大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 東方桃源郷
- 日時: 2018/01/20 23:28
- 名前: 彩都
- 参照: http://r18novels.com/bbs/bbs3/index.cgi?mode=view&no=3211
ここは幻想郷。八雲紫は今、1人の少年の前に立っていた。少年は紫を睨んでいる、それもその筈、此処は少年の心の中なのだ。勝手に入られていい気分では無いだろう。
「いい素材ね」
――指先が光る。すると青年の体から何かが抜けていく。魂というものだろうか。それは、少年の体の形を象って、紫、抜かれた少年の前に現れる、そして抜かれた空っぽの体の少年は膝から崩れ落ちる。
「ん? 何で後ろに自分の体が?」
目を覚ました少年は目をこすりながら一言口にして、周りを見回す。
「貴方にやってほしいことがあるの」
『何てこと……この子良いわ。とてもそそられる……凄まじいフェロモンね』
かくして、理不尽な物語は幕を開く。幼くも凄まじいフェロモンと「元に戻す程度の能力」というものを持った少年の物語が――
紫に会って一か月が過ぎた。彼は、茨木華扇(いばらきかせん)に庇護されながら、華扇(かおう)という名――彼女からの愛を受けているのだろう――を受け、博麗神社に住みながら、霊夢とともにいろいろな場所を回り、紫の命通り異変解決などを行っていた。
その折、ある天狗にあう。幻想郷最速を名乗る、風神少女、射命丸文だ――
「華扇くん、情報をあげますので、貴方も何か下さい──そうですねぇ、『体で支払って下さい』、いいですね? それでは現場に行きましょう」
「えっ? 『体で支払う』? あの、何を……って、ちゅ、宙に浮いてる!?」
そう言って文は僕の体を掴んで、空中に浮く。
「まぁ、天狗なので、そりゃ空にも浮きますよ……では、行きますよ!」
ビュンッ! と急に文は飛んでいく、その風はとても気持ちよかった──だけど一体何なのだろう、『体で支払え』って──
数日後、僕こと華扇(かおう)は魔理沙に妖怪の山へと案内された、僕は文に会いに行く為に、『体で支払え』と言う意味も調べに、一人で妖怪の山へと歩を進めていく──
すると目の前に赤い袴に白い巫女の様な服装の帯刀している少女と出会った、その少女は犬の様な耳を持っていた。
「貴様は誰だ?」
「僕の名前は華扇、文──射命丸文に呼ばれて、この山に来たんだけど──に『この山に来い』って連絡があって、知り合いに連れて来てもらったんだ、すまないけれど、文を知っているかい?」
犬の様な耳を持つ少女は少し考えてから僕に言う。
「そうか、それでは案内しよう、迷わない様に進んでくれ」
「あぁ、分かった」
そう言って僕は犬の様な耳を持つ少女に着いて行く事にした──果たして『体で支払え』とは何なのか、まぁ、文の事だ、『文々。新聞の販売を手伝って下さい』、とかだろう、そう思いながら僕は前へ、前へと進んでいく──そして文に出会って気付く、『体で支払え』とは『そのまんま』の意味だと──だが、今の自分はそんな事は分からない──
このようなやり取りがあり……今、紫すら惑わした彼のフェロモンが解き放たれることとなる。
これは華扇少年を争奪戦とする、幻想郷の女性たちのバトルロワイヤルである。
――prologue End
前置きが長いですが、大体雰囲気はつかめていただけたでしょうか?
