大人オリジナル小説

私が人見知りになった訳
日時: 2012/03/06 20:41
名前: ミナミ♯0122
参照: http://lost

 初めまして、このサイトの別館に来たのは初めてで、文章も下手ですがミクロ単位でも良かったな、と思っていただければ幸いです。

 ちなみに、コメントは歓迎ですが、荒らし・暴言は受け付けません。
 基本的に、暗い友情関係です。あれ?と思っても、スルーしてください♪ 期待はずれだったら、諦めてください。
以上です。

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Re: 私が人見知りになった訳 ( No.8 )
日時: 2012/03/24 14:04
名前: ミナミ♯0122
参照: http://lost

続き〜

「こころちゃん」
「一緒に帰りませんか?」
こころは、ちょっと色白で最近は肩にかかるぐらいのツインテールが主流である。先輩への尊敬心が高いのか、タメ口になったことはほとんどない。
「いいよ。やっぱりこころちゃんはかわいいね!」
私は、こころの色白っぽい顔と綺麗な髪が大好きで、よく褒める。
「いえいえ、先輩の方がかわいいですよ!」
と言ってくれるが、自分が可愛くないのはよく分かっているので、
「そんなことないよ」
などと言いながら会話はスタートする。
 そんな私たちの横をクラスメイトの女子二人が、一瞥して通り過ぎた。
「…?」
何となく違和感を感じながら、帰り道を歩く。
 私たちの学校の傍には、線路を越える橋が架かっていて今は向かっている最中なのだが、橋の南側の端に(つまり柚芽たちの目の前なのだが)さっき通り過ぎたあの二人がいた。
「…ぃち年と一緒に帰って、お前友達いないじゃn…!」
微かだが、こんな声が聞こえた。その途端、水をかけられたかのようにすっと頭が冷たくなった。
 これは、あの時と同じでだんだん寒気がするようになる。
『やめて!こころの前でそんなこと言わないで!』
ずっとずっと、心の中で叫んだが私たちが階段に着くまで、それは続いた。
『気づかないで気づかないで気づかないで気づかないで!!!』
一生懸命平静を装う。
 多分、ばれていないと思った。階段を一段一段上ると共に、体中が脈打つような感覚がして、本当は逃げ出したかった。
「……」
後ろ姿しか見られない、その二人は何も言わなかったが、その代わり私は当たり前のように『明日』が怖くて仕方がなかった。
 橋を下りて、こころと別れるとぐるぐると色んなことを考え始めた。橋の合流する道路は、大通りになっているため何かに集中するときに、役に立つ。
 しかし、近くの音が聞こえやすくよく邪魔をされる。今日も例外なく誰かの足音で、霧が晴れるように考えが消える。
『誰よ?』
と、イライラして振り返ると
 そこには、柚月がいた。柚月は、多分あの二人の事も見ていたと思う。
『どうしよう…。もし、柚月が見ていたなら…』
すっと、体が冷たくなって信号が青になると共に駆け出した。
さっさと左の道に行こうとすると、
「小林!」
と、声をかけられた。ぱっと振り返ると、
「じゃあな、ドッペルゲンガー!」
と叫ばれた。その顔は、悪戯めいた笑顔。ただでさえ心が荒れているのに、その言葉は更に柚芽の心を荒れ狂わせた。
 急に立ち止まった柚芽を見て、柚月が慌てて駆け寄る。
「どうした?」
「…に何が…るのよ…」
「え?」
柚月に、まったく顔を見せない柚芽。小さな声で、何かを言ったように見えたが、柚芽は突然走り出した。
「おい、小林!」
しかし、断然柚芽より柚月の方が速い。柚芽の本を持った左腕を、すぐに捕らえた。
「…い、たい」
柚月は、力を入れていないつもりだろうが、その力の差は大きい。
「あ、ごめん」
手を離すと、柚芽はやっと柚月の方を見た。鞄を肩に掛けなおして、握られた腕に触れる。
「あん…が…のよ」
 柚芽は、泣いていた。いつも、男子の言うドッペルという言葉を、しっかり否定していた柚芽が。
「あんたに何が分かるのよ!!!」
精一杯の声で叫んで、
「…ごめんね」
とだけ言って、走り出した。
『最悪だ。柚月は、ただからかっただけなのに八つ当たりして…。もう、明日なんか来なければいいのに』
 その日の日記には、こんな事が書かれていた。
―――――――
 明日なんかいらない。
 学校なんて無くなればいいのに…
 毎日毎日、
怯えて過ごすだけなら、学校なんて行きたくない!
  
 私の心は、二種類の玉で動いている。
 悲しみ・苦しみ・怒り・嫉妬
の暗い玉
 喜び・笑い・幸せ
の綺麗な玉
 私は、器になってそれを受け止める。
 今日、いつも綺麗なものをくれる人を、なくした。
 もう何もない
―――――――
 心の中
 暗い色と綺麗な色
 今のボクには暗い色が多いけれど
 いつか綺麗な色で埋め尽くせるといいな
―――――――
 次の日
 本当は、行きたくなかった学校。
 でも、今私はここにいる。今日は、一度も隣の柚月と話していないが、いつかまた前のように話してくれたらいいのに。
 授業が、始まった。
 今の柚芽には、明日が不安でほとんど何も聞いていなかった。

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