大人オリジナル小説

colorful home
日時: 2023/03/01 19:20
名前: むう

colorful home

colorful hope という5人組男性アイドルグループの日常を書き綴った話


小スカ表現あり 幼児退行あり

シェアハウス設定

ただの自分用小説
我得


3/1 100閲覧ありがとふ。


完全オリジナルキャラ
キャラ設定>>1
小説のスタート>>2

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Re: colorful home ( No.6 )
日時: 2023/05/16 17:34
名前: むう

>>4 の2年前の話


蒼也side


その日、俺たちはダンスの練習をしていた。
事務所にある俺たちが練習するスタジオCに入ると、もうみんなは来ていた。

今日は新曲のダンス練習をする。

シェアハウスを初めて1ヶ月。前まではそれぞれ別々で住んでいたから、生活の仕方の違いなんかもある。でも、シェアハウスを始めてからみんなの仲がさらに深まったような気がして、嬉しかった。

前そんなことをメンバーに話したら、「お前重いぞ」って言われたから最近はなるべく明るく振る舞ってるんだけど。

なんだか、本当の自分が消えそうな気がして少し怖かった。


振りを覚えるのが遅い俺は、休憩時間を割いてたくさん練習した。
そして、やっと完璧に踊れるようになった頃、あることに気づく。

トイレに行きたいことに。

今は休憩時間ではない。それぞれが自主練する時間だ。
それに、みんな練習中一度もトイレに行ったことがない。ここで俺が行けば……どう思われるだろうか。
割とみんな喋ったりはしているが、ここで抜け出すなんて無理……

しかし、尿意は俺の気持ちなんて知ったこっちゃない。

既に押さえないと我慢が困難な状態にまでなってしまっていた。

でもここで抜け出したら…と、また俺は他人からどう思われるかばかり気にしてしまう。
我慢を始めてから,既に30分が経っていた。

じわ、とあたたかいものを感じる。
どうしよう、出てきてる……
目頭も、それに比例するように熱くなっていく。

亜空「じゃ、一旦みんな休憩で」

やっと休憩だ。俺はなんとかメンバーに見られないようにスタジオCを出て、隣接するスタジオDに入る。ここを抜けたらトイレだ。

しかし、俺の体は待ってはくれなかった。

ぽた、ぼた…と、俺の手から雫が落ちていく。

蒼也「あ、あぁっ……もう無理…っ」

俺は慌ててスタジオの隅に行き、そのまましゃがみ込んでしまった。

しゅいいっ…ばたたたたっ

溢れてきたものを我慢するのは、もはや不可能だった。俺は諦めて、ふうと息をつく。

しゅううううううう…ばたたたっしゅおおおお

気持ちよさと絶望が一気におそいかかる。

体制を変えようと足を動かしたところで気づいた。

……ここ、下カーペットじゃん。

俺のおしっこを、カーペットがどんどん吸収していっていることに。水たまりは全て吸われ、大きなシミが広がっている。道理で、足を動かしても水音が鳴らないはずだ。

我慢していたものを、全て出した。


はぁ、はぁ、と、肺が喘ぐ。俺はその場にへたり込んでしまった。
しばらく放心状態になっていたが、やっと我に帰る。
目の前に広がる大きな大きなシミを見て、堪えきれない涙が溢れてきた。

蒼也「ううっ…ひぐっ」

俺は涙を拭う。こんなところでずっと座り込んでいたって、どうにもならないのだ。
ズボンには大きな染みができている。そして、目の前には俺のおしっこを吸ったカーペットがある。
こんな情けない姿で、メンバーに会わなければいけない。
最年長なのに。グループを引っ張ってかなきゃいけないのに。
トイレが間に合わないなんて、こんなのじゃ幼稚園児と一緒だ。

重い足を引きずり、俺はスタジオDを出た。


スタジオCに戻ると、そこには早瀬が1人でスマホを触っていた。他の人はどこかに行ったのだろう。

蒼也「……早瀬」

涙が頬を伝う感覚がする。早瀬は、「んー?」と言いながら顔を上げた。
しかし、俺の涙を見て顔色を変える。

早瀬「えっ!?そーくんどうしたの!?」

しかし俺は羞恥心と涙でもう喋れない。早瀬は俺のズボンを見て察してくれたようだ。
気持ち悪がられるだろう。軽蔑されるだろう。そう思うと、顔が熱くなりさらに涙がこぼれ落ちてくる。