同志(参加者)募集要項(ダモ&彩都が不定期に話しかけて、メンバーを集める予定)
貴方のお名前【/】(英語や漢字のお方は読み仮名もお願いします)
性別【】(必ずしも書かなくてもOKです)
年齢【】(同上)
東方歴【】
好きな東方キャラ【】(できるだけ多く)
この板で使いたい東方キャラ【】(4名まででお願いします。絡みが書きづらくなる恐れがありますので、できれば同じ陣営内(道教組とか)のキャラいいかもしれません)
東方への愛をお願いします【】
注意事項
・誹謗中傷やキャラ批判、宣伝、荒しは行わないでください。仮に行っている人がいた場合、無視してください。その手の方々に反応すると、つけあがります。
・自作の作品のキャラであれば、オリキャラも使用可能です。ただ、あまりにオリキャラを押しすぎたりするのはなるべくしないように、お願いします。
・なお登録キャラはあくまで、主要として使ってもらうキャラとしてで、必要な場合は、ほかのキャラも使用可能。その際は、このキャラを使わせてもらうと明記ください。
登録が決まっているキャラ
・射命丸文・犬走椛・姫海棠はたて、河城にとり、茨木華扇、八雲紫、十六夜咲夜
これ以外のキャラでお願いします。
- これが、これこそが神だ…… ( No.11 )
- 日時: 2018/06/11 19:42
- 名前: ダモクレイトス ◆MGHRd/ALSk
『東方桃源郷』 第五幕 『元に戻す』能力、喪失 そして──サブタイトル「神の視座」
自分の考えた作戦を打ち明け、紫と別れて少し経つ。八雲紫はといえばお得意のスキマを使って、さっさとその場を後にした。正直、突飛で勝算が高いとはいえない掛けかもしれないが、上手くいけば平和的に交渉は進むだろう。何より今まで良いように操られてきた時分、隙のある提案ではあるが意見を具申できたのは嬉しい。これは小さな一歩だが、大きな変化だ。そう華扇は胸中つぶやく。
「てゐ、ごめんよ……」
てゐに案内されながら、食堂へと足を運べる華扇は、道すがら申し訳なさそうな表情で謝罪を口にする。この作戦は実際てゐが死ぬ可能性もあるし、そもそも守矢の側がそれで納得し申し出に応じることが前提という、それだけで不安定と断じれる物だ。わざわざ重役を任せる申し訳なさは、華扇の中にもあるのだ。それともう一つ、謝罪しておいた方が相手にその気になってもらえるだろうという下心。
「お前、一々人に謝るなよ。自分の身を護るために他人を巻き込む覚悟、私は嫌いじゃない」
てゐはといえば、思慮深い表情を浮かべにべもなく。彼女自身の生き様と重ね合わせるかのように。華扇自身も胸中で思う。恥を忍んで誰かに弱みを見せて頼ることも勇気であり覚悟だ。どんなに強くても1人では生きていけないのだから。心強い協力者がいる方が得に決まっているのだ。心底感謝していたからか、ふいに口に出る。
「てゐ、ありがとう」
感謝の言葉が。
「あーぁーっ! もう、鬱陶しいなぁ! お前のがばがば作戦乗ってやるから感謝しろよ!」
てゐは小さな手を強く握り、胸中にあて誇張するように言う。
「じゃあ、『僕の身長を維持したまま、このウサギが僕の姿になった』ら……?」
彼女に言われなくても謝意は、心の中から泉のように湧き出ている。そう伝えようと思ったとき、時が止まった。くぐもった響きが地の底から現れたかと思うと、ねっとりと心臓に巻き付く。殺意というやつだ。他の何かを着ていない純度100の冷え冷えするように鋭い殺意。それを感じて、体中の毛と言う毛が針金のように逆立ち、体中から噴き出る汗が冷や水のように全身を包む。言葉が出ない。過去に口にした言葉が、まるで違う声で響くのだ。部屋中に反響して声の方向は分からず。かといって体を動かして、その発言の主を探すのも怖くて。
――夢を見ていたんだ。団結して前に進めば上手くいくって思ってた。
少なくとも、この守矢との騒動は頼もしすぎるほど頼もしいメンツが揃ったから。ズズズズズと不快な音が響く。間違いない。後ろに何かいる。何かが立っているのが分かる。否、近い。体温を感じる。否、密着している。手を握っている。指は細くて長い。そして微妙にひんやりしていて。唇と思しき何かが華扇の耳に触れて、甘噛み。体に力が入らない。てゐが眼を鋭くして、彼を助けるために短剣を抜くが、すぐさま巨大な泡に包まれてしまう。
「えっ、てゐ? てゐ!」
苦しそうにもがいている様子はない。だが仲間を攻撃された。思わず華扇は声を荒げる。
「えっ、それはどういうことだい? 文は敵……っていうか敵って?」
また、一瞬時が止まる。そして、また紫たちと話した過去の言葉が響く。華扇の後ろにいたと思っていた存在は、今は彼の眼前にいた。むき出しの筋肉を皮が覆っていく。知っている。目の前の人物を。忘れるはずもない存在。
――なんで、なんで、ここに居るんだあんたが?
