官能小説(オリジナル18禁小説)
- 貴方だって、愛してる【6/5更新!&ストーリー完結】
- 日時: 2016/06/05 09:22
- 名前: ねむねむ
1、すべての始まりは、出会いから
私は、とある会社の受付嬢になった。大手というほどではないが、それほど裕福な会社。受付のデスクに構え、やって来た客人の相手を軽くするだけで、月に10万とはいい職場だ。
「……社長に取り次いで貰えるかな。今からここの社長さんと打ち合わせでね。」
暇潰しにスマートフォンを触っていると、いつの間にかサラリーマンが立っていた。寒そうにコートの襟をピンとさせて、薄い笑みを浮かべていた。
「あ、すいません。社長ですね………はい。承っております。どうぞ。」
パソコンで今日の日程をちらりと確認すると、確かに『社長と麻倉(あさくら)製薬の打ち合わせ』と書かれていた。
「案内いたしますね。……こちらへどうぞ。」
「ありがとう、助かるよ。」
〜Prorogue すべての始まりは、出会いから〜
_目次_
・人物紹介 >>11 ・バレンタインデー小説 >>13
・ホワイトデー小話 >>17
・序章 >>0>>1>>2>>3>>5>>6>>7>>8>>9>>10
・二章 >>12>>14 >>16 >>18 >>19>>20>>21
・三章 >>22>>23
・最終章>>31
- 貴方だって、愛してる ( No.12 )
- 日時: 2016/02/14 18:15
- 名前: ねむねむ
〜二章〜
1、抑圧と抗い
昔から、将生の両親は厳しかった。厳格な父と良家の出の母は、将生への理想が高かった。そしてことあるごとに、
「お前はこうあるべきだ。」
そう言っていた。
***
「……酷い、酷いです、将生さん……」
彩希の呻くような泣き声が、将生の体の下で聞こえる。ベッドのシーツに顔を埋め、周囲を涙と体液でじっとりと湿らせながら、将生に怒りのこもった言葉をぶつける。
将生は、申し訳ないと、本当に思った。
将生は独身で、さらに女好きだった。当然プレイボーイで、独り身を謳歌しながら、あらゆる手で使って、女性と関わってきた。しかし将生は、女性に乱暴をするのは好きでない。処女なら、なおさらだ。ガラス細工を扱うような丁重さになる。
それなのに、今夜の将生は違っていた。彩希を蹂躙し、レイプのような犯し方をした。
「調教したい」などという誘い文句を使ったくせに……
愚かすぎる自分の行いに、彩希の顔を見ることができない。
「さ、彩希…さん……その…」
「……」
彼女はすすり泣くだけで、何も言わない。無言の時間が、五分ほど流れた。
「……将生さんは、本当に私のことが好きなんですか…?」
ぽつりと、彩希が口を開いた。
「そりゃ、愛してるよ。すごく、すごく…信じてくれない、かぁ…」
即答したが、将生自身も答えることがためらわれた。あんな酷いことをした自分の言うことを、彼女が信じるはずがない。
だがふと、将生の頭に妙案が浮かんだ。一発で、彼女を信じさせられるような、魔法の言葉を。
「結婚、したいくらい彩希さんが…彩希が好きだ。」
「え…?」
今までずっとシーツに埋めていた顔を上げ、彼女がこちらを見た。その顔は、ずっと泣いていたせいか目の回りが赤くなっていた。
「結婚したい、結婚して…彩希を調教して…、それぐらい好きだ。」
「…………そう。」
それから、彩希は喋らなくなってしまった。顔を覗き込むと、規則正しい寝息と、少女のような寝顔が見えた。
静かに彩希の横に体を倒して、ベッドに潜り込んだ。
そうだ、明日起きたら彼女の連絡先を聞こう。婚約者の連絡先を知らないなんて、鼻で笑われてしまう。
頭の片隅で、セックスした時の彩希の歪んだ顔がちらつく。
それと同時に、今まで育て上げてくれた忌まわしいほど厳しい両親の顔が、不覚にも浮かんでしまった。
「くそ……」
掻き消すように、目をぎゅっと瞑った。
- Re: 貴方だって、愛してる【2/14:二章開始】 ( No.13 )
- 日時: 2016/02/14 18:35
- 名前: ねむねむ
〜バレンタイン小話〜
「これ、チョコ?」
