大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 愛に飢えた獣 おそ松さん
- 日時: 2018/10/29 18:30
- 名前: みちずくん
一松
僕は、みんなが羨ましかった。
学生の頃、みんなが仲良く友達と話していた頃、僕はクラスのみんなから酷いいじめを受けていた。
最初は上履き隠されたり、陰口叩かれたりするだけだったけど、ドンドンとエスカレートしていき、殴られたり、パシリとして使われたりするようになった。
そんな僕を、みんなは嫌っていった。おそ松兄さんは僕の存在を無視するようになり、カラ松兄さんはじっと僕を睨みつけて「死ねばいいのに。一松なんか俺らの兄弟じゃない。」と言われた。
チョロ松兄さんは暴力を振るうようになった。
トド松は女子たちに僕の悪口を吹き込むようになった。
それでも、十四松がいてくれた。だんだん離れていく兄弟の中で十四松だけは僕を励まし、そして笑ってくれた。
だけど、なんで、こんなことになっちゃったの?
- Re: 愛に飢えた獣 おそ松さん ( No.3 )
- 日時: 2018/10/30 17:35
- 名前: みちずくん
おそ松サイド
一松がいなくなった。ずっと今まで秘密にしていたけど、俺は一松が好きだった。大人しくて、優しくて、そんな一松が好きだった。
でも、いじめられている事を知った時、俺はとんでもない事を口にしてしまった。
「一松、お前さ〜もう俺に関わんね〜でくんね?正直、邪魔。」
そんな事言いたくないのに。
むしろ、守ってやるべきなのに。
俺は酷いことを言ってしまった。
トド松は止めようとしてくれたけど、俺が言いくるめたせいで共犯にならなくちゃいけなくなった。
そんな俺の空気を読み取ってしまったのか、十四松を除いたみんなが一松をいじめるようになってしまった。
一松、いなくならないで。
言いたい事があるんだ。
(僕がいた時に言えなかったくせに?)
一松、、?
(おそ松兄さんからだよ?みんなが無視し始めたの。)
やめろ、、、
(おそ松兄さんが言わなけれ、、)
やめろ!!!
「ハッ!一松!、、、夢か、、」
ほっとした時、怒りに満ちた十四松の顔が見えた。
「十四、、松、、?」
「なんで、、?一松兄さんを突き放したの、、?おそ松兄さん、一松兄さんのこと好きでしょ?」
「、、」
「一松兄さん探しに行って。」
そう言った十四松の声は、冷たく、でも、微かな希望を託してくれた。
「、、ごめん!」
十四松を置いて俺は走った。
一松、行かないでくれ。
言いたい事があるんだ。
「絶対、一松兄さん取り戻してきてね!」
そう言った十四松の顔はいつもの笑顔に戻っていた。
- Re: 愛に飢えた獣 おそ松さん ( No.4 )
- 日時: 2018/10/30 23:05
- 名前: みちずくん
一松サイド
「、、、」
空を見ながらビルの淵で深いため息をつく。
出てきたは良いけど、ここからどうしようかな、、、
僕は、おそ松兄さんが好きだ。
学生の頃からずっと。
隠し続けてきた。
女の子の方がおそ松兄さんには良い。
「、、あ、、、」
自分で思い出しておきながらもほろほろと涙が溢れた。
ねえ、おそ松兄さん。
僕、最後まで邪魔しないでいれた?
関わらないようにできた?
もう、おそ松兄さんの事は諦めたんだ。
これから、おそ松兄さんの望み通りになるから、待ってて。
気づかないでいいから。
幸せになってね、、、
「さよなら、みんな。おそ松兄さん。」
少し微笑みながら、身を投げた。
嗚呼、これで終わりだ、、、
そう思った時。一番愛しかった声が聞こえた。
「一松ッ!!」
おそ松、兄さん、、、?なんで、、?
