大人オリジナル小説
- 私って、生きてる意味、あるのかな。
- 日時: 2012/07/20 11:13
- 名前: 香月
<プロローグ>
どうしよう。どうしよう。
なんで私って、何をやってもこんなにだめなの?
なんで。なんでよ。こんなにがんばってるのに。
・・・こんなに苦しい思いをしてまで生きなくちゃいけない理由って、何?
っていうか、なんでこっちを見てくれないの?なんで、そっちばかり見ているの?
おねがい。こっち向いて?嫌わないで?おねがい。
もっとがんばるから、ね?それならいい?それなら、こっちを見てくれる?嫌わないでいてくれる?
死んだら、悲しんで、くれる?
・・・確かめたいよ。
私って、生きてる意味、ある?
* * * * *
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
香月です。のぞいてくださり、ありがとうございます!
駄文ですが、それでもいい!という優しい方は、どうぞ読んでやってください。
* * * * *
No.1 「苦しい。」 >>1 No.11 「教えて。」 >>17
No.2 「行かないで。」 >>2 No.12 「ひどいよ。」 >>18
No.3 「愛して。」 >>3 No.13 「もういいでしょ?」 >>19
No.4 「求める。」 >>4 No.14 「怖い。」 >>22
No.5 「やめて。」 >>7 No.15 「せめて。」 >>23
No.6 「一人にさせて。」 >>8
No.7 「何のため?」 >>13
No.8 「あなたはいいね。」 >>14
No.9 「本当の善。」 >>15
No.10 「見たくない。」 >>16
* * * * *
<登場人物>
倉藤 海湖(くらふじみこ)…主人公
倉藤 秋人(くらふじあきと)…主人公の弟
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- Re: 私って、生きてる意味、あるのかな。 ( No.18 )
- 日時: 2012/05/03 16:41
- 名前: 香月
No.12 「ひどいよ。」
「もしもし?…あら、あなた?」
その言葉に、わたしの胸が高鳴る。
お父さんだ。出張先から、電話をかけてくれているんだ。
「ええ、大丈夫よ。みんな元気。…ええ、今かわるわ。…秋人?お父さんよ」
『お母さん』が『弟』に受話器をわたす。
次は私だ。何を話そうかな?
なるべくお父さんが喜ぶようなことを話そう。
私がいい子でいれば、もしかしたらお父さんはまた、私を見てくれるかも、しれない。
「…うん、分かった。…ハイ、母さん」
『弟』が話し終わったみたいだ。
「もしもし?そう、私」
私は受話器を見つめる。『お母さん』の声が、右耳から入って、左耳から出て行く。
……早くかわってよ…。
イライラし始めたとき。
「…ごめんなさいね、今海湖いないのよ」
急に『お母さん』の声が、鋭く冷たく、私に突き刺さった。
「…え…」
何、言ってるの?
「そう、まだ部活みたいで」
私、ここにいるでしょ?
「…ええ、伝えておくわ。それじゃ、体に気をつけて」
「…待っ…やめて、切らないでよ!」
叫んだけど、遅かった。
ガチャン。
受話器を置く音が、重く響く。
「…残念ね。点数が悪かった罰よ」
『お母さん』が笑ってる。
「ハハッ、あわれ〜」
『弟』も、笑ってる。
……なんで?
なんで、笑ってるの?
なんで、切ったの?
なんで、私の幸せを奪うの?
どうしてよ……。どうして『弟』だけなの。
ひどいよひどいよひどいよ。
あなたたちは、私の全てを壊すんですね。
私の人生も、お父さんとの関係も、私自身も、全て全て。
……もう、いっそのこと、壊れてしまいたい。
永遠と直せないように。
もう二度と、壊されないように。
壊す方法、教えてあげようか?
わあ、本当?
本当さ。なに、カンタンだよ。
そうだなー…十階もあれば充分かな。
そこの屋上から、下へ飛び込んでごらん?
…どうなるの?
それは、やってみないと分からないさ。
どうだい、試してみないかい?
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