大人オリジナル小説
- 猫を飼うということ〜ラグドール〜(BL)
- 日時: 2020/02/25 21:07
- 名前: 白楼雪
はじめましての方、お久しぶりの方、こんにちは。
黒猫の誘惑を書いていました白楼雪という者です。
ちょっと合作(瑠璃色の菖蒲)に集中していたら、気づけばスランプに落ちていました。
その結果、黒猫の誘惑は途中で終わってしまいましたが、あちらは皆々様の思う数だけのエンディングがあるという事で、落ち着いて貰えれば幸いです。
今回此方では『猫を飼うということ〜ラグドール〜』という、
猫擬人化BLを書かせて戴こうと思います。
え?猫義人化ネタ多くないか?って?
………いや、モフはみんな好きですよ(末期)
r18になるかはまだ不明ですが、ほのぼの系で書けたらな、と思っています。
それではお付き合いよろしくお願いします。
- Re: 猫を飼うということ〜ラグドール〜(BL) ( No.5 )
- 日時: 2020/03/30 06:07
- 名前: 白楼雪
『カフェ・フラン』と書かれた木製の立て看板に、心を和まされ店の扉に手をかける。
年季の入った木の感触が手のひらに伝わり、無意識に期待が高まっていく。
ゆっくりと扉を開け店の中に入ると、珈琲の香りがふわりと漂っていた。
「いらっしゃいませー」
瀬川が店内に入った事に気づいたのだろう。どこからか明るい声が聞こえた。
店の奥には幾つかのテーブル席があるが、そこにいるのは数人の客だけ。瀬川の立つ扉付近にあるカウンターにいたっては、客など一人もいない。
声の主の居所が分からず眉間に皺を寄せていると、突然カウンター奥から銀色の猫耳がぴょこんと現れた。
「…なっ!?」
揺れる猫のような耳に瀬川が動揺していると、カウンターから現れたのは背の高い獣人だった。
「すいません。今商品の補充をしていたもので」
瞳を細め微笑む彼は、どうやらこの店の店員らしい。
瀬川とて、今さら獣人に驚いたりなどはしないが、それでも猫好きな彼にとって猫の獣人はやはりつい視線で追ってしまいがちだった。
獣人は、数十年前に発生した遺伝子の異常によって生まれたらしい。
遠い遠い昔。全ての生き物が一つの形だった頃の名残が、突発的に濃く受け継がれた場合。その際に生まれるらしく、確率は千人に一人か二人位だという。