僕の記憶はそこで途切れた。
- Re: 愛に飢えた獣 おそ松さん ( No.5 )
- 日時: 2018/10/30 23:20
- 名前: みちずくん
トド松サイド
一松兄さんが入院した。なんでも、ビルから飛び降りたらしい。
一松兄さんの猫の能力が使われたのか、奇跡的に命に別状はなかった。
第1発見者はおそ松兄さんだった。
なんで、、?おそ松兄さんは一松兄さんを一番嫌っていたはずなのに。
、、今はそんな事はどうでもいい。優先すべきは一松兄さんだ。
あの後、一松兄さんに異変が起こった。おそ松兄さんを異常に怖がるようになったのだ。
おそ松兄さんはあれから反省し、一松兄さんと接せるように頑張っている。
けど、ショックが大きかったのか一松兄さん自身、おそ松兄さんに話そうともしなかった。
この事件の後、僕を含めた4人は深く反省し態度を改めることを誓った。
一松兄さんは僕たちには普通に話してくれてる。
でも、おそ松兄さんだけは頑なに触れようともしない。
こんな状態じゃいけないと思った僕は、買い出しにみんなを連れて行って、おそ松兄さんをそばに居させることにした。
一松兄さんはしぶしぶ首を縦に振ったが、「元の関係に戻れるかは分からない」
と少し悲しげな笑顔を浮かべた。
そして今、僕たちは買い物に来ている。
一松兄さんの事は頼んだよ、おそ松兄さん。
- Re: 愛に飢えた獣 おそ松さん ( No.6 )
- 日時: 2018/10/31 19:10
- 名前: みちずくん
一松サイド
「ねえ、おそ松兄さん、、」
「、、ん?どした?」
「なんで、僕を助けたの?」
その問いにおそ松兄さんはビクッと体を大きく震わせる。
「兄さん、僕のこと嫌いでしょ?なのになんで助けようとしてくれたの?」
おそ松兄さんは何か迷っている様子を見せた。
話そうかどうか、話さないべきか。
その判断は一瞬のうちに決まった。
「俺、ずうっと前から一松のこと好きだった。」
「、、へ、、?」
まさかの言葉に驚く。
「ごめん、一松がいじめられている時守ってやらなくちゃって思ってたんだけど関わんのが怖くて、、、それで、、」
そう言ったおそ松兄さんの声は少し震えていた。
「、、ううん。もう、気にしてないよ。」
「!ッ一松、、、」
「僕を励ますために、わざわざ好きって言ってくれたんだよね。でも、気を使わなくていいよ。おそ松兄さんの幸せは、女の子とのものでしょう。」
おそ松兄さんが驚いたような顔をして言った。
「俺、本当にお前の事好きだから!!気を使ってる訳じゃないから!」
珍しく取り乱しているおそ松兄さんに驚きつつ、こう言った。
「僕も好きだよ。」
もちろん聞こえないような声。
おそ松兄さんはオロオロしている。
「好き、って言ってくれてありがとう。それが兄弟に向けての言葉でも、僕は嬉しいよ。」
あっ、、僕も好きって言えたのに。
なんで否定しちゃうの?
嬉しいのに。
「一松、、お前は、俺の事嫌い?」
とおそ松兄さんは聞いてくる。
「、、、大好きだよ。これからも、ずっと。」
僕の中で何かがズタズタになった。
大丈夫。これでおそ松兄さんは幸せになれる。
「ごめんね。」
涙を流しながら、僕は意識を手放した。
辛い事が何一つない、夢の世界へ。
おそ松サイド
「一松ッ!!」
目の前で一松が倒れていく。
意識をなくした一松は、最後に一言だけこう言った。
「おそ松兄さん。大好き。でもね、僕のことなんか気にしないで。幸せになってね。、、、」
俺はどこで選択を誤った?
守らないといけないのに。
「早く目覚めてくれよ、、、」
そう言って額にキスを落とす。
しかし、一松は目覚めなかった。