官能小説(オリジナル18禁小説)
- 貴方だって、愛してる【6/5更新!&ストーリー完結】
- 日時: 2016/06/05 09:22
- 名前: ねむねむ
1、すべての始まりは、出会いから
私は、とある会社の受付嬢になった。大手というほどではないが、それほど裕福な会社。受付のデスクに構え、やって来た客人の相手を軽くするだけで、月に10万とはいい職場だ。
「……社長に取り次いで貰えるかな。今からここの社長さんと打ち合わせでね。」
暇潰しにスマートフォンを触っていると、いつの間にかサラリーマンが立っていた。寒そうにコートの襟をピンとさせて、薄い笑みを浮かべていた。
「あ、すいません。社長ですね………はい。承っております。どうぞ。」
パソコンで今日の日程をちらりと確認すると、確かに『社長と麻倉(あさくら)製薬の打ち合わせ』と書かれていた。
「案内いたしますね。……こちらへどうぞ。」
「ありがとう、助かるよ。」
〜Prorogue すべての始まりは、出会いから〜
_目次_
・人物紹介 >>11 ・バレンタインデー小説 >>13
・ホワイトデー小話 >>17
・序章 >>0>>1>>2>>3>>5>>6>>7>>8>>9>>10
・二章 >>12>>14 >>16 >>18 >>19>>20>>21
・三章 >>22>>23
・最終章>>31
- Re: 貴方だって、愛してる【4/17更新!】 ( No.22 )
- 日時: 2016/05/03 18:42
- 名前: ねむねむ
5、結婚生活
「最近、山代さん元気ですよね。」
「やっぱりあれですか?結婚したから?」
部下の女性社員が嬉々として、談話室に入ってくる。将生はちょうどコーヒーを淹れていたところだった。将生には、女性社員がこのタイミングを狙っていたようにしか思えなかった。それでも、まさか「わざとタイミングを合わせて入ってきたくせに、偶然のように言うんじゃないよ。」とも言えず、
「そうかなぁ…そんなに元気に見える?」
などと、はぐらかすように笑った。
「見えますよ〜、いつも仕事早いのに、最近はもっと凄いですし…新しい契約も取ったって聞きましたよ?」
誰がその情報を漏らしたのだろうか。女性社員は末恐ろしい。会話もそこそこに談話室を出ると、コーヒーを持ってデスクに座った。慣れた手つきでスマートフォンの電源を入れると、メールを開いた。
そこで指の動きを止めて、少し考えてみる。
今日はどうしようか……
そしてスマートフォンのキーボードに指を滑らせた。
『今日はベビードールを着て、三つ指突いて出迎えろ。』
たったその一文を打ち、送信し、すぐさま電源を切った。
将生は昼休みになると、彩希に毎日こういったメールを送っていた。彩希は最初は戸惑って、メールの指示に全く従わなかった。しかしその度に将生は、手酷く彩希を虐げた。
手足を拘束しローターを入れたまま一晩放置したり、媚薬を頭から被せ一日中、絶頂させ続けたり、と。
その度に彩希は「ごめんなさい」と喚くように、叫ぶように言ったが、将生は決して止めることは無かった。
将生にとって、彩希のあの懇願する表情は堪らなく快感だった。股間部は血管が裂けそうなほど勃起をし、背筋にはゾクゾクと悪寒にも似たものがはしる。
これは全て、「躾」なのだ。将生はいつもそう思っていた。自分の言うことを聞かず逆らう、彩希への「躾」。
明後日からは新婚旅行だった。将生は新婚旅行先でも、この態度を変えるつもりは無かった。
***
「ただいま。」
「あ…おかえりなさい。」
彩希は三つ指を突いて出迎えるどころか、ベビードールすら着ていなかった。将生はその瞬間、パンと彩希に平手打ちをしていた。身構えることも出来ず彩希は呆気なくその場に倒れる。
「また命令を無視したのか?」
「ご、ごめんなさい…でも。」
「黙れ!こっちに来い!」
平手打ちを食らい、ふらつく彩希を引きずるようにして寝室へと連れ込んだ。
「命令無視もいい加減にしろよ!」
彩希の服を引きちぎるように剥いで、力任せに投げ捨てる。彩希を前にすると、どうしても将生は理性なんてものを忘れてしまうのだ。
「いや!ごめんなさい!許して!」
剥いだ服の下に、ベビードールを着ていると言うわけでもなく、いつものレースの下着だった。
「お前の夫は…主人は誰なんだ!?」
「っ……」
怯えて、彩希は声も出ていなかった。それすらも将生には腹立たしく、もう一度がなりたてる。
「誰なんだ!?」
「……将生、さん…」
やっと彩希は声を絞り出した。その怯えた態度が、将生の黒い部分を喜ばせていた。
「分かってるじゃないか。なら、今からフェラチオしろ。」
「え……」
「なんだ?主人の命令が聞けないのか?」
圧をかけるように追い込み、じろりと見下ろす。彩希は相変わらず俯いていて、涙が目に溜まっていた。それでも、彩希は無言でそっと将生の股間部に手を伸ばしていた。
