大人オリジナル小説
- 恋舞う夜 【モデルをいじめてみる。殺ってみる。】
- 日時: 2014/02/11 17:15
- 名前: クルミ ◆8DJG7S.Zq.
消える
1秒
たった1秒の出来事で
恋の実が
――ボトッ
と落ちる
手を緩めるだけで 消えていく
あたしの恋、また 消えていく
羽ばたいて 一緒になる前に 消えていく
今度こそ…
消えないで――――――
もう二度と 泣きたくないから
もう二度と 悲しい思いしたくないから
たとえ 失っても
あたしの胸にだけ 残ってればいいから
もう二度と 悲しい思いしたくないから
もう二度と 泣かないために
――――――
作者挨拶>>1
目次>>2
登場人物>>3
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- Re: 恋舞う夜 【ファッションモデル…いじめ】 ( No.4 )
- 日時: 2014/02/11 17:02
- 名前: クルミ ◆8DJG7S.Zq.
- 参照: http:// saya パス
「もう一度、お願いします」
「はーい。…ルリちゃん もうちょっとこっち目線ね〜」
カメラマンさんが言う
わたし、漆雫瑠璃 ルリって呼ばれてる。
モデルやってるんだ。 楜澤ルリって名前で
楜澤は 母方のおばあちゃんの名前で。この機会に使わせてもらってる
ティーンズファッション雑誌 ロゼ・ピンクに、ムーラン・ルージュや、BlackJewelryなどなど いろんな雑誌や テレビ番組に出させてもらってる
学校は休みがちになるけど 楽しいんだ!
「お、今のいいね」
フラッシュが光る。
「次 お願いしまーす。」
カメラマンが叫ぶ
「はーい。撮ります」
数回とると、画像を確認し OK合図をする
「次 ルリの番だよ〜」
奧の部屋から声がして あたしは立ち上がる
「はーい」
「じゃ 最後ねー。」
カメラマンが 何度か写真を撮ると
「終わりです」
と立ち上がる
『ありがとうございました!』
あたしたちは 全員 車に乗り込む
―――…ここは、高原。ちょっとした、見晴らしの良い場所。
モデルとして 服を撮影中。でもまた これから車で移動して 撮影します。
「みんなー♪! 寒いのに撮影?もう終わったの〜?」
車に乗り込むあたしたちの目前で、楽しげハッピーオーラのユウナ先輩が言った
この雑誌のモデルはクールビューティー&無愛想な人が多くて しゃべる人が居ない。大抵は このなかでは口上手のルリがしゃべって見過ごす
「そうです。終わりました。これから移動して また撮ります。先輩これから撮影ですか?」
あたしが訊くと、頷いた
「そうだよー! オレンジ・キャンディの撮影があるの。じゃーねー♪」
去っていくと、車の中で エレナが言った
「いっつもハッピーオーラだね。あの人。うちらの出てる雑誌のイメージと正反対」
その言葉に、らなも頷く
「そうね。オレンジ・キャンディは 明るい元気系の雑誌だもの 無縁よ。子供っぽ過ぎるわ。ルリの知り合い?」
そう言われて
「そうです。前に オレンジ・キャンディに出てたことがあって。イメージに合わないって見離されて 今の感じですけど」
そう言うと、前方で
「出発するわよ。エレナ、らな、ルリ 全員シートベルトしなさいよ」
『はい!!』
おしゃべりを辞めて、シートベルトを装着する。窓に額を押し付ける。
乗り物酔いしないように、とエレナが横で酔い止めを飲む。
忘れてた。わたしも飲まないと。
「次は、科学館の前 街中だけど 裏だから 人はいないわよ。科学館の丸いドーム型で、異世界感を出して 不思議な感じで撮影。最初はルリとエレナがひとりで一枚ずつ 次に ルリとらなが二人で撮影 最後に三人で撮影して終了ね」
ルリのチーフマネージャーの留美が運転しながら言うその横で、エレナのチーフマネージャーも言う
「あくまで主役は服よ。頑張って」
プルルル…プルルル
「あ、ルリじゃない?」
横で エレナが小突く
「あ、そうだ。」
後方の席にある鞄を引っ張りだし、中を探る。
ケータイ
「もしもし」
『あ、お姉ちゃん? やっほー!撮影中じゃなくて良かったぁ!来瞳だよー!。』
のんきな声が聞こえて ハッとなる
「五時に、媛恋高原?」
そう言うと、美夢も頷く
『そーだよ!あたしも skypoachの撮影でそっちに向かうから 一緒に帰ろーねぇー♪』
「分かった。ちょうど、留美さんの車が回らなかったから。うん、じゃーねー」
妹の来瞳も、モデルだ。
でも 来瞳は モデルよりも 小さいころからミュージカルをやっていて、オーディションなどに受かるたびに、大舞台で たくさんのお客様に、演劇を見せる
だから 歌も上手で、演技が得意で。話下手じゃない。
でも、だいたい、一緒になることはない。
イメージが違うから 雑誌も、全く違うイメージだから。
来瞳は今はなしている通り、元気なユウナ先輩側だけど わたしは、どちらかと言うと、エレナさん&らなさんパターンだ。
雑誌のイメージが違うから、同じ雑誌に居ることはない。
「あら・・いまの、来瞳ちゃん?」
らなに訊かれて、頷く
「そうです。」
「ユウナ先輩とかより 来瞳はしゃべりやすいものね」
ぼそっとエレナが言った
エレナもらなも、前に来瞳に会ったことがあるのだ。
「ルリ、生地が薄くて寒いだろうけど、最初の一枚、これで撮るから後ろで着替えて。使い捨てカイロも。」
服一式と、カイロももらう。
「そうだなぁ、夕方だと映りが良いんだけど この混みあいでつくかしらね・・あ、ルリ。汚しちゃだめよ!」
ルリのチーフマネージャーである、池松留美さん。
「はーい!」
車の後ろで こそこそっと着替える。
寒いのに夏服!みたいな薄着だから 何とかカイロで防ぐしかなく。
「さ、さむ…」
「あ、ルリ。これ羽織りな」
エレナさんから、シルバーのジャケットを渡され
「ありがとうございます!」
と受け取る。
わたしは 中学一年生
エレナさんやらなさんは そろって中学三年生
ユウナ先輩は 高校二年生
上には上が居て 少し愕然するけど、わたしはまだ、明日を考える。
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