将生の前に差し出された箱は、きれいにラッピングされていた。彼女は恥ずかしそうに頷いて、差し出したままだ。
「えっと…はい……、作りました…」
真っ赤に口ごもりながら、ぐいっと押し付けてくる。ラッピングされた箱に負けず劣らず、可愛らしい動作に思わず汚い欲が込み上げてくる。
いや、今は我慢しなくては。流石にこの空気で押し倒したり、体を触ったりしようものなら、この可愛らしい箱が凶器に変わるかもしれない。
「ありがとう、すごく嬉しいよ。ホワイトデー、楽しみにしててね?」
「えっと…物理的な…お返しは遠慮しておきますね…」
「物理的?」
「その…せ……」
「せ?」
彩希は何も言わずに、向かいの建物の影に隠れてしまった。これはこれで可愛いのだが、流石にそんな場所は他の通行人の邪魔になってしまう。
「ほらほら、そんなとこに居ないで…こっちに…」
そこまで言って、彩希が隠れている建物の看板が、視界の片隅に映った。
どうやらここはラブホテルのようだった。
将生は面白さやら何やらで吹き出すと、今度は彩希の方がキョトンとしている。
「彩希は、今すぐお返ししてほしいんだね。」
「へっ?え…あっ……」
どうやら彩希も、ここがどんな目的に使われる建物か理解したようで、一気に顔が紅潮した。
「ち……違いますっ!!」
その瞬間、可愛らしいラッピングが施された箱は、凶器に変わった。
*その後*
「えっと…ごめんなさい……箱がへこんじゃって…」
結局そのホテルの一室を使い、角の部分が少しへこんだ箱を再び渡された。
「いや、大丈夫だよ。今食べてもいいの?」
「は、はい…お口に合えば…」
「じゃあいただきます。」
生チョコをひとつ、もぐもぐと食べていると、彩希がまた聞いてきた。
「味…どうですか?自分で作ったんですけど…」
「ん、おいしい。彩希の体に負けず劣らず、な。」
中身が空っぽになった可愛らしい箱が、凶器になった。
- Re: 貴方だって、愛してるレンタイン小説】 ( No.14 )
- 日時: 2016/02/28 13:55
- 名前: ねむねむ
1、抑圧と抗い
「おはよ。」
「………………」
いつの間にか朝になっていた。彩希の顔は寝起きのせいか、ぼんやりとしている。状況理解をしようと、将生には目もくれず、ぐるりと回りを見渡して
「……」
そして、硬直した。
「あ、シャワー浴びてくる?体ベタベタするでしょ?」
「……はい。」
彩希が立ち上がろうとして、
「あぅっ…!」
なんとも言えない情けない声をあげた。どうやら腰がかなり痛いようだ。涙目、しかも中腰のまま固まってしまった。
「おや、だいじょうぶ?」
「ご、ごめんなさい…だいじょうぶです…」
及び腰のまま、体に巻いたタオルを握りしめ、彼女はシャワールームへと姿を消した。あの状態では、状況理解どころではないかもしれない。
***
少しすると、彩希は戻ってきた。かなり困った顔でこちらを一瞥すると、将生から距離を取るようにソファーに腰を下ろした。
「どう?落ち着いた?」
「……」
こくんと頷いて、それから重々しいその口を開いた。
「あの……私、信じていいんですか?」
「それは、昨日のこと?」
「はい。」
彩希は将生の昨夜の発言に、まだ引っ掛かっているのだ。
『結婚したいくらい好きだ。』
それは、なかなか信じられない言葉だろう。あんな乱暴な行為のあとに結婚したいだなんて、正気の沙汰ではない。それでも、将生は本気だった。
「俺は君が好きだから結婚したい。だから昨日もセックスしたし、君を調教したいと、本気で思ってるんだ。」
あぁ、彩希と結婚すれば、毎日いたぶる事が出来る。
将生は、それを切望している。彩希がどうであろうと、自分の理性に勝てないのだ。
「あぁ、連絡先を交換しておこう。せっかく婚約したんだから、連絡先くらいは知りたいし。」
「はい…」
やけに、彩希は素直だった。
- Re: 貴方だって、愛してる【お知らせ】 ( No.15 )
- 日時: 2016/03/11 22:34
- 名前: ねむねむ
〜お知らせ〜
Twitter始めました。更新情報などを掲載させていただきますので、フォローお願いします!
