大人オリジナル小説
- もしも過去を変えられたら
- 日時: 2014/09/02 18:12
- 名前: 弓束 まふ
もしも過去を変えられたら
; 弓束 まふ 短編小説
- Re: もしも過去を変えられたら ( No.5 )
- 日時: 2014/09/03 18:30
- 名前: 弓束 まふ
始業式、そして午前の授業が終わりお昼時間。
男子たちは我先にとお弁当を取り出して
がっつきながら食べていた。
「奈々ー、昼、一緒に食べない?」
普段、お昼は別の私と優奈、真奈達。
席が遠いという関係で私は他の友人と食べていて、
真奈と優奈とるなが3人で昼食を食べていた。
「え、うん、良いけど。るなは?」
私は机左のホックからお弁当箱の入った袋を取り出す。
「ん、るな?るなは・・・」
優奈が黙り込む。どうしたんだろう。
「るな?るなは他の子と食べるって」
いつの間にか優奈の後ろにいた真奈が黙り込む
優奈のかわりに返答する。
「あ、そうなんだ」
雰囲気的にそうじゃないという事はわかってたから
納得はいかなかったけれど、でも何か言えるような、
首突っ込めるような立場じゃないし黙っておくことにした。
私達はまなの席で昼食をとる事にした。
3人での昼食はとても寂しかった。
誰も何も喋ろうとしない。
喋ってもぎこちない。
ただ黙々と食べるだけ。
私からこういうときは喋りかけなきゃいけない。
でも、喋りかけることもうまい話題も見つからず結局
自分も黙ってごはんを食べる事だけに集中してしまった。
そして一番に食べ終わった優奈が自席に戻る。
私と真奈だけになった。
これは、るなと何があったのかを聞けるときかもしれない。
「あ、あのさ」
声を出した。
真奈は此方を見て次に出てくる私の言葉を待つ。
「昼食食べたら帰れるね!やったー!」
全然関係無いことを喋る。
何を言いたいんだろう、私。
「なんだよー、そんな事ー?ちょっと緊張したじゃーん!」
真奈が笑う。
私は笑う真奈に作り笑いを向けて残りのお弁当をたいらげる。
「え、なんで?なんで緊張したのよー!」
「え?神妙な顔してたし?ほんと、奈々面白いわー」
お弁当を片付け終わり自席に戻る私。
なんで勇気がないんだろう、なんで言えないんだろう。
ただたんに気になるんじゃない。
どうして仲が良かったのに、あんなに離れることになったの?
なんで、そんな他人みたいな感じにいきなりなるの?
理由さえわかれば、私がどうにかしたらまえに戻せると
思った。だから、気になった。
でも、結局、聞くこともできなかった。