大人オリジナル小説
- うざい? はぁ?
- 日時: 2011/06/02 22:44
- 名前: ai
始めてです。
よろしくねがいします。
*自分自身いじめをしたこともされたこともないのですが……まぁ、嫌われてはいましたけど。
世の中の
もどかしさとかをどうにかしたくて、描こうと思いました。
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- Re: うざい? はぁ? ( No.11 )
- 日時: 2011/08/06 16:12
- 名前: ai
第四話 「切り裂かれた想い」
その声が聞こえた瞬間。
彼女の顔は凍りついた。
彼女はようやく、後ろをゆっくりながらも振り返る事ができた。
そこにいたのは自分を悪魔と罵った男子と、その友人……。
ここで弱さを見せたらもっといじめられる。
_ひどい事をされる_
そんな気持ちが彼女の弱くなった心をたてなおした。
すると、彼女の顔がいつも通りの冷静な、無表情に変わった。
「何?」
「何って……、ずいぶんのんきだな。悪魔」
その言葉で、彼女の眉間に少しだけ、しわが寄った。
「何がのんきなの?」
「ハハッ。お前さ、授業ほったらかしでいいのかよ」
「だったらあなたたちだって同じじゃないの?」
その言葉を聞いた少年二人は顔を見合わせ、彼女に振りかえり余裕の笑みを浮かべた。
「そんな事ねーよ」
「俺達、先生に頼まれてお前を教室に連れ戻しに来ただけなんだけど」
「だから?」
「だからって……。俺たちはそういう正当な理由があるんだよ」
「嘘だ……」
そんなの嘘だ。
そう思った。
なぜなら彼女は今日の一時間目が自習だという事を知っていたから。
先生に言われたなんて嘘だと……。
「はぁ? 嘘じゃねーもん」
「いいから早く教室に戻れよ!」
掴まれていた方の腕がぐいっと、先ほどよりも強い力で引っ張られるのを感じた。
だが、地面を思い切り踏ん張って、耐える。
「来いよっ!」
さらに強い力で引っ張る。
だから、彼女も負けじと力を強くした。
だけど、今の状況は2対1。
それを忘れかけていた彼女は、『後ろ』にまで気がいかなかった。
「俺の事忘れんなって」
「っ?!」
ドンッ!
背中を押されて、思わず、引っ張られていた方向に倒れこむ。
何時の間にか、引っ張られていた腕は離されていた。
どさっ……と、地面に倒れこむ。
「ぷっ……、転んでやがんの!」
「無様な姿してんじゃねーよっ!」
どすっという、衝撃が彼女の脇腹に当てられた。
「ぐっ……!」
彼女のくぐもった声がきこえる。
とても苦しい声。
「いたっ……ぃ」
間を空けられて、それでも容赦のない蹴りが彼女を襲った。
「やめ……」
反抗する力を持てなくなるほど。
「だれか……」
暗くなる意識。
暗闇に放り込まれそうになる視界。
_だれか、
助けて_
そんな想いが、届くはずもなく。
彼女は意識を無くした。
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