名前は「ねむねむ」ですwつまりそのままです!
それでは、夜分に失礼いたしました
- Re: 貴方だって、愛してる【3/11ツイッターアカウント作成!】 ( No.16 )
- 日時: 2016/03/14 13:42
- 名前: ねむねむ
2、解放
父と母に結婚を伝えると、それはもう舞い上がった。将生は一人っ子だったため、両親は孫の顔を心から望んでいたのだ。いつもは堅い父も、今回ばかりは少々頬を緩め、普段は奥ゆかしい母も目を細めた。
それは、純粋に将生にとって、嬉しかった。口うるさく、世間体にうるさい両親でも、腹を痛めて生み、何度も何度も苦労の末にここまで育ててくれたのだ。そんな両親の喜ぶ姿は、彼に安心を与えていた。
「で、その娘さんのお名前は?」
母が微笑んだまま、こちらを向く。
「彩希さん…麻野、彩希さんだよ。」
母の、仕事は家柄は、といえ質問攻めを軽く受け流して、ようやく風呂に入った。彩希は上手く、俺との結婚を説明できているだろうか……
〜〜〜〜
仕事場から、直接ホテルへ向かった。外は春の暖かい陽気に包まれ、実に過ごしやすい日だった。外では、淑やかそうな女性達が、横断歩道をゆっくりと、談笑しながら渡っていた。ブランド物の服での装いを見ると、結婚したら彩希にもあんな服装で居させたいと思ってしまう。
あぁ、彩希は背が低いから、ハイヒールも履かせなくては……
もし、あんな服装を彩希が嫌がっても、またレイプして言う事を聞かせれば良いと、将生はいつの間にか専制君主のような考えだった。
「お客さん、着きましたよ。」
運転手に頷き、窓からホテルを覗くと、もうすでに父と母は揃っていた。
「ありがとう、ここで降りるよ。」
規則正しい石畳の上を進み、ホテルのフロントまで行くと、母が嬉しそうにこちらに気づいた。よほど、今日の食事会が楽しみだったと見える。
「早かったわね。もう少し遅いと思っていたのに。」
「まあね。道も混んでなかったし。彩希さん達は?」
「まだなのよ。だけど、もう来ると思うのよ。」
このホテルは和式だったが、あえて洋式の部屋を頼んでおいた。母の腰が悪いため、畳だと立ったり座ったりの動作が難しくなってくるのだ。
少しのあいだ、会話を続けていると、彩希たちがやって来た。
今日の彩希は親の指摘のせいか、服装がずいぶんと野暮ったかった。まあ、結婚すれば、自分の好みに合わせられるから問題ない……
少し気弱そうな目で、彩希がこちらを見ていた。
- Re: 貴方だって、愛してる【3/14更新】 ( No.17 )
- 日時: 2016/03/14 21:24
- 名前: ねむねむ
〜ホワイトデー小話〜
また、今日も彼に呼ばれた。
彩希は複雑な気持ちで駅前に居た。何度もため息が漏れてしまう。今夜もホテルに行くんだと分かっていたし、それを拒むのも半ば諦め始めていた。それでも、肌を重ねる時の彼への恐怖はどうしても拭えなかった。
「や、お待たせ。」
駅から彼がやって来た。彼は何やら紙袋を抱えて、少し気まずそうにこちらを見ている。彼は荷物が多いのは嫌いなはずだった。だこらいつも両手は空いていることが多かったのだけれど………
「そんなに変かな。俺が荷物を持ってると。」
「あ、あのそういうのでは無くて……」
将生がおかしそうにこちらと荷物を交互に見る。それから、その紙袋をこちらに渡してきた。
「これ、お返しだよ。バレンタインデーのね。」
「え?私に、ですか?」
「もちろん。彩希は手作りだったけど俺は買ってきたからね…それじゃあ気に入らないかな?」
