大人二次小説(BLGL・二次15禁)

D灰短編集(r18BL アレン、神田、ラビ主)
日時: 2019/11/10 16:57
名前: 白楼雪


  久しぶりの二次、久しぶりのD灰。
 オリジナルの作品とは別に書き進めていこうと思っています。

 一応アレン、神田、ラビ。三人をメインとしますが、ティキとか、クロス元帥とか、
 コムイの兄さんも時々参加したりしたら面白いと思うんだ。

 なお、主は基本雑食。三人の組み合わせなら、どれでも美味しく書かせて戴きます。


 更新は……少ーし、ちょっとだけ亀かもしれないな…。悪気はないです

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Re: D灰短編集(BL アレン、神田、ラビ主) ( No.1 )
日時: 2018/12/26 01:59
名前: 白楼雪



 1.ビターショコラの罠

  (ラビ×神)

Re: D灰短編集(BL アレン、神田、ラビ主) ( No.2 )
日時: 2018/12/26 02:24
名前: 白楼雪

まだ肌寒い季節。
任務帰りに立ち寄った街は、どこか賑やかで、神田ユウは怪訝な気持ちでその光景を見つめていた。
街が平和な事に不満はない。
いつ悲劇によって平和が崩されても可笑しくない世界だ。
一時でも長く穏やかな時が続けば、日々戦いや時間に明け暮れている多くの教団の努力も、命半ばに散ったエクソシストの思いも報われるというものだ。
だが、それにしてもこの寒い中、若い女性や、商店の賑わいは異常に思える。
「随分騒がしいな」
隣で歩くアレンに聴こえるよう、神田が呟く。
「そうですか?もうすぐバレンタインデーだから、それで賑わっているだけでしょう」
相変わらずの笑顔で返すアレンの手元には、何本ものみたらし団子。
バレンタインデーとやらは、確か西洋の祭りとやらなはずだが、やはりモヤシはぶれずにみたらし団子を好むらしい。
そんな奴が直ぐに気づくという事は、やはり良く知れ渡っている行事なのだろう。
「俺達には関係ないな」
今夜はこの街で一泊して、明日には教団に着く予定だ。
早々に神田は宿へと続く道へと向かおうとするが、そこにアレンが待ったをかける。

Re: D灰短編集(BL アレン、神田、ラビ主) ( No.3 )
日時: 2018/12/31 02:29
名前: 白楼雪

「神田、ちょっとここで待っててください。僕、リナリー達に買い物を頼まれているんです」
アレンの言葉に、神田は眉間の皺を覚える。
「ちっ…、買い物なんて、どこでも良かっただろう」
面倒な感情を隠す事なく告げる彼に、アレンは引く様子を見せない。
「この街にしかない限定チョコレートらしくて、任務の帰りに買ってくるよう頼まれたんですよ」
限定チョコレート。チョコなんて、どこで買ってもそう変わらないだろう。
だが、内心思い浮かぶリナリーとアレンの様子を想像して、神田の口から溜め息が溢れた。
「…わかった。さっさと行ってこい」
不機嫌そうに発する神田を残し、アレンは彩りの溢れる街の中へと消えた。
たかが菓子を売りにした祭りに、何の魅力があるというのだろう。
彼には、神田ユウには、それが理解出来なかった。
あの馬鹿兎なら、もっと違って見えたのだろうか。
神田の思考には、いつものへらへらした笑みを浮かべるブックマンの後継者。ラビの姿がふわりと浮かんでいた。
そんな淡い考えに浸っていると、すぐ側の小さな菓子屋の女性店員に声をかけられた。
「そこのお兄さん。そんな眉間に皺を寄せてたら疲れちゃうわよ」
店員の明るい声に視線を向けると、彼女は神田を手招きする。
煩わしさを覚えないわけではない。
だが、彼女はきっと神田が素知らぬふりを続ければ、おそらくずっと声をかけ続けるだろう。
アレンには、ここで待つと伝えてある。
そして街の中へ消え去る時の様子を見る限り、まだ当分戻っては来なさそうだ。
「何なんだ…っ」
迷惑を顔に出し神田が店員に近づき言葉を告げると、不意に口の中にほろ苦く甘い物を入れられた。
「どう?うちのショコラ。甘過ぎなくて、美味しいでしょう?」
優しい笑みで問う彼女の言葉は、どこか逆らえないものを感じる。
確かに、この甘過ぎず、すっきりとしたチョコレートは繊細で旨い。
程好く口の中の熱で蕩け、香り高い風味は納得せざる得ない。
「悪くはないな」
素直に美味しいなどと言えるわけもなく、素っ気ない言葉を紡いでしまったが、店員は気にする様子も見せずに微笑みを返した。
「嫌な事があった時、疲れた時は、甘いものが一番良いのよ」
そう告げ、彼女は神田に幾つものチョコレートを試食させる。
彼女のセンスが良いのか、店の菓子職人の腕が良いのか、勧められたものはどれも良質に思えた。
そんな中、神田はラビの事を思い浮かべた。
彼奴にも、食わせてやるのも悪くはないな。
「幾つか買って帰りたいんだが…」

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