「ふん、やっと分かったか。」
震えながら辿々しい手つきで彩希は、将生のズボンを下ろした。「下手くそ」、将生はいつもそう思っていた。それでもあえて、フェラチオについては何も躾を施さなかった。その辿々しさにすら、将生は興奮を覚えていた。
ピチャ、ピチャ、水音だけが静かになった寝室に響き渡っていた。
- Re: 貴方だって、愛してる【5/3更新!】 ( No.23 )
- 日時: 2016/05/15 14:46
- 名前: ねむねむ
5、結婚生活
久しぶりに彩希の実家から、夕飯に誘われた。彩希の自宅は将生たちの新居とはそう遠くないため、こんな機会は何度かあった。今回も、その1つだと思っていた。
彩希の両親は、将生に会うたびに口を揃えて「いい人と結婚してくれた」と笑みを浮かべて言う。そんな時、将生は決まったように「それはこちらもですよ。」と、人の好い笑顔で答えた。
だが将生には、1つだけしこりのように気になっていることがあった。夕飯前にトイレを借りた際、彩希の兄とすれ違ったのだ。彩希の兄は将生を呼び止めた。彩希の兄は将生より歳上だった。
「将生くん。彩希とは上手くやってるか?」
実に当たり障りない問いだった。将生は当然と言わんばかりに「もちろんですよ。」と答えた。これまた、人の好い笑顔で。彩希はどうか知らないが、将生には彩希が必要不可欠だ。
「そうやって笑顔で答えていれば良いと思ってるんだろう、将生くん。」
「なんのことですか?」
「そんなの、自分が一番よく分かってるだろう。」
その1分にも満たない会話が、酷く将生を悩ませていた。彩希の兄は、彩希には優しく甘いようだった。昔から友人が少なく、病院に通いがちな彩希のために、勉強を教えたり、世話を焼いたり、兄は尽くしていたのだと言う。
将生の脳内では、嫌な予測が完成していた。
彩希が、将生の酷い仕打ちを告げ口したのではないか。
大いにあり得ることだった。将生にとっては、とんだ不覚でもあった。
***
泊まっていくように勧められたが、それをやんわりと断り新居へと帰ってきた。途端に将生の態度は豹変する。
「お前、兄貴に俺のことをどこまで言った?」
「そんなこと…ただ、ちょっと将生さんが横暴だって……」
「兄貴に言ったんだろう!?」
気づいた時には、もう怒鳴り散らしていた。それと同時に平手打ちもしていた。
「ふざけるな!俺を舐めやがって…兄貴にならバレないとでも思ったのか!?」
「ごめんなさい…でも。」
「口答えするな!」
髪を掴んで引っ張りあげると、また怒鳴り散らす。
「どこまで話した!?」
彩希は黙って、首を振りおどすばかりだった。これでは埒があかない、彩希をベッドまで引きずるようにして連れていく。
「いやっ!今日はもうやめて!」
「黙れ!俺に逆らった罰だ!」
そこからはもう、将生自身も深くは覚えていない。感情のままに彩希を犯し、殴り、蹴ったような気がする。そんな大体的なことだった。
ふと深夜に目が覚めた。犯してそのまま寝てしまったのか、将生は裸のままだった。横で、彩希も寝ている。
彩希だ、将生はそう思った。だが、一瞬だけ彩希の顔が、彩希の兄の顔に見えてしまったのは、きっと見間違いだ。
- Re: 貴方だって、愛してる【5/15更新!】 ( No.24 )
- 日時: 2016/05/16 00:10
- 名前: 華恋
ねむねむさん、はじめまして!!!
コメント失礼します!!
いつも小説見てhshsしてます!!
あ、やっぱ忘れてください!!
twitterでフォローさせていただこうと思ったんですけど、ねむねむってゆー名前の方がいっぱいいすぎて笑笑
できれば@←これのあとを教えて欲しいなーって思いました次第でございまっする…
- Re: 貴方だって、愛してる【5/15更新!】 ( No.25 )
- 日時: 2016/05/24 21:50
- 名前: ねむねむ
は、初コメントありがとうございます!
twitterですね、はい…えーと、
@nemu201221
です!
全然コメントが来ないんで、誰も見てないのかと思ってました…!
華恋さんですね!覚えました!よろしくお願いします!
- Re: 貴方だって、愛してる【5/15更新!】 ( No.26 )
- 日時: 2016/05/24 21:58
- 名前: 華恋
twitter教えてくれて、ありがとうございます!!
コメント来なくても、見てる人は見てると思いますよ♪
これからも更新楽しみにしてます!!
頑張ってください!!
- Re: 貴方だって、愛してる【5/15更新!】 ( No.27 )
- 日時: 2016/05/25 07:25
- 名前: ねむねむ
華恋さん、ありがとうございます!
