AM4:32
『じゃあ…わたしは今日も学校があるので…』
「あ、そうだったわね。じゃあ…また後で」
ワイングラスを手にしたリリーは満足そうな笑みを浮かべてそう言った。
家に帰り、リリーとホーリーが別人の[香奈]に変身させてくれたメイクをシャワーで丁寧におとしていく。
タオルを体にまいて、冷蔵庫から水の入ったペットボトルをとり、喉の渇きを潤した。
制服をきて鞄をもって家を出た。
家から学校への道のりはだいぶ遠いため、片道1時間…
親友と思われる凛と、電車登校だ。
チャラチャララ〜♪
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From:凛
題名:おはよう
本文:今から家出るね〜(^ω^)♪
ちょっと遅れるかもしれないけど、
電車の時間までには間に合うようにするから
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仕事ようの携帯と別の[千草用]の携帯が鳴った。
凛からだ。
ピッピピ…
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From:千草
題名:Re:おはよう
本文:了解。
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それから数分後…
「ちーちゃん!お、おはようっ…!!」
『おはよ、凛。』
「あれ?ちーちゃん、朝シャワー浴びてきた?」
『え?』
自分の髪が濡れているのに気づいた。
ちゃんと乾かしてこなかったんだ…
『あ…、うん…!!今日時間なくってさ』
「あーそうなんだ!!それよりね、今痴漢する不審者がここらへんうろついてるらしいよ。」
『(チッ、痴漢なんてクズなオヤジがすることだ)えーまぢでー。まぁ、気を付けよう♪』
本当のわたしを、凛は知らないだろう…
犯罪者のわたしを…
知ったら、凛は悲しむかな…一生口聞いてくれなくなるかな…
フッ…なんて馬鹿なこと考えても仕方ないや…
今はとにかく、
世界で一番憎いあの父親のような大人を掃除する…
それがわたしに与えられた運命なのだから。