早瀬「…大丈夫だって。泣くなよ、仕方ないじゃん」

顔を上げると、優しく微笑む早瀬がいた。

蒼也「えっ、」

何でこんなに優しいの……?
普通、気持ち悪いとかあるはずだ。
何でこんなに俺に対して優しくしてくれるのだろう。

蒼也「なんで、、?」

早瀬はふふっと笑った。

早瀬「何でって、頑張ったんだろ?生理現象だし、そーくんは何も悪くないよ。漏れちゃうくらいまで我慢して、偉かったな」

蒼也「はやせ…っ」

止まった涙がまた溢れ出す。

早瀬が俺の頭を撫でる。俺より小さいはずの手が、すごく大きく感じた。

俺が泣き止むまで、早瀬は俺のそばにいてくれた。
その優しさが、少しだけ俺の心の扉を開けようとした。
だけどこれからは間に合わなくなる前にきちんとトイレに行っておかなければと思った。

そう決めたはずなのに。



あれから1ヶ月が経った。

俺は早瀬のおかげでかなりグループにも溶け込めるようになった。
少しずつ、俺らしさも出せるようになってきた。

個人の仕事のあと事務所に行き、スタジオに入る。
しかし、そこにはあーくしかいなかった。

蒼也「みんなは?」

あーく「なんかどっか行ったんだよねー。スマホもここあるし」

蒼也「……どっかって笑」

あーく「ちょっと俺探してくる!蒼也ここで待っててー」

蒼也「あ、了解」

1人になった。

実はさっきから割と尿意を催していたのだが、ここで部屋を出るとあーくを更に困らせてしまうことになるため、大人しく1人で待つ。

暫くそわそわしながら待っていたが、帰ってくる気配がない。
みんな何をしているのだろう。もしかして事故とか……不安になればなるほど、尿意が強くなる。

蒼也「ふぅ…ふぅ」

何となく息を整えて、足踏みをする。
大丈夫。帰ってくる。

1ヶ月前の記憶がフラッシュバックする。
カーペットについたシミ。拳から虚しく溢れ出すもの。ずぶ濡れのズボン。あのあと鏡で見た、ぐしゃぐしゃな俺の泣き顔。
またああなってしまうかも…

