴシゴシゴシ
リリアがネネカとララトを抱き抱え倒れ込んだその上を光線が掠め飛んでいった。
そこにはネネカとララトが一生懸命に磨き上げ、ピカピカになった鉄の門が
まるで大きな鏡の様に光り輝いている。
リリア「やったー!!うまくいったわー。光線が跳ね返ったわーー。」
跳ね返った光線は見事ロボットのお腹に大当たり。体だけがすっぽりと消えてしまった。
その為ロボットは狂ってしまい、辺り構わず光線を撒き散らしたのだ。
そして、ロボットが全てのエネルギーを使い果たした頃には・・・・・・
言子「わー、何もかも消えちゃいました。わーん!!」
ビビビビビビビビ
ネネカ「綺麗さっぱりなくなったね。」
ララト「真っ白けだよ。」
リリア「さあ、今の内に逃げましょう。」
※何も書いていないからと言って落書きやメモ帳に使わないで下さい。
作者「こんなページばかりなら、楽なのにな。」
リリア達は真っ白になった紙の上を悠々とページの外へ逃げ去っていった。
言子はその後ろ姿をただ見つめるだけだ。だって、今リリアを捕まえたとしても、
ぶち込んでおく牢屋がないのだから・・・・・・。
〜臨時ニュース〜
アナウンサー「皆さん、リリア所長が刑務所を逃げ出しました。でもご安心下さい。『リリアを捕まえられるのは俺達しかいない』と二人の警部が名乗りを上げたのです。ここで二人のコメントをお聞き下さい。」
遠藤「我々は一度リリアを捕まえた経験があるのです。それをいかして、必ず再び捕まえて見せます。」
田中「ポスターも作り直し、全国に指名手配しました。皆さんのご協力をお願いします。」
〜終了〜
リリアは消えてしまったアホ毛を書き直してもらいに行った。
リリア「まったく酷い話だわ。ちゃんと逃げ出せたからいいものを。私が全部消えちゃっていたら、リリア関連シリーズもこの所でおしまいになった所だわ。ねぇ、前の髪よりもカッコ良く書き直してよ。頼むわよ、プンプン。」
ネネカ「おーっ、リリア姉ちゃん。今度の髪の方がずっと素敵だよ。」
ララト「あー、僕もあのロボットに髪を消してもらっといてもっと高く書き直してもらえばよかったよ。」
END