恐怖しながら胸中で吐き出す。そして、あらん限りの力を振り絞って名前を口にする。金髪のショートボブ。青と白を基調とした壺装束。何より特徴的な市女笠(いちめがさ)に目玉が二つ付いた特殊な帽子。華扇の腕を斬り、力を奪った一派の片割れ。
「守矢……諏訪子?」
「よしよし、よーく、出来ましたぁ。迎えに来たよ奴隷」
愕然とした表情で言う彼に、諏訪子は無邪気な笑みで言う。先ほどまであった、凄烈といえるほどの殺気は微塵も感じられない。だが、部屋の中央に陣取っていて逃げることもできそうにない。そもそもてゐを見捨ててできるはずもなく。大声を出して助けなど呼ぼうものなら殺されかねない。華扇は深呼吸して努めて冷静な口調で問う。
「僕を使ってあんたらは何をするつもりだ」
云わばこれは時間稼ぎ。相手の気を引き、心配になって確認に来るだろう誰かを待つ。
「……お前を殺して日ノ本に平和を齎す。それが、神たる我々に与えられた崇高な使命さ」
華扇の問に対して諏訪子はといえば、至って義務的な口調だ。どうやら早苗の家族を奪ったというような個人的な用事とは違う風情だ。大義が掛かったもっと壮大な目的のような感じがする。
「待てよ。それで何で僕を殺すことになるんだよ! 僕は何も……」
次はどうやってここに侵入したのかでも聞こうか、とも思ったが、それよりも前に、現実の世界で自分がやったことを聞いてみるのも手か。相当色々やってきたのだろうから、それなりに長く稼げそうだ。などと思って質問したのが間違いだった。
「何もしていない? 覇皇、お前が口にしてはいけない言葉だぞそれは……」
容赦ない背面回し蹴りが、彼の顔面を襲う。そして諏訪子の踵に頬骨が合致し、体は宙で円を描きながら顔面から床に叩きつけられる。床が割れる音。骨が砕け歯が何本か吹き飛ぶ音が響く。
「ガゴベガガゴキャハッグベェ」
そして華扇は奇妙な悲鳴を上げながら気を失った。彼の口に諏訪子は手を突っ込み彼の血液を採取し自分の口に注ぐ。そして彼を諏訪子はてゐと同じように、水疱で包む。
「DNA型確認……どうやら、覇皇本人に違いないな」
そう呟いて、指を鳴らし彼女は宙に浮かぶ水疱と共に、文字通り姿を消した。
――――――――――――――――
一方そのころ八雲紫もまた、洩矢諏訪子と対峙していた。
「外からの援軍は期待できそうにありませんわね」
得意のスキマで式神を増援として召喚しようとするが、上手くいかず嘯く。どうやら空間の位相が歪められているせいで間隔を掴めないようだ。目の前にいる土着神が作り上げた空間だといったところか。諏訪神社の象徴たる 翁スギ・媼スギなどが目立つ。自らの推察するところ、結界術などは不得手と考えていたが、力を隠していたのか。もしくは誰かと組んでいるのか。完全に嵌められた形となった。そもそも彼女はここまでどうやって潜入したのか。異空間への逃走もできないし、武器の請来も不可能。
『あるのは、普段手にしている日傘と扇子のみ。たかが分身。本体とは比べ物にならないほど弱いはず。とはいえ、これで勝てる相手ではないでしょう。情報を遺すこともできそうにない。手詰まりか』
冷静に分析し諦観。2000年を超える大妖怪も大神の前では土台敵わぬ。寂寥感が滲み出る。数刻前華扇が、無茶な作戦を立案したときは久方ぶりに楽しかった。だが、どうやらここまでらしい。増援を望めるだろうか。内剛外柔な結界なら嬉しいがそうはいかないだろう。何せ乱世を生き抜いた絶対の神だ。そんな手抜かりがあるとは思えない。