「いえいえ、そんなこと…」
そのまま受け取ると、その紙袋は意外にもずっしりと重かった。
「あの、これ、中身なんですか?」
「ホテルに行ってのお楽しみ。」
彼は、おかしそうに、そして嬉しそうに笑った。
〜〜〜〜〜〜
「ひ、酷いです…中身がこんな、こんな……」
「似合ってるよ。それに俺、今すごい煽られてるよ。」
中身はSMセットだった。どうりで重いわけで、おしゃれな紙袋からは反比例するように、無骨な鎖や首輪が出てきたのだ。
「ちなみに、管理は俺がするからね。」
「そ、それって、ホワイトデーのお返しって言えな……あっ!」
もちろん、彼はきちんと「本当の」ホワイトデーのお返しを用意し、持ってきていた。
だけどそれを、明日の朝まで彩希は気付けなかったらしい。
- Re: 貴方だって、愛してる【3/14更新&ホワイトデー小話】 ( No.18 )
- 日時: 2016/03/20 16:29
- 名前: ねむねむ
2、解放
なごやかな雰囲気で、会食は進んだ。皆が日本酒やワインを口に運ぶ中、彩希1人が、ウーロン茶を飲んでいた。
「いやぁ、君のような青年と娘が結婚できるなんて…親としても誇らしいよ。」
酔いが廻っているのか、彩希の父親の顔は赤らみ、実に饒舌になっていた。それは横に座る父も同じのようで、普段は寡黙な癖ににこやかな笑みを浮かべていた。
「それは、こちらもですよ。ずいぶんと綺麗なお嬢さんではないですか。気立ても良さそうで。なぁ、将生。」
ワインを傾けながら頷いて、
「えぇ、本当ですよ。優しくて、可愛らしい…俺の自慢の彼女ですから。」
彩希は心の中で「嘘を吐くな」と、そう言っているに違いない。
〜〜〜
「それじゃあ、俺達はここで。」
夜の9時を回ったところで、彩希と連れ立って席を立った。双方の両親ともホテルのフロントで別れた。
「全然お酒飲まなかったね。苦手なの?」
「はい…結構弱くて……」
「そう。じゃあ部屋に行こうか。予約取ってあるから。」
もう、猫を被る必要は無くなった。
彩希は母親似で、性格はどちらにも似ていない。兄は獣医。昔から彩希は体が弱く、外で遊んだり友達を作ったりするのは苦手だった。
それが今日の会食で分かったことだった。
そんな、病弱な彼女の腰に手をまわすと、確かにほっそりとしていて、少し力を入れれば簡単に折れてしまいそうだった。
「素敵な部屋ね…綺麗……」
これから何をするか分かっているのに話題をそらしたいのか、あえて関係のない話をする。彩希は窓辺に立って、こちらを振り向いた。
あぁ、もうダメだ……
衝動に駆られるようにそのまま歩み寄り、強く強く抱きしめた。会食の時からずっと、そうしたかった。その遠慮がちで細い体を力の限り抱きしめたいと、切望していた。
「将生、さん…痛いです……」
仕方なしに離れて、立ち尽くす彼女の前でベッドに座る。
「まずはそうだね…服を脱ぎなさい。」
- Re: 貴方だって、愛してる【3/21更新!】 ( No.19 )
- 日時: 2016/03/27 17:23
- 名前: ねむねむ
3、結婚なんて
「え…将生さん……」
「聞こえなかったのか?服を脱げと言ったんだ。2度も言わせるんじゃない。」
彩希は震えながらトレンチコートを脱いだ。ゆっくりとした動きに苛立ちを覚えたがまだ我慢が出来た。続けて紺の野暮ったいワンピースのチャックを下ろすと、ストンと床に落ちた。次は下着___
だが彩希の手は、止まってしまった。
「全部、脱ぎなさい。」
「でも……」
