大人オリジナル小説
- 壊してしまえ。
- 日時: 2011/02/16 19:45
- 名前: 千咲 ◆864fRH2jyw
こんばんはonこんにちは。
ネタがないけど何か書きたいなぁと思いまたスレ立ててみました。
ちなみに花言葉の約束の続編として書くつもりです。
前の話を知らない人でも楽しめるようにしていこうと思ってます。
では、宜しくお願いします。
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【目次】
>>1 プロローグ
>>2 一章 「ガラスの海で、溺れたい」
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- Re: 壊してしまえ。 ( No.12 )
- 日時: 2011/02/21 17:46
- 名前: 千咲 ◆864fRH2jyw
「例えば、夢とか、ね」
指を回すのを止め、笑ったまま宮本桜は言う。
「今の所、夢は特にない」
夢なんか、本当にない。
心を開く予定は何処にもないし、学校だって明日からまた行かないつもり。
「そっか。あたしはね、夢ってワケじゃないけど」
別に聞いてない。
「ガラスの海に、溺れてみたいなぁ」
「変なの。意味分からない」
本当に、意味が分からない。
宮本桜という人間は、
「こんな窓のガラスの破片で埋もれた世界でね、眠るように溺れたい」
いきなり話しかけてきて、追い掛け回す人間。
私は宮本桜を、必要となんかしない。
「宮本さんの夢なんか聞いてないし、私は宮本さんに興味ない」
そう言って、私は階段をのぼり出す。
「……またね」
宮本桜の"またね"は、私にとってはただの耳障りだった。
格好付けたかった訳じゃなかった。クールビューティーを演じたかった訳じゃなかった。
私は、そういう人間だから。
引きこもって心を閉ざして自傷して。
何を目指す訳でもなく。
『物を作るより、壊す方が簡単』
昔、どこかで見た言葉。
本当に、その通り。
どうせ、崩れてしまうなら。
いつか、壊れてしまうのなら。
それが、壊れるのが、嫌だから。
私は、最初から捨てる。
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