大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- カゲプロ___黒コノハ×マリー(非エロ)
- 日時: 2016/11/20 02:37
- 名前: もこもこ禍霊夢
ふと思い付いた小説を書きます。
面白くもなんともないです。
非エロです。
題名に書かれている「黒コノハ×マリー」を書き終えたら、もうこのスレッドに小説を書き込むことは無いんじゃないかな・・・・・・とは思います。
もし書き込むようなことがあったら、
「神(紙)の声を聞いたんだなこの人」
とでも思っておいてください
ぺこりぺこり
- Re: カゲプロ___黒コノハ×マリー(非エロ) ( No.8 )
- 日時: 2016/12/05 01:30
- 名前: もこ禍(れいむって書くの疲れる)
「うーん、どうしようかなぁ・・・・・・」
頭を抱えて悩んでいる女王と、彼女を心配そうに見つめる冴える蛇。
そう。彼女は、彼の呼び名を必死で考えているのだった。
「じょ、女王、俺の名前程度でそんなに悩まなくても大丈夫ですよ? 俺は、貴女がそれを考えて下さるだけで幸せですから」
そう彼が言うと。
「程度なんて言わないで! 自分の大切な名前だよ?」
すかさず彼女は反論する。
「それに・・・・・・言い出したのは私なんだから」
*
「そうだ!」
考え始めてから、数分経った時、彼女は大きな声を出した。
「女王、思い付いたんですか?」
彼が嬉しそうに尋ねた。
すると、彼女は「聞いて驚け!」とでも言わんばかりに、笑顔で言った。
「冴えーるさん!!」
「・・・・・・やっぱりダメか」
「解ってるなら最初から言わないで下さい」
「じゃあ・・・・・・こういうのはどう?」
代案を言う彼女の表情は、少し申し訳なさそうだった。
その時、彼はさっきの台詞で彼女を悲しませたかな、と少し後悔したのだった。
「クロハ・・・・・・っていうのはどう?」
「くろは、ですか。」
彼は、その名前が不思議と自分にしっくり来る様に感じていた。
「貴方の色違いで、白黒の人・・・・・・コノハっていう名前なんだけど、覚えてる?」
彼が頷くと、彼女は説明を続けた。
「そのコノハが真っ黒になったから、クロハ! ・・・・・・どうかなぁ?」
「とても・・・・・・いい名前ですね」
彼が応えると、不安そうだった彼女の顔に、満開の笑顔が咲いた。
「よかったー! これからもよろしくね、クロハ」
「ごめん、布団しか無かったんだけど・・・・・・大丈夫?」
「いえ、全く問題ありません」
クロハは、マリーの家にある物置の奥の方から引っ張り出してきた布団で寝る事になった。
「この家に人が泊まる事なんて無かったから、すごく時間掛かっちゃった・・・・・・」
マリーの寝るベッドの近くに布団を敷き、枕と掛け布団を設置して準備完了!
一連の作業を終えた彼女は、とても満足そうな笑顔を浮かべていた。
「ほら、これでぐっすり眠れるよ!」
「ありがとうございます!」
彼は、「主が従者の為に布団を敷くっておかしいんじゃないか・・・・・・?」
という疑問を抱きつつも、彼女に感謝し、布団に入った。
彼は、どうやら
「彼女は主と従者の関係を気にせず、彼を思いやって準備をしてくれた」
という事に気づいていない様子なのである。
彼が想像以上に早く寝るものだから、彼女はとても驚いていた。
しかし、すぐに笑って
「おやすみなさい、クロハ」
と囁き、自分も眠りについた。
勝手に、彼が「クロハ」と呼ばれるようになった由来を考えてみました。
ちなみに、「彼」や「彼女」等の代名詞が多いのは英語の勉強の影響だと思います。
- Re: カゲプロ___黒コノハ×マリー(非エロ) ( No.10 )
- 日時: 2016/12/15 22:10
- 名前: もこ禍(れいむって書くの疲れる)
ごめんなさい、忙しかったんです
俺が「どうやらジュウシャというものは意外と面白いモノらしい」ということに気づいたのは、女王との同居生活を始めてから数週間経った頃だった。
朝早く起きて朝食の準備をしたり、例の小鳥の力を借りて街にお使いに行くことは少し大変だが、彼女の笑顔を見るだけで(拝むだけで)そんなことは吹っ飛んでしまう。
女王は、よく俺に色々な事を教えてくれた。
この世界の常識等は勿論、今自分達が住んでいるこの家の事や「ガッコウ」というもの(彼女が憧れているらしい)のこと、さらに彼女の友達のことも教えてくれた。
お陰で俺は数週間という長い年月(!?)をかけて、この世界に慣れて来たのだ。
「友達」と言えば。
女王の友達数人が家を訪ねて来たことがあった。
名前は確か・・・・・・「キド」と「カノ」と「セト」だったはず。
彼らが俺の事を不思議そうな目で見つめていると、すかさず女王が
「私の自慢のジュウシャをそんな目で見ないでよ!」
と笑顔で言うものだから、此方が照れてしまう。
しかし、彼女が色々と説明してくれたお陰で、俺は少しだけ彼らと話せる様になった。
「おーい」
・・・・・・?