皆さんも、これからもご愛読よろしくお願いしますm(__)m
〜そしてお知らせ〜
次回でストーリーに関しては、この「貴方だって、愛してる」は終わりを迎えます。
しかし、その後のストーリーや、アナザーサイドなど、別視点の話も後日談として掲載するつもりです。
乞う、ご期待くださいませ。
- Re: 貴方だって、愛してる【5/15更新!】 ( No.28 )
- 日時: 2016/05/25 20:29
- 名前: 華恋
Σ(°д°ノ)ノ
びっくりしました!
更新楽しみにしてます〜!
- Re: 貴方だって、愛してる【5/15更新!】 ( No.29 )
- 日時: 2016/05/25 21:04
- 名前: ねむねむ
当初はもっと短くするつもりだったのですが、だらだらと長くしてしまいまして…
あ、アカウント見つけられましたでしょうか?もし見つけられませんでしたら、おしらせください。
- Re: 貴方だって、愛してる【5/15更新!】 ( No.30 )
- 日時: 2016/05/27 20:59
- 名前: ねむねむ
twitterにも書いたのですが、1週間ほど小説の更新を止めます。私事で影響をきたしてしまい、本当に申し訳ありません。
これからも、作品ともどもよろしくお願いします。
- Re: 貴方だって、愛してる【5/15更新!】 ( No.31 )
- 日時: 2016/06/05 09:20
- 名前: ねむねむ
〜最終章〜
変わらない結婚生活
朝。いつも通りに起きた将生。まだ春先だいうのに、ベッドはなぜだか汗びっしょりになっていた。隣に目をやると、彩希はまだ眠っていた。
トイレに行ってから起こそう。将生はそう思って、寝室を出た。
洋式のトイレに立ちパジャマを下ろし、陰茎を出そうとする。出そうとしたのだが、なかった。
「________え!?」
情けないくらいに慌ててしまう。当然だった。睾丸が、切り取られたように綺麗になくなっているのだ。
「おい!?どういうことだ!?」
寝室に駆け込んで、彩希を殴りそうな勢いで揺り起こした。
「んん…なぁに、将生さん。」
「何じゃない!俺の、俺の……!!」
腹が立って腹が立って仕方ないのに、将生は何故か殴る気力がなくなっていた。彩希は彩希で「あぁ」と、当然のように頷く。
「昨日、去勢したのよ将生さん。」
「は…?ふざけるな!勝手にこんな…!!」
また、力が入らない。怒鳴る気力も失せている。掴みかかっていた腕をぶらんと下ろして、頭が真っ白になった。
「誰だ…?誰がしたんだ?」
「私のお兄ちゃんよ。前に言ったでしょ?私のお兄ちゃんは、獣医だって。」
なら、昨夜に見た、彩希の兄の顔は夢ではなく、現実だったのだ。将生が寝ている間に麻酔を打ち、去勢を行ったのだ。将生の心を見透かすように、彩希が優しく声をかける。
「大丈夫よ、何も変わらないわ。」
「変わらない…?そんなわけ…」
「このことは、私と将生さんと、お兄ちゃんだけの3人の秘密。誰にも話さなければ、日常は何にも変わらないの。」
彩希が淡々と、笑いながらそう言う。将生も、確かにそうなのか、と納得しようとしていた。両親や、会社の同僚にも、言わなければいい話なのだ。
「なぁ、彩希…なんで、こんなことしたんだ?」
「知ってる?どんなに暴れる雄の猛獣でも、去勢すれば大人しくなるの。」
「将生さんが横暴だから、お兄ちゃんに相談したのよ。だって私、あのままじゃ死んじゃう。」
「だからお兄ちゃんは、私に『将生さんの去勢』を提案してくれたのよ。」
あぁそうか。将生は脱力してしまった。最初から全部、将生が騙されていたのだ。将生が横暴に振る舞えば振る舞うほど、彩希は兄にそれを、密かに相談していた。去勢するタイミングを狙っていた。あぁ、そうなのか。
彩希の言った通り、将生はすっかり大人しくなってしまったのだ。
***
数日後。2人は離婚や別居などはせず、今まで通り同棲を続けていた。今日は休日で、将生はリビングで新聞を読み、彩希は朝食に使用した食器を洗い終えたところだった。
「ねぇ、将生さん。私、ずっと考えていたんだけどね。」
「どうしたんだ?」
「養子をもらおうと思うの。女の子と男の子。1人ずつ。」
遠慮がちに話を切り出した彩希は、そんなことを言った。その提案に将生も賛成だった。
「あぁ、いいと思う。」
「ありがとう…あぁ、ずっと子供が欲しかったの。嬉しい…、私がお母さんで、将生さんはお父さんになるのね。」
跳ねる勢いで彩希は歌うようにそう言う。そう、何も生活は変わらなかった。彩希が言っていたように。
「これから忙しくなるわね。」
彩希は、嬉しそうに微笑んだ。
STORYEND