「賢者閣下に置かれては彼の力を使い幻想郷の強化をすることにより、覇皇の進撃を抑えたいとお考えだろう?」
「…………えぇ、そうね。華扇、いいえ。覇皇、彼は大罪人であり自由や幸せは許すべきではない」
努めて冷静に八雲紫は諏訪子の詰問に答える。彼女の言っていることは事実だ。しかし、彼女の意見は諏訪子には軽暖な闘争に映る。覇皇の本質とその恐怖を知っているゆえ。
「あいつのDNAは暴れだす。幻想郷を内から壊すだろう。そもそも幻想郷は引きこもり続けていては滅びるだろうな」
待ちの手は幻想郷の消滅に繋がる。勇躍すべきだ。それが守矢側の主張だ。そしてそれは正しい。むしろ八雲紫は幻想郷を作り井戸の中で身内びいきの政策をとりすぎたせいで、時に冷酷な判断が出来なくなっているという自覚がある。
「人は変わることもできるものですわ……」
華扇に情が移っている。我ながら情けない。紫は唇を強くかむ。外と内を往復する彼女は彼の内なる狂気を知っているつもりだ。だが、結局、日本という本来必要な場所に対して、情動を忘れてしまっていた。自分の結界は最強で、外敵の対策をして時間を稼げば、何かしら日本という母体がなくても幻想郷を護ることも可能なのだろうと思ってしまっている。
「……いつ、私がここに侵入したか気づいたか?」
ふいに諏訪子が呟く。八雲紫自身気になり先程から思考していたが、思い浮かばない。誰かに変身してここに来たのか。或いはいつのまにか彼女の分身になりうる依り代を付与されたのか。おそらく誰かに変身していたというのはあり得ない。数などについては把握しているし、そもそも自分は、彼女に会敵するまで1人で行動していたのだから。
「最初から、でしょうか?」
「あぁ、そうだよ。つまり今までの会話とか策略なんかは筒抜けってわけ。幻想郷の賢者などと崇敬され続けたせいで、少し温くなったんじゃないかな。こいつはな、ある一定の期間まではただの盗聴器なんだけどな。便利だろ。その期間を過ぎると自分の判断で、洩矢諏訪子に変身できるようになるんだ」
恐らくは八坂神奈子と八雲藍が戦っている最中に仕掛けられたのだろう。華扇に関しては拉致して最初からかもしれない。紫が介入することなど彼女らは最初から予測していただろうから。当然、紫から華扇を護り切れればそれを使わなくてもいいわけで、損などない。そしてそのようなことをここで明かしたということは。逃がす気はないのだろう。そして暗に、お前は甘いと告げているのだ。
「……人型になって。成程、それこそが最大の」
「そう、こいつの利点だな。暗殺、誘拐。もしくば敵派閥内の足並みを揃えない輩に一石を投じることもできる」
実際にすでに、華扇にしかけられた諏訪子が彼とてゐを捕虜として捉えている。そして、紫は悟る、暗殺という言葉を最初に持ってきたということは、すなわち自分はここで消されるのだろう。突如諏訪子が柏手を打つ。
『藍、霊夢……ゴメンなさいね』
そう思った時だった。突如諏訪子が柏手を打つ。すると紫の後ろに扉が現れる。紫はそれを知っている。自らと同じ幻想郷の創始者にして賢者の1人。摩多羅隠岐奈の能力だ。それが今なんで開いたのか。答えは察せた。恐らく、守矢は摩多羅と組んでいる。
「隠岐奈聞かせて。なんで……」
「神皆須らく、日ノ本のため。貴女なら分かるだろう八雲紫。すまない」
「えぇ、それなら納得だわ。どうしようもなく、神として調和が取れているもの」
「ありがとう。やはり、八雲紫。お前は聡く愛しい女(ひと)だ」