「クロハー?」
「はっはい!!」
「洗濯物干すの手伝ってよ!」
どうやら、思い出に浸っていた俺を彼女がずっと呼び続けていたらしい。
その事をとても申し訳なく思いながら、俺はベランダへと向かった。
「・・・・・・なんかさ」
洗濯物を干している時、唐突に彼女が話し掛けた。
「私達って、主と従者って言うより・・・・・・友達だよね」
その時、俺は急に申し訳ない気持ちになってしまった。
何故なら、彼女が俺の態度に不満を持っているのか、と思ってしまったからだ。
「嬉しいな、私」
しかし、俺は次の言葉を聴いて驚いた。
「私・・・・・・こんな友達が欲しかったの」
「従者兼友達」
どうやら、女王にとっての俺とは、こんな存在だったらしい。
勿論、彼女に反論するつもりなど無い。
「俺も、こんな友達が欲しかった・・・・・・」
・・・・・・自分も、彼女と同じ事を考えていたのだから。
- Re: カゲプロ___黒コノハ×マリー(非エロ) ( No.11 )
- 日時: 2017/01/08 14:26
- 名前: もこもこ禍霊夢
カノの口調迷子
「今日はセトとカノが遊びに来るんだよ!」
という女王からの伝言を聞いた俺は、大急ぎで昼食の用意をしていた。
・・・・・・というのも、彼らから「料理の腕前を知りたい」と言われたからだ。
どうやら、彼らはキドの料理と俺の料理を食べ比べしてみたいらしい。
・・・・・・明らかに俺の方が劣っていると思うのだが。
しかし、(主に)自分の料理を食べる為に来てくれるというのは、結構嬉しい事だ。知らず知らずのうちに、自分でも不思議に思う程楽しんでいる様に思えた。
今日は炒飯を作る予定だ。
どうやら俺の作る炒飯に入っている具は少々特殊らしく、初めて女王に食べて頂いた時には「炒飯に・・・・・・人参・・・・・・?」と、首をかしげられてしまった。
しかし、彼女はその炒飯を気に入ってくれている様子なので、その事はあまり気にしていない。
そして、何であれ、人参は俺の炒飯に必要不可欠であるが故、材料から外すことは出来ない。
・・・・・・するもんか。
「二人共来ちゃったよー! クロハ、ご飯出来てる?」
玄関で二人を待っていた女王にそう言われた時、俺は人参をみじん切りにしている最中だった。
「申し訳ありません、出来てないです」
大急ぎで応え、またみじん切りの作業に戻った。
「分かったー! 私はセトと一緒に私の部屋にいるから、出来たら呼んで!
