大人オリジナル小説
- 人間は残酷な生き物である。
- 日時: 2013/04/18 21:09
- 名前: 緋兎の血*
プロローグ
アンタだって知っているだろう?人間はとてつもなく残酷な生き物だって。
壊れたらもう戻れない。始まってしまったら、終わることはできるけど
また始まってしまう。
だったら、繰り返されるその前に アンタが
死ねばいいよ。
戦争と化したその教室では、今日もまた、虐めが行われる。
ターゲットが変わっては また教室が汚れていく。 それを楽しく見つめる私らの 「QUEEN」 は今日もまた
冷たく微笑むんだ。
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- Re: 人間は残酷な生き物である。 ( No.6 )
- 日時: 2013/04/24 20:59
- 名前: 緋兎の血*
一時限目 数学
昨日泣き喚いていた女、綾元千秋はいつものように真剣そうな眼差しで黒板とにらめっこ。ただ何かにぶつけたような赤みが残っている。それ以外たいした傷も見当たらない。
クラス中、カリカリとシャーペンの音と、ページをめくる音、その呪文を唱えるような数式で埋め尽くされている。
数学の教師、青山はとても安堵な表情で一定のペースで進める。
誰を当てても答えが返ってくる。
それもそのはず…全部仕組まれているのだ。 早乙女の手で
私達は表上、「教師たちの理想のクラス」完璧なクラスで通らせているため、まずは授業態度を強化したり学力を上げたりとした。まぁ全員が全員向上するはずもなく…
早乙女がクラス全員の奴にメールで答えを教えているのが「真実」だ
早乙女はいわば「天才児」でこれくらいは朝飯前なのである。
もう一人天才がいる。それは、前列の、右から3番目の席に座っている、一匹オオカミタイプのクールなイケメン男子、笠井徹。まさに早乙女と同格で、心理カウンセラーではないかというぐらい人の感情を読み取り、操ることができる。 要するに私達にとっては最初『要注意人物』とリストにのっていたほどの人物。そんな彼に思いをよせる女子生徒は少なくないが、中でも熱狂的なのが 片栗桃は、美少女で尽くすタイプ。でも馬鹿ではなく、自分からわざと「ターゲットにされるような」まねはしない。美少女といえば、安東千草、峰岸七、相沢琴もかかせない人物になっている。まさにマドンナ的存在でこのクラスの評判のよさにも入っている。
あ、 もう授業が終わってしまっていた。 本当にこの数学の授業は
つまらないわ。
苦笑いを浮かべたとき、チャイムが鳴った。