大人オリジナル小説
- うざい? はぁ?
- 日時: 2011/06/02 22:44
- 名前: ai
始めてです。
よろしくねがいします。
*自分自身いじめをしたこともされたこともないのですが……まぁ、嫌われてはいましたけど。
世の中の
もどかしさとかをどうにかしたくて、描こうと思いました。
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- Re: うざい? はぁ? ( No.14 )
- 日時: 2011/08/08 16:33
- 名前: ai
第五話「助けてください」
「ん……」
意識を失っていた彼女は、やっと目を覚ました。
目を覚ましたのは、夕方頃だった。
「ここは……どこ?」
どうやら、校庭ではなさそうだ。
それがわかったのは、今自分のいる場所が、とても柔らかかったから。
「ここって……」
彼女は、自分が横になっている場所を確認した。
_保健室だ_
そうやって意識が鮮明になって行くほどに、あの鼻につくような消毒液の匂いがした。
だがしかし、彼女は思った。
なぜ、私はここで横になっているのだろうと。
先程までは、校庭で倒れていたはずだ。
脇腹もまだ痛い……。
彼女が、自分の考えに浸っていると、ベッドの周りを囲んでいた白いカーテンがシャッと開かれた。
「あの……大丈夫ですか?」
「っ……? あなたは」
カーテンが開かれた先には、見知らぬ小柄な少女が立っていた。
少女は、彼女のそばに寄ってきた。
「えっと……、あなたが校庭で倒れていたので……あの」
「助けてくれたんだ」
彼女が優しい声で言うと、少女は顔を俯けてにっこりほほ笑んだ。
「ありがとう」
「いえ……、あの、保健室の先生は、今……出張で、いないんです」
「わかった。後は、大丈夫。本当にありがとう」
彼女は少女に帰るように促した。
すると、少女はぺこりとお辞儀をして駆けて行った。
その後、保健室の先生が戻ってきたのは
少女が出ていって数十分してからの事だった。
「あららっ……、どうしたの? この痣」
保健室の先生に事情を話したあと、脇腹を見てもらった。
すると、青黒い痣ができていたのである。
「ええ、ちょっと転んで」
「転んでこんな痣できるかしら……?」
「っ……。ひどい転がり方だったんです」
自分でもとてもひどい言い訳だと思ったが仕方ない。
だって……アレは隠しておきたいから。
彼女は湿布を貼ってもらった後、帰る準備をするために教室に戻っていった。
_教室
「流石にもうみんないないか……」
ほっと溜息をついた後、いそいで鞄に教科書やノートを入れる。
すると、はらりと手紙らしきものが落ちてきて……。
思わず手に取り、中身をみた。
「えっ……」
_気分はどうだよ。
素敵な痣ができたはずだと思う。
よかったな、これでお前もすこしは“キレイに“なっただろ?_
あいつらの仕業だろう。
彼女の手が、がくがくと震えてきた。
そして、手紙の後半のほうを見た。
_助けて_
なんて届くはずないだろ。
頭がくらりとするほどの衝撃が彼女を襲った。
いつの間にか、涙がぼろぼろこぼれてきて止まらなくなった。
嗚咽がとまらない。
彼女の気持ちはただの言葉で崩されてしまった。
それなのに、執拗にまとわりついてくるのは
『助けてください』
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