あと、カノの世話宜しく!」
唐突にカノの世話と言われ、俺とカノで同時に驚いてしまった。
「僕たちは邪魔者扱いかぁ・・・・・・」
カノが呟いたその台詞で、何故か、心が痛む様な感覚がした。
「えーっと、クロハ君・・・・・・だっけ? 暇だからちょっと語ろうよ」
「語ろうって何をですか? っていうか俺は昼食の準備をしている途中なんですが」
最近、カノと話すときに違和感を覚えるようになった。
何故か、心の内を見透かされているような感覚になるのだ。
・・・・・・彼奴の能力は「欺く」であって「盗む」ではないのに。
そして、それ以上に、無理をしてその「見透かされている何か」を否定している自分がいる気がするのが、一番もどかしかった。
「いいじゃん、料理しながら話せばいいし。キドなんか、じゃがいもの皮を剥きながら僕たちに説教するんだよ? ちょっと位話してたって問題ないよ。何について話すかは僕が決めるからさ」
しかし、彼奴の言葉に押されて無理矢理カノと何かを語る羽目になった。
「ズバリ! 僕が一番語りたいのはさ、クロハ君とマリーの事なんだよね」
「はい。・・・・・・はぁ!? 俺と、女王の事ですか?」
この謎の焦り方をしている俺に感付いたのか、カノはこう応えた。
「どうしたのクロハ君、マリーとの事で僕に話せない事があるのかい?」
話せない事・・・・・・そんなものは無い筈だ。俺は彼女のジュウシャ、そして彼女は俺の主、それだけな筈だ。
頭の中で復唱したが、それはまるで自分に言い訳をしている様に感じた。
「・・・・・・話の内容を少し絞ろうか」
次にカノが言う言葉に見当がついてしまった。そして、無意識に、その予測が外れる事を祈っていた。
「クロハ君がマリーの事をどう思っているか・・・・・・がいいな」
予測は見事に的中した。一番言われたくなかった奴だった。
「はぁ・・・・・・もう分かりました、勝手にやってて下さい」
「おっと。クロハ君、逃がさないよ。君に聞きたいことは山ほどあるんだから」
「あのさ、もう一度確認したいんだけど。クロハ君ってマリーのことが好きなんだよね?」
この質問をされるのは、これで十二回目。
女王達が別室にいたとしても、この質問に「Yes」と応え続けるのは流石に恥ずかしかった。
「当たり前じゃないですか。こんな罪深い俺を救い、ジュウシャとして、友達として関わってくれるのですから。とても嫌いになんてなれません。寧ろ感謝しています」
「いや、そうじゃなくてさぁ・・・・・・」
この反応をされるのも十二回目。毎回少しづつ言葉を変えているのだが、カノの奴はいまいち良い反応をしない。
そして何より、俺自身が納得できていない様に感じるのが一番腹立だしい。
「クロハ君、君さ、『恋』って言葉知ってる?」
・・・・・・全ての条件を満たす言葉だった。
そして、それを自分もよく理解していた。
「コイ・・・・・・あの可愛らしい魚の事ですか?」
しかし、俺の返答は全く違っていた。
「とぼけないでよ! この世界に住み始めて半年になるんだから、それ位知ってるでしょ!? 第一、うっかり恋に落ちる事を『馬鹿な事だ』って嘲笑っていたのは何処の誰だよ!」
論破。
俺にはもう言い返す言葉は無かった。
今までの全ての俺の体験に理屈が通る言葉は、その一文字以外に無かった。
「恋・・・・・・恋・・・・・・」
「これで分かった? 君はマリーに恋してるって言うこと」
今までカノに見透かされていたのも、きっとこの事だったのだろう。
今までもやもやしていたからだろうか、気分は意外とすっきりしていた。
「皮肉ですね・・・・・・俺がずっと前馬鹿にしていた事に自分もなってしまうとは」
「ははは、前からクロハ君はマリーが好きなんだと思っていたよ〜。やっぱり、能力って場合によっては便利になるよね」
「・・・・・・能力って何の事ですか」
カノの体が、「ギクッ」っと言うように動いた。
「あ、いやー、うん。君を傷付けたり、勘違いを招いたりしないように、セトにあらかじめクロハ君の心の中を少し覗いて貰ってたんだよ。そうしたら僕の予想が大正解! だから思いきって本当の事を教えてあげようと……」
「それだけじゃないですよね?」
