大人二次小説(BLGL・二次15禁)

【ONEPIECE】BL小説集
日時: 2015/04/27 21:54
名前: IA

どうも、IAといいます。
ここではONEPIECEのBLを書いていきたいと思います。ですが、ONEPIECEが異様に少なく、寂しく書いております(;ω;)誰か話相手になって下さい…(涙)
と、同時にリクエストも受け付けてます。ONEPIECEのPCなら、ほぼ書けると思います。他のアニメのリクエストも知ってる限りですが、全力で書かせてもらいますので。よろしくお願いします。
わたしは不定期更新です。遅いかもしれません。本当にすみませんが、気長に待ってて貰えると嬉しいです。

長々とすみませんでした。
では、どうぞお楽しみください…。

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Re: 【ONEPIECE】BL小説集 ( No.2 )
日時: 2015/04/15 16:03
名前: IA

〜枯れた花には何を注ぐのか〜【続き】
それは、どしゃ降りの雨の日だった。
窓を叩きつける雨に、小屋を壊そうと荒れる風。外には一歩も出ることの出来ない状態だった。
おれがここにいるのは大した理由ではないのだが、船員をおいて散歩をしていたら突然雨が強く降ってきて、この小屋で雨宿り…ということだ。
「雨、止まねェな…」
時刻は午後10:00。
止む気配も、おさまる気配もない雨。
この調子だと、明日の朝まで降り続きそうだ。
おれはこの部屋を見渡してみる。
あるのは、古びた本棚と机に椅子。それと、おれの腰かけているベッドくらいだった。
「随分と質素だな」
おれは苦笑する。
こんな部屋で一夜を明かすと思うと、少々気味が悪い。
だが、このまま起きていてもつまらない。もう寝てしまおうか。
そう思ったおれは、ベッドから立ち上がる。
そして刀を置こうと、手を離したその瞬間。
バンッ!
ドアを叩く音が聞こえた。
おれはビクリと身体をはね、音のした方へ目を向ける。
「…!?」
なおもドアは乱暴に叩かれる。
おれは置きかけた刀を再び握りしめ、ドアの前にたたずんだ。
「誰だ…こんな夜中に…」
ドア越しにいるであろう人物に話しかける。
最も、それが人間であったらの話だが。
「…!た、頼む…!助けてくれ!コイツが、酷い怪我を…!はっ、早くしねェと死んじまう…!!」
どうやら外には二人誰かがいるようだ。
しかし、この声。どこかで聞いたことのある気がするのだが…。
「早くドアを開けてくれ…!頼む…!!」
おれはしばらく迷ったあと、ドアを開けてやることにした。
「待ってろ。今開けてやる」
おれはドアノブに手をかけた。
隔てられていたドアが無くなり、雨が降りしきる中、おれの目の前に立っていたのは…
切り傷やかすり傷などをたくさん身体中に負ったキラー屋と…。
キラー屋に肩を貸してもらいながら項垂れている、ユースタス屋だった。
「…なっ…。何でお前らが…!?」
「ロー!?お前こそ何で此処に…!!」
お互い驚いたように顔を見合わせていたが、キラー屋が口を開く。
「そんな場合じゃねェ!お前で良かった…!コイツを助けてくれ…!今は気絶してるが…目を覚ましたら…!!」
キラー屋は泣き叫ぶように話す。
そう、おれが驚いたのはコイツらがここに来たからじゃない。
キラー屋が肩を貸している相手のユースタス屋に、左腕が存在していなかったからだ。
おれは硬直してしまったかのように動けずにいた。キラー屋が何かを叫んでいるようだが、耳にはもう何も届かなかった。
雨音も、風の吹く音も、叫び声も。

