大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- D灰短編集(r18BL アレン、神田、ラビ主)
- 日時: 2019/11/10 16:57
- 名前: 白楼雪
久しぶりの二次、久しぶりのD灰。
オリジナルの作品とは別に書き進めていこうと思っています。
一応アレン、神田、ラビ。三人をメインとしますが、ティキとか、クロス元帥とか、
コムイの兄さんも時々参加したりしたら面白いと思うんだ。
なお、主は基本雑食。三人の組み合わせなら、どれでも美味しく書かせて戴きます。
更新は……少ーし、ちょっとだけ亀かもしれないな…。悪気はないです
- Re: D灰短編集(BL アレン、神田、ラビ主) ( No.8 )
- 日時: 2019/01/19 22:53
- 名前: 白楼雪
懇願するような彼の声に、神田は溜め息を一つ溢す。
「そんな顔をするな」
呆れた様に言葉を発し、神田は上着から二つの小箱を取り出した。
「勘違いするなよ。偶然任務帰りに寄った店で、旨い菓子を見つけたから買っただけだ」
視線を逸らし、その二つの小箱をラビに投げ渡す。
「わっ……、え?…ユウ、これって…」
危うく取り零しそうになった小箱を、手にラビはそれ等を見つめる。
一つは手のひらに乗る程小さく、シックな黒の包装紙に、紅色の細いリボンが括られていた。
もう一つの小箱は黒い小箱より一回り大きく、藍色に深緑の飾り紐が結われていた。
丁寧な包装と季節を思えば、それらの意味は容易に理解出来た。
「黙って受け取っておけ…」
ぽつりと一言、神田が発する。
視線を重ねる事を拒む神田の頬は薄紅に染まり、その姿がラビの心を駆り立ててしまう。
「開けて良い?」
嬉しさに声を弾ませ、ラビは神田に問いかける。
だが神田の返事はなく、数秒の間を置き、ラビは小箱に手を掛けていく。
黒い包装紙の小箱には、柔らかさを思わせる石畳の様な生チョコレートが。青い包装紙の小箱には、一口サイズのココアパウダーに覆われたトリュフが、各々に純白の箱に丁寧に納められていた。
「店員が…」
神田が小さく言葉を溢す。
その声の方へとラビの視線は向けられ、羞恥に染まる神田と視線が交わされた。
「店員が、薦めてきたんだ。俺は甘味には疎いからな。薦められたままに買ってきただけだ」
彼の声にも既に薄紅は移り、そんな神田にラビの理性は崩れていく。
- Re: D灰短編集(BL アレン、神田、ラビ主) ( No.9 )
- 日時: 2019/01/20 23:54
- 名前: 白楼雪
室内は薄暗く、時刻は深夜。互いに任務の予定もない。
こんな機会はそうそう訪れる事もなく、ラビの身体が目の前の愛しい恋人を求めないわけがない。
「…ユウ、キスして良い?」
ラビの指先が神田の頬に触れる。
それだけの事で、神田の身体は体温を一つ上げた。
「好きにしろ…」
彼は、神田ユウは、素直に恋人に甘える様な真似を好む男ではない。
そんな事はラビも理解していた。
「ありがと…っ、…」
淡く甘い口付けは、バレンタインのショコラを思わせる。
それが気恥ずかしいのか、神田はラビの上着の裾を握り羞恥に堪える。
淡く触れ合う唇は、僅かな重なりを幾重にも紡がれた。
数分の時を終え、不意に神田は口づけを拒む。
「…っ、…ぅ、…止めろ。…盛りすぎだ」
「え〜、ユウとゆっくり出来るなんて久しぶりなんだから、サービスして欲しいさ〜」
ラビは不満そうに訴える。
確かに共に過ごせる時など殆ど得られない日々だが、それは任務があるのだから仕方がないではないか。
しかしそれを吐露してしまえば、見も蓋もない。残るのは虚しさだけである。
この男は面倒だと思う。こんな馬鹿兎のどこに惚れたのか、我ながら理解不能だ。
「おい…そんなに口寂しいなら、これでも食っておけ」
「だって…っ!?………甘い…」
ラビは自身の口に入れられたものの味に声を溢し、驚くように瞬きを重ねる。
「当たり前だろう」
口元に微笑を浮かべた神田の手には、先程ラビに渡したトリュフ入りの小箱が乗っていた。
- Re: D灰短編集(BL アレン、神田、ラビ主) ( No.10 )
- 日時: 2019/01/22 02:53
- 名前: 白楼雪
ラビの反応から、どうやら味の好みに合ったらしい。
内心の安堵を隠し、神田もトリュフを一つ口に運ぶ。
ほのかな苦味にチョコレートの淡い甘味。シトロンの爽やかさが口内に香る。
そして微かな洋酒が喉を通った。
不意にラビが距離を詰める。
その意図を察し、神田の喉がなる。
互いの吐息が重なり、淡く唇が重なりあう。
「…っ、ん…」
触れあうだけの口づけは、唇を割り歯列を舌先がなぞる。
静かな室内で、水音だけが響きあった。
「…ぅ…、っ…」
酔いしれているのは洋酒のせいか、甘い口づけの為か。
既に神田に、抵抗の意思は薄れていた。
甘く痺れる様な欲を纏う中、ラビの指先が神田の首筋を伝う。
その感触が神田の欲を鋭敏に刺激する。
身体が熱い。力が抜けるのに反して、ラビを求める気持ちが強くなっていく。
「ユウ、身体熱くなってる…」
口元に小さな笑みを浮かべ、ラビが囁く。
自身の熱など等に気づいていたが、それを指摘されるのは苦手だ。
「…言うな」
離れた口元から溢れたのは、羞恥にまみれた僅かな言葉。
その仕草にラビの笑みは色を増す。
彼の指先は柔らかく、だが確実に衣服をはだけさせ、気付けば神田の上半身は素肌を晒していた。
男同士だと言うのに、ラビにまじまじと見られるのはどうも落ち着かない。
部屋が薄暗くて良かった。その事だけが安堵を与えてくれる。
- Re: D灰短編集(BL アレン、神田、ラビ主) ( No.11 )
- 日時: 2019/01/24 00:07
- 名前: 白楼雪
慣れた手つきで神田を抱き押し倒すラビの仕草は、初めて身体を許した時から変わらない。
きっとこの男の事だ。
神田の知らない過去や場で、それなりの数の女達と会瀬を重ねたのだろう。
「お前は、悪い奴だな…」
きっとラビが教団を去る時には、神田自身もその女達と変わらない存在になるのだろう。
「ユウ?」
言葉の意味が分からない。
そんな表情をラビは浮かべていた。
「いや、何でもない」
そう告げ、神田はラビへと唇を重ねた。
そう、分からないままで良い。こんな黒霧を思わせる感情など気付かずに、馬鹿みたいな笑みを浮かべて居てくれればそれで良いのだ。
こいつは、この馬鹿兎は、時として察しが良い男だ。
しかし気づかないフリも上手く、今ですらそれが分からないが、どちらにせよそれらを重ねあう事より、今は身体を重ね合った方が懸命に思える。
ラビはそれ以上疑問を口にする事をせず、神田からねだった口づけを味わい、指先を目の前の白い肌へと流す事に気持ちを向けた。
彼の白い肌はラビの指に触れるだけで熱を灯し、その熱は甘い吐息をもたらす。
「…っ」