カノの「ギクッ」が「ギクギクッ」にレベルアップ。
「な、な、な、何の事かなぁ?」
「どうせ、間違ってたらどうしようとか、ビビっているのを欺いて隠していたんじゃないですか?」
「な、な、な、何で分かったの!?」
こいつの性格は中々面白い。余裕そうな表情の大半は、ぎこちない欺いた笑いなのだから。
「ごごごごめんって! 謝るから! そんな怒らないでよ! ほ、ほら、炒飯焦げるよ!?」
「怒ってなんかいませんよ。寧ろ、自分の気持ちに気付けて嬉しかったです」
カノがほっとして椅子に座ると、女王とセトがやって来た。
「そろそろ出来るかなって思って来たんだけど、どう?」
「もう少しで出来上がるので、座って待っていて下さい」
カノが「やったー」と歓声をあげる。
きっと、さっきの会話で無駄に疲れたのだろう。全く、呑気な奴だ。
*
「おぉー、これ本当にクロハ君が作ったの?意外と美味しいね」
「カノさん、二言程余計ですよ」
しかし、自分の作った料理を「美味しい」と褒めてくれる事は、とても嬉しく思う。
「昔、アザミさんの食事を作っていた経験が役に立ったかな」と、思うのである。
・・・・・・その時はまだ体が蛇だったが。
しかし、その頃の知識は今でも役に立っている。
にしても、何故彼女は俺の料理をする様子を見て「曲芸の様だ」と言ったのだろうか。
ただ単に、尻尾で卵を掴んで割ったり、尻尾で菜箸を操ったりしていただけなのだが。
いや、こんな嬉しい時には悩んだり考え込んだりしない方がいい。
そう思って、俺は、彼らとの会話を楽しんだ。
- Re: カゲプロ___黒コノハ×マリー(非エロ) ( No.12 )
- 日時: 2017/01/27 22:15
- 名前: もこもこ禍霊夢
セトの口調迷子
「セト、見事大成功だったよ!」
「よかったっす・・・・・・。クロハさんとカノの様子を見に行きたがっていたマリーを、必死で抑えた甲斐があったっすよ」
マリーの家から帰る途中、二人はクロハやマリーの事について話していた。
本当は、カノは「クロハ君に能力を使っている事がバレちゃってさぁ・・・・・・大変だったよ」と言う予定だったが、どうやらセトの方も相当苦労したらしい事を知り、秘密にすることにした。
「それにしても、本当に良かったの?」
カノが何について話しているのか分からず、セトは首をかしげる。
「だーかーらーっ、セトってマリーが好きなんじゃ・・・・・・」
セトの頬が微かに紅くなる瞬間を、カノは見逃さなかった。
「・・・・・・やっぱり」
「・・・・・・確かに、俺はマリーの事が好きだし、誰にも負けたくないと思うっす。でも・・・・・・」
最終的に決めるのはマリーだから・・・・・・。
*マリーさん
「何なんだろう・・・・・・これ」
私の心の奥底に漂うもやもや。それによる不快感は、数ヵ月前から続いている様に思えた。
朝、顔を洗いに洗面所へ向かう途中、家の構造上必ず朝食を準備しているクロハに出会ってしまう。
そこを通る時に、彼は何時も私に向かって笑いかける。
純粋で、爽やかで、優しげで・・・・・・いとおしい笑顔・・・・・・。私の心が、まるで膨らみ続ける風船の様に痛む。
「おや? 女王、どうなさったのですか?」
彼の言葉でやっと我に帰る。
きっと、私は、彼にとても不安げな表情を見せていたのだろう。
「ううん、平気だよ」
この前もそうだ。
私が何も無い所で転んだ時は、真っ先に彼が手を差しのべ、怪我の手当をしてくれた。
また、私が食べたい料理を言えば、(限度はあるだろうが)彼は、それを直ぐに用意してくれる。
私は彼に何も出来ていないのに、彼は私に何でもしてくれるのである。
例え、それが彼にとって「従者の努め」でしか無かったとしても、私にとってはとても有り難く、本来無償で手に入れる事が不可能な程の幸せだった。
「・・・・・・貴方は優しすぎる」
「女王? 何か今・・・・・・」
「大丈夫、気にしないで」
誰にも打ち明けられず、心の中に降り積もった愛しさは、確実に私の精神を締め付けていた。
嗚呼、この気持ちを貴方に打ち明ける事が出来たら、どれだけ楽になれるのだろうか。
この気持ちを、貴方が受け入れてくれたら、どれだけ嬉しいだろうか・・・・・・。