大人オリジナル小説

壊してしまえ。
日時: 2011/02/16 19:45
名前: 千咲 ◆864fRH2jyw

こんばんはonこんにちは。

ネタがないけど何か書きたいなぁと思いまたスレ立ててみました。
ちなみに花言葉の約束の続編として書くつもりです。
前の話を知らない人でも楽しめるようにしていこうと思ってます。

では、宜しくお願いします。

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【目次】

>>1 プロローグ
>>2 一章 「ガラスの海で、溺れたい」

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Re: 壊してしまえ。 ( No.7 )
日時: 2011/02/17 20:37
名前: 千咲 ◆864fRH2jyw

「じゃあ、また中休みにね」
手を離してからそう言って、宮本桜は無邪気に笑って去ってゆく。
今まで会った人とはどこか違う雰囲気を放っていた宮本桜を、私は変な人だと思った。それだけしか感じなかった。
教室内を見渡すと、宮本桜は椅子に座り本を読んでいた。

――宮本桜が去る瞬間を引き金としたように、その後すぐに私の周りは人で埋め尽くされた。
「ねぇねぇ、どこの小学校から転校して来たのー?」
「誕生日はいつ? 好きなモノとか趣味は?」
「勉強得意?」
「中休みに校内案内してあげよっか?」
……など、聞き取れないほどの言葉が耳に響く。返答する事も出来ずに戸惑っていても、助け舟は来ない。
だから、自分で言う事にした。
「一気に言われると聞こえない」
って。
さすがにいきなりうるさい、と言うのは嫌われそうなので止めておいた。でも、一応聞こえないというのは伝わったみたいだ。教室が、沈黙に包まれる。

「じゃあ、うちが言う! どこの学校から来たの?」
沈黙を破った1人の女子は、選手宣誓でもするように右手を挙げて教室を越えて廊下まで響きそうな声で発言する。
「桜丘、小学校」
途切れ途切れに答えて私が恥ずかしがるように俯く(演技)と、丁度チャイムが鳴った。
「あ、じゃあねー」
「またねー」
とか言いながら、クラスメートは席に着いていく。
何故かは分からないけれど、ガタンと椅子を引く音とチャイムの音が、耳にこびりついて離れない。
そして、宮本桜のあの声も。

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