「口答えするな!さっさとしろ。」
ビクッと彩希が、怯えたように震える。顔は、恐怖の色で埋め尽くされていた。それがまた、将生の凶暴な感情を喜ばせた。
「はい…」
彩希の白い手がおそるおそる背中に回る。それは実にあっけなかった。するりとブラジャーは外れ落ちた。彩希がまだ悪足掻きをする。
「将生さん…私、嫌なの…もう許して……」
「脱げないなら、俺が脱がしてやる。」
「いやっ!将生さん嫌なの!」
腕を掴むとベッドに引っ張り倒した。力を入れれば簡単に折れそうなほどに細い、本当に細い腕。いや、腕だけではない。身体が細いのだ。しかし胸は申し訳程度しかない。
じたばたと無様にもがく彩希を体ごと押さえ込み、ショーツを引きちぎるように脱がした。
「いやあぁっ‼」
悲痛な叫び声が体の下で響く。そんな彼女をよそに、鞄から鎖の拘束具を取り出す。
「今日は彩希にプレゼントがあるんだよ。ほら、これが何か分かる?」
髪の毛を引き抜かんばかりに引っ張り、無理やりこちらを向かせて見せる。SMグッズの販売を行っているサイトを漁っては、彩希に似合う物を購入するのが、将生の最近の日課になっていた。
その中でもお気に入りで、早く使いたいと思っていたのが、「それ」なのだ。
「いや…そんなの怖いわ……やめて!」
「じっとしてたら、痛くしないよ。」
ベッドの柱に腕を押さえつけ、大の字に縛りつける。彩希はもう疲れたのか諦めたのか、もうあまり抵抗しなかった。
「これだけじゃないよ。ほら、これが何か分かるか?」
それもまた、SMサイトで購入したディルドバイブだ。これを彩希の太ももになぞらせていく。赤黒いグロテスクなその姿が、彩希の恐怖を一層煽る。
「さて、まだ使いたいのあるから大人しく言うこと聞くんだよ。」
自分はこんなに、アブノーマルな人間だったのか。自分はもっと、ノーマルな奴だと思っていた。だけど実際は、こんなに意地の悪い性癖なのだ。
- Re: 貴方だって、愛してる【3/27更新!】 ( No.20 )
- 日時: 2016/04/06 16:25
- 名前: ねむねむ
3、結婚なんて
「っ〜〜‼いや!もうダメっ!許して!」
彩希の悲痛な声が、部屋に割れんばかりに響く。彩希の秘所には、全く似つかわしくないグロテスクなディルドバイブが突き刺さっているのだから、無理もない。
その彩希の上に跨り、将生はこれからどうしてやろうかと考えていた。彩希が身をよじるせいで幾度となくディルドバイブが抜け落ちる。抜けると、やかましいモーター音が鳴り、とんでもない音量だ。それでも、将生は抜けるたびに挿れ直した。
「あぐっ…!もういやぁ!」
彩希の虚ろな瞳には、涙が溜まりきってぐちゃぐちゃになっていた。もう身体をばたつかせる気力も無いのか、手足の先を震わせて身悶えるだけになってしまった。
これではつまらない、面白くない、もっともっと、彩希を壊したいのに。
将生の中の黒い獣が、欲望を垂れ流している。それに応えるように、将生が身を乗り出す。手には、SM用の赤い蝋燭。
「い、いやよ…待って、そんなの嫌!」
将生の頭には、蝋の熱さに悶える彩希の顔しか映っていなかった。ライターの火で、蝋燭の先に火を点ける。
彩希はどんな顔で、どんな声で、どんな反応で歪むのだろう。
そう思いながら、蝋燭を傾けた。蝋の雫が溜まり、その一滴が彼女のへそに吸い込まれるように落ちて、ぽたり、小さく音を立てた。
「あっ、ああああっ!!」
まさに絶叫という言葉が相応しい声だった。将生の背に、ゾクゾクとした悦びがほとばしっている。