それでもただ、この雰囲気を演出するかのように、雨だけは降り続いていた。

Re: 【ONEPIECE】BL小説集 ( No.3 )
日時: 2015/04/16 06:27
名前: IA

暗い部屋に、ユースタス屋の寝息が響く。何事もなかったかのように無表情なその顔は、時折、痛みに歪んだような顔になった。
そんなアイツをキラー屋は、つきっきりで看病していた。
キラー屋はふと顔を上げると、おれに礼を言ってきた。
「すまないな、ロー。コイツだけじゃなくて、おれまで看病してもらって」
「勘違いすんなよ。これは貸しだからな」
そう言うとキラー屋は「そうか」と、くすりと笑う。
「…オイ、キラー屋。どうしてお前らはそんな傷を負っている?なぜ、ユースタス屋の左腕が…無いんだ…?」
突然のことに、キラー屋はうつむきながら、黙った。
それもそうだろう。さっきまでは、あんなに必死だったのだから。
「…お前なら、話していい…。
 ここに来る途中、おれ達は嵐に襲われた。それで、流れついたのがこの島なんだ。疲れきった船員達を置いて、おれとキッドは町を探していた。でも、何処にもそんな町なんてなくて、ついには方向感覚もなくなった…。
 ここまでの話を聞いてると、単なる迷子の話じゃないかって思ってるだろ?」
キラー屋の顔は仮面でよく見えないが、多分今は苦笑いをしているのだろう。
おれは大きく頷いた。
「はは…。まァ、間違いではねェんだがな。
 …話を元に戻すが、行き場をなくしたおれ達は突然の大雨にあった。お前なら分かるだろうが、コイツも能力者だからな。徐々に力が入らなくなっていったんだ。…それで…」
口をつぐんだキラー屋。
「話したくねェんなら別にいいぞ」
しかしキラー屋は首を左右に振ると、再度話し始めた。
「タイミング良く他の海賊が現れたんだ。これがいつもと同じ状態なら負けなかった。でも、雨のせいで動きが鈍ったキッドは…」
「…」
「あぁ、すまない。話を続けさせてくれ。
 でも、戦況はそれほどでもなくて、五分五分だった。そんな戦況が変わったのは、アイツが…。おれを…庇って…撃たれたときだった…」
キラー屋の歯ぎしりする音が、暗い部屋によく響いた。
「その時に…キッドは他の奴に捕まって、左腕をっ…」
おれは右手をキラー屋の前につき出す。「やめろ」という合図だ。
キラー屋はうつむいて、「すまない」と、キッドに向かって謝り続けた。
そんな時、ユースタス屋の呼吸が荒くなった。
「っハァ…!くっ…ハァ…!」
おれはすぐ様駆け寄った。
「…で…。腕がっ…な、い…。…おれのっ、腕…が…」
「キッド!」
キラー屋がユースタス屋を揺さぶるのを止めて、おれは告げた。
「安心しろ、キラー屋。ただ悪夢を見てるだけで、これは寝言だ」
そう言うと、キラー屋は落ち着いたようで、椅子に深く腰かけた。
「でも…そろそろまともな治療受けた方がいい。おれがしたのは本当に応急処置だからな…左腕の切断部分から腐っていくかもしれない」
キラー屋はびくっと体を動かし、立ち上がった。
「オイ、どこへ行く?外はどしゃ降りだぞ」
「決まっている!おれの船に戻って、船医を連れて来る。医療道具もな」
おれは呆れた表情で問いかけた。
「お前ら方向感覚無くして迷子になったんだろう?しかもこの状態で行きゃあ…」
「コイツが死んだら、他の船員にも迷惑なんでな。それに、おれの…」
そう言いかけると、ドアを勢いよく開け、雨の降りしきる方へと消えていった。

Re: 【ONEPIECE】BL小説集 ( No.4 )
日時: 2015/04/16 22:46
名前: IA

二人きりになった暗い、牢獄のような部屋の中。静寂に包まれたこの部屋では、雨音がしっかりと鮮明に聞こえる。未だ目を覚まさないユースタス屋は、変わらず小さな寝息をたてながら寝ている。一方おれはただずっと、ユースタス屋のそばにいた。
「早く、起きねェかな…」
ぽつりと呟いてみる。
しかし、状況が変わる訳でもなく、その言葉は空に消えていく。
おれはそっとユースタス屋のかけていた毛布をはがす。
そこには確かに左腕が存在しなかった。実に痛々しい。包帯の巻かれた傷口は、今だ血が滲んでいる。
おれはそっとその傷口を撫でた。
「っ…」
ユースタス屋の顔がほんの少しだけ、歪む。
「起きてんじゃねェのか…?本当は」
反応は、ない。
ユースタス・キッドともあろう奴が、そこら辺の海賊に左腕をくれてやるなんて。
おれはぎゅっとシーツを握りしめた。
おれが好きだったのは、そんなユースタス屋じゃない。そんな、弱いユースタス・キッドじゃない。おれが好きだったのは、いつも無鉄砲で命令口調のくせに、いざ仲間のことになると、自分を後回しにする、バカなユースタス屋だ…。
なのに、なのに…。
こんなところで左腕を失って、弱いところを見せつけるような…そんなユースタス屋は…おれは、嫌いだ。
ぽろっと、涙が零れた。
おれはその涙に気が付き、ぐいっと涙を拭う。
「バカ野郎…テメェみてェなバカがそうやって一番最初に死んでくんだよ」
皮肉を込めて言ってやる。
そんな腕じゃ。好きだと言っても、抱いてもらえない。これが照れ隠しで、さっきの言葉がそうなら、それでも構わない。でも、やっぱり、それでも好きなんだ。なァ、お前が腕を無くしたせいで、もう、お前に「好きだ」って言えねェじゃねェか。だって、言ったって、もうそんな片腕じゃ、おれは抱けないだろう…?
でも、もうそれでもいい。諦めたよ。おれみたいな枯れた人間には、こんな結末がお似合いなんだろう?
聞こえていないと分かっていたが、あえて、言うことにする。これで、のろけた思いに浸るのは止めだ。これで、最後にしよう。
「ユースタス屋、おれは、お前のことが好きだ…。でも、もうそんなことは言わねェ…。別にこれで会うのが最後って訳じゃねェんだろうが、おれが言いたいから、言っとく…。
 今のお前だと、おれを抱けないけど…おれは、お前に…抱いてほしかった」
そう。これでいいんだ。
おれはふと、笑った。
アイツが目を覚まして、こんなことを言われても、迷惑なだけだ。
確かに、おれの思いはここで終わる、ハズだった。
次の瞬間、思いきりベッドの方へ引き寄せられると、ぎゅっと力強く抱きしめられた。

