大人オリジナル小説
- 生きる許可が欲しい (BL)
- 日時: 2021/12/09 23:44
- 名前: 佐藤さん
これは、病み気味の年下の男の子と、少し煩い元気な年上の男の子の、初々しい恋愛物語(になる予定)です。
注意、
この小説には、
自傷行為、暴力・流血表現 等の要素が含まれているので、苦手な方は閲覧を控えるようにしてください。
更新ペースは遅いと思われますが、どうか暖かい目で見守ってやって下さい。
12/09 ※追記
過去の文を読み返していると、様々な矛盾点や誤字、納得のいかない表現などを、発見しました。(><;)ヒェェ
そういったのを見つけた場合、予告なく修正します。なので、文章の内容などが変わっていることがあるので、予め御了承ください。
お見苦しい文で申し訳ないです…
- 生きる許可が欲しい 竜慎side ( No.3 )
- 日時: 2021/09/21 23:57
- 名前: 佐藤さん
人の指示に従っていれば全てうまくいくと思っていた。
言いなりになっていれば、文句は言われないし、打たれたりしないから。
失敗した時は怒られてしまうけど、それでもうまくいった時は少し褒めてくれた。嬉しい。嬉しい、けど…
いつも俺の心にはなんだか穴がぽっかりと空いたような感覚があった。
一体、何が物足りないと言うのだろう。
俺は、きっと、満足しているはずなのに。
ピピピピ…ピピピピ…
甲高い耳障りな音が、俺の鼓膜を直接刺激する。その衝撃でふと目が覚めてしまった。
眉間にしわを寄せながら、その煩い声を発している物体を殺そうと手をむやみやたらに伸ばす。
手に何かぶつかり、その瞬間その物体を掴み、そいつの顔面を人差し指で勢いよく突く。
ピッと最後に小さい悲鳴を上げ、そいつは息絶えた。
その面を見てみると、そこには05:00と表記されていた。
5時……5時?それって朝の5時ですか。えっちょ、はや、早くない?俺、目覚ましの時刻設定間違えたの?
…はああぁぁ……。完全に目がさえてしまった。これではもう寝れんぞ。おい、答えろ。どう責任を取ってくれるんじゃあぁ!!などと端末に叫んでも応答なし。折角久々にゆっくり寝れると思ったのに…んがあぁああぁ!!
さっきから俺がこんなに怒っているのは理由がある。俺の家は俺が通っている高校まで徒歩10分以内でついてしまう程の場所にある。ちなみに二人暮らし出来るか出来ないかぐらいの狭さだぜ。
そんなに近いから例え8時に起きたとしても登校時刻に結構間に合う。しかも昨日は久々に部活の助っ人として頼まれず家にそのまま帰れたから、ゆっくーり寝れたはずなのに…こいつが…こいつがああぁ!!
感情に身を任せ端末を持った腕を振り上げ、その端末を壁めがけてぶん投げようとする。……さすがに壊すのはまずいか。
我に返った俺は、とりあえず朝飯でも食べようとベッドからのっそりと起き上がるのであった。
今日の朝飯は〜?
こんがりいい感じに焼けているトーストに、ちと半熟の目玉焼きをのせ、さらに上からマヨネーズをシャレオツにかけた贅沢な品です!
……朝からこんなハイテンションだと疲れるな。やめよ。
起床時の一件で不機嫌になってしまった俺。その事件の容疑者を睨み付けながら半分に折ったトーストを口に運ぶ。
……………っうまい!えっえっ、こ、これめっちゃうまぁ…!感動だわ…!
この前テレビでやっていた番組で作ってたトーストを俺も試しに作ってみたのだが…なかなかいけるぞこれ。ほんと、ホントにめちゃうまい。
先程まで不機嫌だったが、トーストのおかげで一瞬で機嫌が良くなった。
ありがとう、トースト。
………5時半だ。まだ30分しか経っていないだと…!?…暇すぎるぞこれは。
10分で朝飯を済ませ、いつもの調子で支度をしていたらもうやることがなくなってしまった。
漫画は今読みたいってわけじゃないし、スマホは…顔も合わせたくないし…
………出るか。そうだ家を出よう。家にいてもやることないしね。家出てそれでどっか散歩でもして時間潰せばいっか!
無意識にスキップで玄関に向かう俺。そのスキップのせいで靴箱に思いっきり足の小指をぶつけた。
…痛い。……これは………すごく痛い。
涙目になりながら靴を履く。痛い…めっさ痛い……くそぉ…………
靴箱を睨み付け、また不機嫌になりながら、俺は家を出た。