将生こそが、自分の欲望の奴隷になっていた。今までずっと誰にも言わず、ひた隠しにしてきた、自身の欲望の奴隷。
次々に蝋の雫を垂らしていった。脇、乳房と乳首、恥骨、鎖骨、脇腹、太もも、そして秘所ぎりぎりの足の付け根。
蝋燭の半分がなくなったところで、その手を止めた。
「彩希。」
ビクビクとまだ震えている彩希の、手足につけられた拘束具を外す。そしてそれから髪の毛を掴んで、将生自身の肉棒へと押し当てた。
「舐めなさい。」
たったそれだけの、短い指示。だが彩希は肉棒を口に含むどころか、こちらを憎らしげに見ていた。
「仕方ないな。」
ぐいっと再び髪の毛を引っ張り、無理やり口の中に押し込んだ。
「んぐっ!」
「聞こえなかったんだな……舐めなさい。」
少し、ほんの少しずつ彩希の舌が蠢く。たどたどしく、お世辞にも上手とは言えなかったが、将生はこれまでにない快感を覚えていた。まるで専制君主にでもなったかのような独占感と、彩希を従えているという悦び。
「彩希…そのまま、続けなさい。」
彩希は何も答えなかったが、舌の動きが止まることはなかった。
- Re: 貴方だって、愛してる【4/6更新!】 ( No.21 )
- 日時: 2016/04/17 18:56
- 名前: ねむねむ
4、悪質な誓い
事が終わっても、彩希は何も言わずに虚ろな瞳のまま、中空を仰いでいた。秘所からは体液やら精液やらで濡れそぼっていた。瞬きだけを事務的に何度も繰り返し、それだけが彼女の動作だった。
「彩希、シャワーを浴びておいで。」
返事もせずに彩希が立ち上がって、シャワー室に行こうとする。けれど、行かせなかった。髪を引っ張り、こちらを向かせる。
「返事は?」
「………はい。」
「いい子だ。」
腕の力を緩め彼女を解放すると、憎しみのこもった目でこちらを見ていた。
「なんだ?俺に文句があるなら、言ってみろ。」
「………」
彩希は何も答えずに背を向けて、今度こそシャワー室に入っていった。あの目を、もう一度頭に浮かべる。確かに、俺はあんな目を向けられても仕方ない事をしているし、それが悪い事だとも理解している。それでもそんな理性は、彩希を前にするとすっかり消えてしまうのだ。
もっと、もっといたぶってしまえ。
そう、声が聞こえるのだ。自分の、内側から。
***
「____健やかなる時も、病める時も、死が2人を別つまで……」
神父の、誓いを問う声が広い教会に響く。
「はい、誓います。」
将生は即座に頷いた。ちらりと横目で彩希を見てみるが、一体どんな心情なのか、読み取れやしない。
「はい、誓います。」
彩希も、頷いた。けれども将生には、「いいえ、誓いません。」と言っているように聞こえた。しかし、少なくとも将生には彩希が必要だった。
盛大な拍手の元、2人は祝福された。将生は親戚を始め、会社の同僚や部下、上司、それから高校時代の友人も招いた。だが彩希はもともと友人が少ないのだろうか、あまり招待客は居なかった。
華やかなムードのまま式は終わりを告げ、お開きとなった。
双方の両親も、終始ご機嫌な様子で
「いい人と結婚できたものだ。」
と、ほろ酔いの状態で笑っていた。
そんな中、彩希だけがお酒もそこそこにウーロン茶ばかり飲んでいた。
将生は「あんな美人どこで見つけたんだ」と、上司や同僚に茶化されながらも談笑していた。
結婚できた、それすなわち彩希と朝から晩まで一緒に暮らせるという事だ。1週間後には新婚旅行も控えている。
あぁどんな風にいじめよう、なぶろうか。将生の胸は、期待で高ぶっていた。