Re: 【ONEPIECE】BL小説集 ( No.5 )
日時: 2015/04/18 00:11
名前: IA

「っ…!」
おれは体を引っ張られながら、ズルズルとベッドの中に引きずりこまれる。そして体が全てベッドの中に収まると、とても強い力で抱きしめられた。
「んっ…ユースタス屋っ…!何すんだっ…!?」
「あ?こうしてほしかったんだろ?」
淡々と話すユースタス屋。
まるで、数十分前の出来事が嘘のように思えてしまうほどの口調。
心配したおれがバカみてェじゃねェか…!
おれはぎりっと歯ぎしりをする。
その中には安心感も混じっているのだが。
「お前みたいな細っこい体なんぞ、片腕さえありゃ抱けるんだよ」
ユースタス屋はなおも抱きしめ続ける。
そんな、らしくない優しさにイラついたおれはユースタス屋を引き剥がそうとした。
「痛ェ…!離せ、この馬鹿力野郎…!!」
「んだよ、さっきまであんな可愛いこと言ってたのによ」
一瞬にして、顔が火照った。
熱を帯始める頬に、真っ赤に染まる顔。まるで果実のが熟していくように色が変わっていく。
「うるせェ!いいからその腕を離せっ…!」
ユースタス屋が黙る。
考えもしなかった出来事に頭が少しだけかき乱された。
「ユースタス…んっ!?」
そしてアイツの名前を呼ぼうとした瞬間、自分の唇が塞がれた。
それがアイツの唇だと分かると、いよいよおれの頭の中は狂い始める。
「んっ…ふっ…んんっ…!」
少しだけ空いた隙間から、甘い吐息が漏れ出す。
「やめっ…ユース…んんっ!?」
唇が離れたかと思うと、また塞がれる。そして、息が漏れ出す。その繰り返しだった。
「んっ…!あっ…ん…!…っ」
そしてやっと唇が本当に離れた。
ゆっくりとユースタス屋の顔を見上げると、非常に満足したというような顔でこちらを見つめている。
ユースタス屋は片腕でおれの頭をかき回すと、一言だけ告げた。
「やっぱ、可愛いぜ?トラファルガー」
おれのリミッターが外れた。
「はっ…じゃあ、おれ相手にヤッたりとか…すんのか?」
軽い挑発。
それにユースタス屋はひどく驚いておれを見つめる。
「ほら、さっきまでの勢いはどうした?」
おれはニヤリと笑ってみせる。
この笑みは心からの笑みなのか。
はたまた、誘う誘惑の笑みか。
今の狂ってしまった枯れた花には、そんなこと分からなくて。到底、理解できるハズがなくて。
しばらくしてユースタス屋が口を開いた。
「は、ははっ!とうとう狂ったか…!トラファルガー!」
高笑いをするユースタス屋。
「くくっ…こればかりは意表をつかれたぜ?」
「後悔しても知らねェぞ」

枯れかけていた花は水を欲しがった。
まだ、枯れたくないから。
まだ、咲いていたいから。
花には伝えたい想いがあった。
胸の中に秘めた想いがいつか、この自分という花がつまれて、相手に届くという、想いを。
そんな誰も見向きもしないような花は、今、何を注がれるのか。
水? 光? 情? それとも、愛?
何でもいいけれど、それが分かるのも、二人の行き先も、今は分からない。
分かるのは、この少しだけ先。

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