蒼也「……んっ」

強く握る。しゃがみこむ。

もうあんな過ちをしてしまわないように。


20分後

あーくが、みんなが、帰ってこない。
探しに行こうかと思ったが、それどころではなかった。それは今の俺の姿を見れば誰もがわかるだろう。

蒼也「はぁっ、はぁっ、ぅっ……」

せわしなく足を動かす。

握っていた手に、じわ、とあたたかいものを感じる。

蒼也「…もうダメ……っ」

ズボンが湿っていく感覚がした。


慌てて部屋の出口へ向かう。このままじゃ間に合わないかもしれない…いや、間に合う。やっとドアを開けることができた。
そしてドアを閉めようとしたとき、

大きな波がきた。

蒼也「!?っぁ、だめっっ……!」

床に水滴がぽた、ぽたと落ちていく。
思わず、片手でぐううっとモノを押さえてもう片方はドアに手をかけたまま、しゃがみこんでしまう。

蒼也「うぅっ…止まれぇぇっ……!!」

しかし水たまりは俺の意に反してどんどん広がっていく。
それでもなんとか止めようと、必死にモノを押さえる。

4割ほど出してしまったところで、ようやく止めることができた。

蒼也「……っう、ぐすっ…」



また、漏らしてしまった。


……もうすぐあーくたちが帰ってくるかもしれない。それまでに床を拭いて、着替えておけば気づかれないかもしれない。急いで……

あーく「……でさー?あははっ」

タイミング最悪。みんなを連れて戻ってきてしまった。

あーく「あれ?蒼也ー!どした……っ」

喉があつくなり、視界が潤んでいく。

蒼也「ごめんなさい…っ、また俺……」

早瀬「そーくん遅くなってごめっ……」

翔と水野がこっちを見ている。まただらしない姿を見せてしまった。
年上なのに。みんなを、引っ張ってかなきゃいけないのに。

一番、しっかりしてなきゃいけないのに……


あーく「……ごめん、俺がいなかったから、待ってなきゃって思ったんだよね、?これは俺の責任。本当にごめん。」

水野「着替えある?なかったら俺の貸すけど」

翔「ここ片付けとくから、着替えておいで?」

早瀬「俺何か拭くもの持ってくる!」

やっぱりみんなは優しい。こんな歳になって、2回目のおもらしをしてしまったのに、あたたかい。

あーくに誘導されて、俺は着替えに行った。


俺が戻ると既に床は綺麗になっていて、練習が始まっていた。

翔「あ、おかえり!」

早瀬「何かあったら無理せず言ってね?」

蒼也「……ありがと、」

そこから俺はみんなに気を遣われながら、30分練習をした。


下腹部に違和感を覚えたのは練習が始まって40分くらい経ってからだった。

さっきもらしたのは4割ほどで、その後トイレに行かなかったため、まだ残りの6割は俺の膀胱の中にあった。

……でも、2度もらすわけにはいかない。ちゃんと言わないと。
だけど、怖い。恥ずかしい。またかよと思われないだろうか。練習を止めてしまうことになる、邪魔だろう。……またぐちゃぐちゃ考えてしまう、悪い癖だ。

だけどもう……

水野「…蒼也くんさ、もしかしてトイレ?」

俺がそわそわと動いていたのが気になったのか、水野が声をかけてくれた。

蒼也「……っ、うん…」

水野「行っておいで?」

蒼也「ありがと…」

そう言ってドアを開けようとする。

ばちゃばちゃばちゃっ……

蒼也「……っえ、」

勝手に出てくる。止まらない。さっき膀胱が緩んだからかもしれない。

あーく「?蒼也、?」

蒼也「うあっ…なんでっ……」

翔「!大丈夫!?」

蒼也「……っ、なんでだろっ、勝手に出てっ……ぐすっ」

目頭が熱い。肺がしゃくりあげる。必死にモノを押さえる手からは、虚しくおしっこがこぼれ落ち続けている。

早瀬「落ちついて蒼也くん……全部出たら教えて」

早瀬が背中を撫でてくれる。

ぱたたたたっ……

蒼也「……全部出た、」

床の隅っこに座り込む。ぱしゃん、と音がした。

翔「っ、そーくん!」

みんなが俺を囲む。心配そうな表情をしていた。

蒼也「……ごめんっ、」

水野「いいよ謝んないで、」

蒼也「違う……っ!」

思わず大きな声が出た。

蒼也「俺…最年長で、このグループを引っ張ってかなきゃいけないのに……一番しっかりしてなきゃいけないのに、今は俺が一番迷惑かけてる!一番、他の人に頼ってる……頼られなきゃいけない存在なのに、俺、もうだめだ……」

最後の方は声が上手く出なかった。涙が出る目もとを手で隠す。

あーく「なあ、蒼也」

あーくがしゃがみこむ。

あーく「最年長とか関係ねえよ。こういう時は助け合ってくんだ。お前だけ俺らの知らないところで重いもん背負うな。こういうときの為に、仲間がいるんだ。だよな?」

みんなが頷いて、微笑む。

早瀬「だからさ、蒼也くんも仲間になろうよ」

早瀬が手を差し出す。

蒼也「……早瀬…っ、みんな、」

立ち上がると、またぱしゃんと音がした。でも泣かない。

蒼也「こんな俺だけど、仲間にしてくれる?」

みんなは顔を見合わせて微笑んだ。

翔「当たり前だろっ!」

水野「俺ら最強のグループだろ!!」

蒼也「翔、水野……」

早瀬「あと!前から気になってたんだけどさー……」

早瀬が手を挙げる。

早瀬「その、水野とか早瀬とかっていう呼び方やめよ?」

蒼也「……っ、え?」

早瀬「あだ名とかあるからさ、俺のことははーせって呼んでよ!」

あーく「じゃ俺は亜空で!」

水野「俺は一応あだ名はみっけだけど……」

翔「俺、蒼也くんって呼びたい……」

蒼也「……んふっ」

思わず微笑む。

蒼也「じゃ、好きに呼ばせてもらうね?笑」

亜空「じゃあ俺蒼也のことそうたろうって呼ぶわ」

蒼也「はぁ?笑 別にいいけど」

水野「俺と翔は??」

蒼也「じゃみけとしょーで」

翔「しょーだって!!敬太!」

水野「翔すげぇ喜んでる笑」


俺ははーせ、そしてみんなのお陰で本当の自分を出すことができた。
そして亜空は俺のことを本当にそうたろうと呼び出した。なんでだよ。








……あれから2年。

俺を救ってくれたはーせが泣きながら俺を見つめている。
俺に助けを求めているときの目だ。

今度は俺の番だ。俺がはーせを助けてやらなくちゃいけない。

あの日の恩返しとして。




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