大人オリジナル小説
- 秘密の遊び。【夕凪☆゛と空は同一人物だったw】
- 日時: 2013/03/25 17:07
- 名前: 空 ◆JGlOo5d1iU
初めまして。
空(くう)と申します。
*ルール*
・小説カキコのルールに反する行為はしないでください。
以上です。
- Re: 秘密の遊び。 ( No.6 )
- 日時: 2012/09/29 15:28
- 名前: 空 ◆JGlOo5d1iU
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.cgi?mode=view&no=15796
「でも…。「でもじゃねぇ!!この子と言いふらしたら、お前どうなるかわかってるんだろうなぁ?」…ハイ…。」
私は心優達に逆らうことができなかった。
『いじめ』…私の一番怖い言葉。
私はいじめはもう一生経験したくないと心に強く願った。
「じゃねっ!!」
「呼び出してゴメンね?また明日!!」
「バイバイっ!!」
そんな明るい言葉をかけられた私は、『今の万引き…本当にあったことなのか。』とまで思い始めた。
たかが一瞬。たかが数百円…。
私はそう自分に言い聞かせ、家まで帰った。
「ずいぶん早かったんだなァ。」
ドアを開けるなりお父さんが来て言った。
「あ…うん。少しだけだったんだよね。」
私はそう苦笑しながら答えた。
そしてそのまま誰とも話さずに階段を駆け上り自分の部屋に入った。
「ハァ…ハァ…。」
うそをつくのがこんなにも苦しいことだなんて思ってもみなかった。
私は静かに涙を流して泣いた。
頬を伝い、膝の上に落ちる涙の滴をただただ見つめ、夜を明かした。
「「李磨ぁ〜朝よォ!!」」
昨夜、一睡もしなかったが、私の意識は通常通りだった。
眠いなんて一回も思わなかった。
「「トントントン…」」
「おはよう。今日は朝ごはんいらないから。」
お母さんに向けてそう言った私は、さっさと準備をし、家を飛び出た。
お母さんやお父さんの顔を見ると、昨日のことの罪悪感で胸がいっぱいになる。
『私は万引きしてないから何も悪くはない。』そんなわけがなかった。
万引きを手伝ったのは事実なのだから―――――――…。
≪学校≫
まだ教頭しかいない職員室の前を通り、私はまっすぐパソコン室へ向かった。
「『万引き…犯罪』っと…。」
私はヒットしたサイトのあまりの多さに驚いた。
『万引きは犯罪』『窃盗罪』『万引き、見張りも同犯』『セコい』『コスい』『最低な行為』『なんでそんなことするのか理解できない。』
私の頭はおかしくなりそうなくらい痛んだ。
ズキン…ズキンと、私のしたことの罰のように痛んだ。
「万引きってサ、そんな悪いことじゃないよ。」
「えっ?」
振り向くとそこには心優が立っていた。
「だってさ、たかが数百円じゃん。そんな数百円やそこらで見せつぶれたりなんかしないんだから。」
黙って口を結んでいる私を見て、心優は話を進めた。
「私たち、年間いくらぼったくられてると思ってんの?
それ考えたらさ、いいじゃん。少しくらい。今日もやるんだけどさ、来ない?っつか、来なきゃダメだかんね。」
心優はそう言い残すと静かにその場を去っていった。
心優の言葉を聞いて、私の心は少しスッキリしていた。
『万引き』は悪いことじゃないの…?
そうだよ。悪いことじゃないんだよ。
ただ店にある商品に手を出すだけの軽い『遊び』だよ。
そうだよ、『遊び』なんだ。
≪授業中≫
私は万引きの仕方についてのサイトを読み漁っていた。
教科書でケータイを隠し、『万引き 成功方法』を何度も何度も調べた。
そしてその調べたことはノートにまとめていた。
そう。今日、初めての『遊び』を実行するために――――――――…。
≪放課後≫
「ねぇ、李磨。」
さっそく実柚が話しかけてきた。
「わかってるよ。アレでしょう?今日夜10時とかどうかなぁ?
この辺ではサラリーマンのために遅くまでやってる書店がほとんどだし、昼間より夜のほうが従業員が少ないから、成功確率も上がるし。ね?」
実柚は口をポカンと開けて、私のほうを見ていた。
「ん?なんか用?」
私は聞き返すと、
「いや…昨日あんなに嫌がってた李磨なのに…。」
「私、変わるから。今までの弱虫の私なんかじゃないから。」
私はそう言い切ってから一呼吸おいて静かに話した。
「今言ったこと、ほかの2人にも伝えたほうがいいよね?」
唖然としている実柚を無視して私は続けた。
「『遊び』の手口なら、私に任せてね?」
そう言って私はカバンを手に取り足早に教室から出た。
≪夜≫
「今日も昨日と同じ子に勉強教えなきゃなんないから、行ってくるね。」
私は両親の返事を聞かずに急いで家を出た。
「お待たせ。」
「おぉっ!!全然待ってなんかないよ。」
「早く始めちゃお!!」
「今日は何を盗ろっかなぁ?」
「で?今日の手口は何?」
そう実柚が聞いてきた。
私は初めて人から必要とされたのだ。
嬉しくて、思わず上がる口角を抑えて、私は今日の手口をみんなに伝えた。
「よっし。私はリストバンドをつけて、その中に欲しいものを入れるってワケだ?」
「そ。失敗はあってはならないから、あくまでも慎重にね。」
私はそう念を押して、みんなを店に入らせた。
≪数分後≫
「たっだいまぁ〜!!」
ご機嫌そうなみんなの声を聞いて、私はほっと一息ついた。
「リストバンドの中に入るものは少ないけど、コレ、絶対バレないし、良いかもな。よっし、コレ、続けてこうよ!!」
「いや違う。毎日同じ手口だと。さすがに店側も気付き始める。同じ手口をやっていいのは、最高2回まで。」
私は冷静にそう行った。
「スゲエ…前とは全然違う。別人みたい…。」
心優がそう呟いた。
私は笑って
「ありがとう」
とお礼を言った。