縮れた黄金のロングヘアを靡かせながら、摩多羅隠岐奈は紫の首を細剣で薙ぎ払った。鮮血が舞う。彼女が最後に見たのは、泣きはらしたことが良くわかる同胞の苦しそうな顔だった。
「隠岐奈、そろそろ良いかな?」
「あぁ、そうだな。今は戦時だ……立ち止まってはいられないわね」
熱い涙が頬を伝う。弔いの黙祷をすませ紫の遺骸の一部を襤褸袋に収容し2人はその場を後にする。二度と戻れないほどに細切れにされた肉片の絨毯。そんな血の池に八雲紫の顔が抱かれるようにして置かれていた。墓標のように。
――――――――――――――
好き勝手やらせてもらいました(*'ω'*)
これ、華扇君側、勝ち目低すぎな気が……
さてはて、なんで諏訪子様は華扇君のDNAを確認したのか(というかどうやったのか)とか、なんで紫の体の一部を拝借したのかとか。言われそうだなぁ。
紫「…………私の出番終わっちゃった」
すみません。
- Re: 東方桃源郷 ( No.12 )
- 日時: 2018/08/23 23:06
- 名前: 彩都
「…………」
何時の間にか、寝ていたようだ。静かに目を開け、周りを見た、すると目の前には背を向けた洩矢諏訪子、横には華扇が存在していた。華扇は俯いて、意識を失っているようだった。
「おや?」
そう言って、背を向けた洩矢諏訪子が、此方を向いた。
「起きたのか、早い目覚めだ」
そう言って、私は言う。
「……此処は、何処だ?」
「お前に教える義理は無いが……まぁ、簡単に言えば、『守矢神社』だ」
「守矢神社!?」
まさかの言葉に私は耳を疑った。そして隣の華扇を見て、私は言う。
「何故、私と華扇を神社に?」
首を傾げると、洩矢諏訪子が、『華扇、いや、覇皇を処刑する為さ』と、言う。
「お前はお前で、観客だ。いいだろう?」
「……覇皇?」
洩矢諏訪子の発言を受け、首を傾げる私、すると、きょとんとした表情で、『知らないのか?』と、言う。
「コイツの本名は『覇皇(はおう)』という、外の世界での、名前だ」
「……へぇ」
端的にそう言って、頷く。そして私は静かに聞いた。
「どうして、華扇……いや、覇皇を処刑するんだ? 教えてくれよ? 出来うる、なら?」
「…………」
洩矢諏訪子は私を見た後、静かに『良いだろう』と、発言する。
「あれは覇皇が私達の場所を侵攻した時だった──」
あいつが来る迄は平和だったんだ、でも、でも……!!
「此処は……?」
「此処は守矢神社です」
「そうか……じゃあ、『征服』の為に壊そうか」
「分かりました」
神社の前に謎の存在が現れた、それが覇皇さ。そして覇皇は周りの仲間を使用し、守矢神社近辺の人間を虐殺、暗殺、抹殺をしたんだ。
悲鳴を上げる連中の中に、早苗、両親が居たんだ。
「お前! これ以上被害を広げるな!」
「そうです! これ以上被害を広げるのなら、守矢が黙っておりません!」
「あっそ」
覇皇はそう言って、静かに『配下に早苗の父を攻撃させた』んだ、色々な攻撃をされ、死んだ父を見て、激怒する母、だが、『母も配下に攻撃され死んだ』んだ……それを間近で見た早苗は悲鳴を上げたね。そんな早苗に対し、覇皇は『早苗でさえ襲おうとした』んだ! だから、急いで私達が早苗を避難させて、覇皇から逃がした……それ以来、早苗は華扇を憎んでいる、私だって、覇皇を憎んでいる! だから、『覇皇を私達の手で処刑する』んだ、記憶を取り戻す前に! もしも! アイツが記憶を取り戻してみろ! もしも『この幻想郷を支配する』とか、言ってみろぉ!? 幻想郷は、この世は終焉を迎えるかもしれないんだぞ!? それを阻止する為には、『今此処で処刑する』しかないんだ!!
