大人オリジナル小説

黒歴史にしないための文章作法
日時: 2014/04/19 15:00
名前: TAKE

 シリアス・ダーク板に書いているものを、こちらにも転載しておきます。
 正しい文章作法を身につける事は、社会派小説の内容に説得力を持たせるために避けては通れないものです。

 こちらも作品の参考にして頂ければと思います。

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Re: 黒歴史にしないための文章作法 ( No.4 )
日時: 2014/04/19 15:27
名前: TAKE

4.擬音の取り扱いについて

 小説では、読者は文字だけの情報から音や映像、匂いなどを想像して楽しみます。
 ここで重要なのは、この時読者が使っている感覚は、五感の中では視覚のみであるということです。
 なので、文章の上では視覚の情報を文字に表し、適格に伝える必要があります。
 その他の感覚である聴覚、触覚、嗅覚、味覚は、文章の上では比喩(ひゆ)表現として表記する事が望ましいとされています。

 たとえば嗅覚ならば「ラベンダーのような匂い」
 たとえば触覚ならば「石のように固い」
 たとえば味覚ならば「はちみつのように甘い」

 このように、「〜のような」という言葉を後ろに付けたりして、文章の中で登場人物が感じ取っているものを別の言葉で置き換えることを、比喩表現といいます。

 それでは聴覚はどう表すのか?
 よくこのような表現をしている人がいます。


 彼は、彼女に向かって銃を構えた。そしてその直後……

 バンッ!

 彼はためらうことなく、彼女を撃った。


 長文の中でこのような一文が入ると、とたんに文章全体の雰囲気やリズムが崩れる感覚に陥ることがあります。
 その理由は、作中で流れている音を、読者に対して限定的に表現しているからです。

 匂いや味覚について、比喩を使うことなく表現する事はできません。触覚については、「グニャグニャ」や「ジャリジャリ」といった言葉を使うことはありますが、これは擬音の中でも“擬態語”と呼ばれるもので、音そのものではなく、物体や行動の「状態」を表す言葉です。
 これらの言葉は文章を書く上で、例文のように段落を分けて使うことはできないもので、例文にある銃声などは“擬声語”といいます。

 もちろん擬音を組み込む事は、ただの文章においては間違いではありません。しかし小説の場合は使い方を誤ると、読者に伝わりやすいように表現したつもりが、逆に読者を縛り付ける文章となってしまいます。
 前述の例文を、比喩表現を使って思いっきりシリアスな表現で書くと、次のようになります。


 彼は、彼女に向かって銃を構え、ためらうこと無くトリガーを引いた。
 みぞおちへ響くような銃声が、辺りに轟(とどろ)いた。


 このように、比喩表現を使うと音だけでなく、登場人物が立っている場所の広さや静けさなどの雰囲気も、同時に読者へ伝えることができます。

 小説の場合、視覚以外の表現では以上の点を抑えて、なるべく比喩表現を使うようにすれば、それだけで文章全体のレベルを上げることが出来ます。
 サスペンスやアクションなど、シリアスな表現が求められるジャンルを書かれている方は、参考にしてもらうと良いでしょう。

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