大人オリジナル小説
- 人間は残酷な生き物である。
- 日時: 2013/04/18 21:09
- 名前: 緋兎の血*
プロローグ
アンタだって知っているだろう?人間はとてつもなく残酷な生き物だって。
壊れたらもう戻れない。始まってしまったら、終わることはできるけど
また始まってしまう。
だったら、繰り返されるその前に アンタが
死ねばいいよ。
戦争と化したその教室では、今日もまた、虐めが行われる。
ターゲットが変わっては また教室が汚れていく。 それを楽しく見つめる私らの 「QUEEN」 は今日もまた
冷たく微笑むんだ。
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- Re: 人間は残酷な生き物である。 ( No.1 )
- 日時: 2013/04/20 15:03
- 名前: 緋兎の血*
第1章 裏表のある教室
清四中学校、二−B組は本当に優秀な生徒たちだ。成績もいいこばかりで、おだやかで、団結力があって、本当に手の掛からない、いわば教師の
『理想』。
清四中学校、二−B組は本当に残酷な生徒たちだ。暴力沙汰が大好きなこばかりで、卑劣で、上の人には逆らわなくて、本当に自分の事しか考えられない、いわば彼らたちが作り出した
『戦争』。
「許してっ… 許してくださいっ!!」
うずくまる一人の女子生徒。黒いショートカットの髪を揺らし、大きな瞳を見開いて、恐怖に怯えていた。 顔には無数の傷があり、腕にも足にもあざがあった。
何をあやまっているのか、さっきから彼女は「許して」としか言わない。
机をすべて、はしによせてクラス全員、35人が、その女を取り囲む。一人の男子生徒がサッカーボールを持ってきて、女に向かって蹴り上げた。
足に当たったようだ。跳ね返ったボールはある人の足元に。
「…汚いボールね。 貴方のせいよ?どうしてくれるのかしら?」
茶髪のロングヘアーは巻いていて、程よくカールになっている。黒い少し細めの瞳が嬉しそうに細くなって白い肌に、えくぼを刻ませた。
彼女こそ、「すべて」の我らの
『QUEEN』だ。
誰も彼女に逆らえない。逆らおうとしない。でもわかっているのだろう。そんなことをしなくてもどうせ次は
「自分」なのだと
「ねぇ、 怜」
チラっと横をみるQUEENこと、 早乙女 姫乃
『怜』それは
「そうだな」
私だ。 早乙女にこんな口をきくのは私だけ。何でかって? 私は「許された人間」だから。どうして許されたのかは…まぁのちのち解る。
私は早乙女の足元のサッカーボールを足で自分の下に寄せる。そして、足に力を入れた。
「 さっさと、血痕をふけ」
女の顔は 白と黒のボールになった。