「…………」
華扇の、覇皇の過去を聞いて、私は衝撃を受ける、そんなバカな? だって、華扇は『こんなにも可愛い顔! こんなにも気持ちよくしてくれる存在』なのに! そう思いながら隣の華扇を見る。すやすやと寝ている。
「そう言う事だ、私はこの幻想郷の為に一刻も早くこのガキを殺さないといけない、君も分かってくれよ?」
そう言って、非情な表情になる洩矢諏訪子、だが、私は言う。
「だ、黙れ黙れぇ! 過去はそうかもしれないけれど、今は違う! 『記憶が無い』からこそ、何でもし放題! 過去の清算を、今すれば良いじゃない!」
「無理だよ? アイツは元の世界で色々な悪い事をしている、だから、償うには、体が足りないさ」
「…………」
こ、コイツぅ! 私が頑張って助けようとしているのに、過去でぇぇぇ!! 私はそう思いながら、華扇を睨む。
「と言う事だ、コイツの処刑はもう決まった、もう覆せない」
「だ、ダメだダメだ! だったら、コイツの処刑を私が止める!! 私があんたを倒して、処刑を止めさせる! アンタだけじゃない! 守矢神社の面々全員だ!!」
そう言って、私こと、因幡てゐは、静かに息を、唾を飲み込んだ──って、大見得切ったけど、私、神様に勝てるかなぁ?
はい、更新遅れて、申し訳無いです! いやぁ、時間がなくて……(汗)
急いで書き上げたので、不備が多いかも……?
それにしても、こんな過去で大丈夫かなぁ? <???「大丈夫だ、問題ない」
- Re: 東方桃源郷 ( No.13 )
- 日時: 2018/10/18 23:48
- 名前: ダモクレイトス ◆MGHRd/ALSk
>>12
イーノックさん、全然だめですよ。と、ダメ出ししたいところですが、それはやめておきましょう。
では、本編です。
『東方桃源郷』 第五幕 『元に戻す』能力、喪失 そして──サブタイトル「以上な異常」
襖度を諏訪子が開ける。その先には人影はないが、襖一枚によって堰き止められていた妖気が濃密な奔流となって流れ込む。
『なんだ、この妖気や神気の量と質は!? どんだけの軍勢を集めたってのよ!?』
てゐは遅まきながらに先程の啖呵(たんか)を猛省。どう考えても、こんな連中から1人で華扇を護りきれるはずがない。思わず唾をのみ喉を鳴らす。その音に反応して諏訪子が動きを止め、てゐへと振り向く。
「さっきの啖呵は、女としては魅力的だと思う。愛する男に護られてばかりじゃいられないしな……」
「あんがとよ」
にべもないよう思い出したかのような下手な賛美に、頬を引きつらせながらてゐは、精いっぱいの強がりを言う。そんな彼女をぬらりとした妖艶な眼差しで諏訪子は見つめる。
そして――
「そいつのちん〇はそんなに美味かったかよ? テクニックなんて欠片もなってねぇんだろ? 顔が特別いいわけでもないし、心のふれあいなんていうには短すぎるよな?」
「きゅうに何を言い出すんだあんた!?」
誰の悪口か。そんなの内容で直ぐにわかる。華扇のことだ。確かに彼は容貌は中性的でこそあるが美形というわけではないし、性に対する知識も技術もない。彼に好感を持つような気質を見出したわけではなく。男根のサイズが大きいと考えたのは、技術不足を補う要素としてだろう。
「頼むよ。私はこの土地が好きなんだ。日ノ本という国も。そこに住まう無垢なる民たちも愛おしい。分かれよ。これは一時の感情に流されて判断するような些末な問題じゃないんだって」
「…………」
黙り込む。即座に反論できない。言っていることは相手が明らかに正しいのだ。目の前の神が言うことが正しければ、華扇を野放しにすれば幻想郷は崩壊するだろう。だがリードをつけて常にその本質が表面化しないように結界をかけ続けたりすれば。。そう考えてゐは息をのむ。光明を見つけた。そう思い、口唇を震わす。
