大人オリジナル小説
- 人間は残酷な生き物である。
- 日時: 2013/04/18 21:09
- 名前: 緋兎の血*
プロローグ
アンタだって知っているだろう?人間はとてつもなく残酷な生き物だって。
壊れたらもう戻れない。始まってしまったら、終わることはできるけど
また始まってしまう。
だったら、繰り返されるその前に アンタが
死ねばいいよ。
戦争と化したその教室では、今日もまた、虐めが行われる。
ターゲットが変わっては また教室が汚れていく。 それを楽しく見つめる私らの 「QUEEN」 は今日もまた
冷たく微笑むんだ。
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- Re: 人間は残酷な生き物である。 ( No.8 )
- 日時: 2013/04/25 20:42
- 名前: 緋兎の血*
三時限目 体育
10分で黒の学校指定のジャージを着て女子はグラウンド、男子は体育館にきちんと整列している。制服の下に着ていたのも早さの秘訣のひとつだがまだ秘訣はある。それは、『無言電話』を体育担当の岩山哲にかける。こうして時間を稼げては問題になり、授業がだんだんと削られ、なくなってしまうのもしばしば。(岩山先生はこういうのを最も許せないらしい)どうにか犯人を捕まえたいらしく授業なんて二の次だ。馬鹿だ。
だって犯人なんて
『居ないんだから』
肩の上までの髪がサラサラと揺れる。元々目つきが悪いせいか、ちょっと目があっただけで、その女子生徒も男子生徒も背筋を伸ばす。私が力をいれていないとこんな顔になることをもう解っているだろうに。
そんな中、一人で蒼い顔をしている現在のターゲット「だった」千秋はかすかに震えているようだった。
その姿はもう「人間不信」のようにも見える
私は両手をパンパンと叩いた。すると一斉にこちらに顔が向く。
千秋はビクっと肩を震わせ、恐る恐るこちらに向いた。
私は口角をクっとあげる
「ターゲット変更」
その瞬間、空気が変わった。だが千秋だけは別の顔。
「今度のターゲットは…」
早乙女も腕組をしながら聞いている。
「高塚杏奈」
一斉にその女のほうに皆顔を向ける。その当の本人は目を見開いて、「信じられない」と顔に露骨に表していた。茶髪のその長い髪を束ねてカラコンのせいで黄色かかった瞳の変わったその女。性格はまぁ…さほど悪くはない けど
「宜しくね、 下僕」
早乙女はクスっと笑って手を差し出した。恒例の「アレ」だ。
この手を握った瞬間、
再戦 ということになる。
でもその手を握らなければ どうなることぐらい
「 っ 」
解っている ハズだ。
ガシっ
お互いの手が交じった。