大人オリジナル小説
- *チェーンメールが原因で*打ち切り
- 日時: 2012/10/05 20:33
- 名前: 北斗七星
ご愛読ありがとうございました。
あんまり長いんで打ち切りとさせていただきます。
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- Re: *チェーンメールが原因で*20話執筆完了*オリキャラ終了ー ( No.63 )
- 日時: 2012/10/03 19:48
- 名前: 北斗七星 ◆WTiuyWwMAo
第22話 苦痛
いつしか北斗は、たまにしか登校しなくなった。
今、哀舞や愛羅がどうなっているか、どんな状況に立たされているか。
それは彼には分からない。彼自身、最早分かろうともしないだろう。
彼の精神は、もう完全に崩壊していた。
彼は肉体も衰弱した。
朝、昼、晩。
ものを最後に食べたのは、何日前のことだろう。
最早、あらゆる物を体が受け付けない。
―彼は走った。壊れた精神は、何処へ行こうとしているのだろうか。
その眼には、今までなかった光が宿っていた。
――――
「愛羅さん、今日…」
「…こないで」
「…」
愛羅は、精神病とも言えるほどにまでになっていた。
簡単に言えば、狂っていたのだろう。
(私が彼を殺したの?助けられなかったの?)
彼女はいつしか、疑心暗鬼になった。
消えたはずの小学校時代の記憶が、度々蘇る様になった。
そして、手首には無数の傷跡がついていた。
―彼女は倒れた。赤い水溜りを残して。彼女が見る世界。そこには誰がいて、誰がいないのか。それは望んだ世界なのか。それは彼女にしか分からない。
――――
哀舞は、完全に不登校となっていた。
北斗の心に作られた心の傷跡は、永遠に癒えないであろう。
彼女は、精神は崩壊していなかった。
しかし、それ故に「まともな思考」が消えなかった。
彼女は自らを追い詰めた。
なぜ助けられなかったのか。なぜ希望を与えて落とすような、途轍もなく心への負担が大きいことをしてしまったのか。
彼に笑顔を取り戻せなかった責任を取る。
それが必要だと考えた。
その手段。それは…
―彼女は、足元の台を、蹴った。最後に走馬灯を見た。彼女が望んだのは、どんな光景だったのだろうか。
――――
翔は考えた。
自らの行った愚行の所為で、三人もの人間が追い詰められた。
翔は冷静になって、三日三晩考え続けた。
否、考えることを強いられていた。
考えることをやめること。それは翔の精神の崩壊を意味した。
考えることをやめると、物凄い狂気に襲われる。
自らの精神が、10秒も持たない。
本能で感じた翔は、考えることをやめない。
そして彼が導き出した答え。
―彼は走った。走っても考えることを止めなかった。自分のやろうとしていることは正しいのだろうか。
――――
七美は考えた。私がしてあげられたことはなんだったんだろう。
北斗の望むものはなんでも渡したし、買った。
それでも北斗は変わらなかった。
北斗が本当に求めていたもの、それは北斗が要求したものではなかったのだ。
七美は正しい答えを導き出せなかった。
間違った答えへ従った。
お兄ちゃんは、満足させられない私のことが嫌いだったんだ。
お兄ちゃんが一番求めていたのは…
―七美は考えることを止めた。その顔には、充実感に満ちた表情があった。
――――
北斗は走った。はだしのまま走った。転んで、足が血だらけになった。
それでも走った。愛羅の家についた。強引にガラスを割った。
家の中を探した。考えて行った行動ではない。本能に赴くまま。
愛羅は倒れていた。静かに佇んでいた。
北斗は救急車を呼んだ。言葉にもならない言葉を発していた。
しかし、この言葉だけははっきりと言うことができた。
「助けてくれた人が、助けを求めています。」
――――
翔は、走っていく途中で、七美と会った。
七美は、狂ったような笑顔を作ったままどこかへ歩いていく。
翔は止めた。
どこへいくんだ。
関係ないでしょ。
友達の妹だ。関係ある。
じゃあ教えてあげる。私は…
――――
北斗は再び走った。道には血の足跡が残っている。
哀舞の家に着いた。また強引に窓を開けた。
哀舞はすぐ目の前にいた。
首を吊っていた。
北斗は縄を解いた。
哀舞は驚いたような眼で北斗を見た。
何故来たの。
仲直り。寄り道。
…そう。
――――
翔は道に迷った。
おかしい。よく知っている道のはず。
その時、道を歩く北斗が見えたのだ。
翔は追った。
――――
北斗は翔の家に一目散に走った。
その眼にはかつての狂気は感じられなかった。
自我を取り戻していた。
精神も元に戻った。
北斗の家で北斗が何を考えたのか。
それは分からない。
――――
そして
二人は
相対した
第23話へ…
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