「いや、手ならある! 例えば」
予想通りという風情でてゐの言葉を諏訪子は手を上げて制す。口を紡ぐ彼女を睥睨しながら口を開く。
「お前の考えてることは分かるよ。心のスキマに結界を作って、彼を今のままに保てばいい。って、ことだろう? 残念だな。いかな八雲紫だろうと幻想郷最高の結界術師だろうとそれは無理だ」
見えかけた光明を、一瞬ですり潰す。てゐの考えたことはそっくりそのまま諏訪子に言い当てらえる。
「そんなのやってみなけりゃ分からないだろう!?」
声を張り上げる。精いっぱいの糾弾。具体的な意見を言い返せていない時点でただの見栄だ。
「実体験してるんだよなぁ私たちは。あぁ、あれは目から鱗っていうか絶望したね本当」
そう言いながら諏訪子は目を細める。そして次に衝撃的な言葉を吐く。
「早苗の両親はそりゃぁ、強い巫女さんと霊能者だったんだよ? ガキの異能者の100人や200人に囲まれたくらいで負けないくらいに凄いやつらだったんだ。でもね。どっちの技も利かなかったよ。そいつらは、能力を掻き消すより上位の“異常”の持ち主なのさ……」
能力が効かない。そんな馬鹿なことが。てゐをは反芻する。圧倒的な霊力や妖力といった物を有する者たちなら、能力を自分の力で押しつぶすことも可能だろうが、とてもそんな存在とは思えない。見聞きした分には、彼の能力の規模も強さも大妖怪が本気になれば押しつぶせる程度のものだ。伊達に長生きはしていない。そのくらいのことは分かる。
「……以上な異常。その存在自体が、我々の妖術や魔術、妖力や霊力より上であるんだろうね? なぜそんなものが発生し人の子という霊的に儚い存在に宿ったかは分からないけどさ。だから、こいつには我々の結界とかは通じないってわけ。理解したかい?」
「……軍門に下りますミシャグジ様」
てゐは跪いてそう言った。華扇の本質を知り、彼を救うため。できれば内部から、守矢一家を崩すため。そう全ては自分が一目ぼれした男のために、華扇を護り守矢一家を討伐するため。
「賢い選択だ。好きだぜ強かなのは」
そんなてゐの考えすら見抜いているかのような諏訪子の言葉に、てゐは努めてポーカーフェイスで答える。
「諏訪子様。私はなにを……」
「あぁ、まずは仲間たちに紹介しよう。てゐ殿を」
諏訪子はそう答えると、てゐの肩に手を置く。そして彼女を導こうと歩き出す。その一歩は威風堂々としていて正しく神の歩みだった。
「開けるよ。良いかい?」
唇に手を当て蠱惑的な表情を浮かべる諏訪子。外見は童子のようなのに、婀娜(あだ)なその表情に生唾を飲みながらてゐは小さく首を振る。正直、扉の向こうにいるのは守矢神社と親密な関係にある集団の大物たちだろう。襖度が開かれる短い間に彼女は深呼吸して、覚悟を正した。
―――――――――
てゐさんの覚悟みたいなのを書いてみました。それと同時に諏訪っちのカリスマみたいなのも。
次の次辺りで5章を終わらせて6章に行けたらなぁ、とか考えてます。
次は彩都さんよろしくです。
……守矢陣営『隠岐奈さんたち・妖怪の山・地霊殿組・正邪・道教組・命蓮寺組」とてゐさんの対面って感じでお願いします(汗
- Re: 東方桃源郷 ( No.14 )
- 日時: 2018/09/03 23:15
- 名前: 彩都
ドドドドド、心臓が高鳴る。何故高鳴ったか? それは濃厚な妖気、こんな妖気、今迄に感じた事がないからだ。そして諏訪子が襖を開けた。其処には、『大量の妖怪達が座って』いた。
「……!?」
と、此処で、文やはたての顔が見え、『コイツ等ぁ?』と、思った。裏切った、か。華扇からの話を聞くには、『文は自身の初体験を奪った女妖怪だ』と、言っていた。それなのに、諏訪子の方に落ちるとは……そんな事を思っていると、真ん中に胡坐を掻いて座る『鬼』を見付けた。吸血『鬼』ではなく、天邪『鬼』の方だが。
「おーん? お前は……竹林の」
「お前は……天邪鬼?」
「鬼神 正邪(きしん せいじゃ)、覚えてろ」
「お前もだろう? 因幡てゐ、だ」
「……因幡、お前はどうして此処に?」
「そ、そんなの、決まっているだろ? 諏訪子様の下に付いたんだ。仲間として、お前達を紹介されたって事だ」
「仲間、ねぇ? 私はそうとは思わないがなぁ? 仮に。もしも仮に『私が華扇の力が手に入る』としたら、おもしれぇって、思って仲間になっただけだからな?」
正邪がそう言うと、『こほんっ』と、諏訪子が咳をした。続けててゐは周りのメンバー──隠岐奈と、近くに居る二人──を見た。
「す、諏訪子様? あの輩は?」
「ん? 知らないのか? この幻想郷を作り上げた八雲紫と同じ賢者、隠岐奈様だ。その隣は付き人だ。あまり気にするな」
「は、はぁ」
諏訪子の解説を受けて、てゐは静かに納得する。隠岐奈は椅子に座って、目を閉じていた。まるで『今はまだ動くべきではない』というようなオーラを感じた。
「……ってか、案外人、多いッスね?」
「人? まぁ、その前に妖怪が多いか」
諏訪子がそう言うと、静かに立ち上がって、反論する者が現れた。
「待ってくれ、諏訪子殿? 私は一応人間だが?」
「私達も、でしょうが太子様?」
「そーじゃそーじゃ! 太子殿は私達の事を忘れないでいただきたい!」
「君達が出ると、話がややこしくなるかもしれないから……」
そう言って、太子と呼ばれた存在は隣の二人を宥める。うーん、見ていて面白い。そう思いながら、対面上に立つ存在に顔を向ける。
「私も……魔界で封印されていたとはいえ、ただの尼、でしたわ?」
「まぁ、私も『元』人間ですけど……」
二人が立ち上がり、反論する。諏訪子は『でも、妖怪は多いと思うんだけど……』と、小声で言う。
すると、静かに紫髪の少女が『あ、あの……』と、声を発した。
「ん? 何だ? 地霊殿の主、さとり殿?」
頬を緩め発言する諏訪子に『コイツがさとり、か』と、思うてゐ。
「め、メンバーは、も、もう集まったんじゃ、ないでしょうか? さ、さっさと、自己紹介なり、何なりをしましょうよ? わ、私だって忙しいですし……」
控えめに言うさとりに対し、『ふむ、それもそうだな?』と、諏訪子は頷く。
「さて、それでは、新メンバーの紹介でもしようか? コイツは因幡てゐ殿、永遠亭と呼ばれる竹林の奥深く──まぁ、薬屋だ──に有る場所だ。その場所に居る存在だ。私が勧誘した」
「ど、どーも? 因幡てゐッス、宜しくッス」
少し照れ臭そうに言うてゐ、すると、八割程度のメンバーが手を叩いた。歓迎ムードだが、叩いていない者もいるので、歓迎されているのか、少し困惑した。
「まぁ、適当に座ってくれ」
「あっ、はい」
諏訪子に言われ、静かに隠岐奈の隣に座るてゐ。実際は座りたくないが、空間が空いているので、仕方なく座る事にした。
正邪の隣も空間があり、座れたが、流石に天邪鬼、天邪鬼の隣に座りたいバカは居ない。
そして、襖を閉じて、諏訪子は言う。
「さぁ、始めようか? 華扇という崩壊の物語を──」
諏訪子がそう言うと、邪悪な笑みを浮かべる。流石邪神、てゐは邪悪な笑みの諏訪子を見て、息を、唾を飲み込んだ──決して『コイツ等の邪気に飲み込まれるなよ、私、てゐ』、そう思いながら、てゐは顔を俯かせる──
>>次は彩都さんよろしくです。
こ、こんなんで良いかなぁ(不安)
>>……守矢陣営『隠岐奈さんたち・妖怪の山・地霊殿組・正邪・道教組・命蓮寺組」とてゐさんの対面って感じでお願いします(汗
だ、大体のキャラを出した気がするけれど……道教組って、せーがや芳香って、居ます? 命蓮寺組も、ぬえとか、居ますか? 基本的に主要メンバーを出したけど……(汗)