大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- ONEPIECE BL小説集 R18表現アリ ロー中心w
- 日時: 2015/07/21 20:38
- 名前: 緋朽葉
どうも、緋朽葉です(´∀`)/
ちなみに、これが初投稿のスレなので、これから頑張っていきたいと思います。
このスレは題名通りのスレです。トラファルガーとユースタス屋が中心のBL集。ロキド・キドロ中心小説ですね。他にもcpは気が向いたら書きます。
と、スレ名には書いていませんが、この小説はボカロの曲にそって物語を書いていきます。はい。「この曲で書いてほしい」というようなものがあったら、是非お願いします!全力で書かせていただきますので…!
そのくらいですかね。
では、お楽しみください!!
- Re: ONEPIECE BL小説集 R18表現アリ ロー中心w ( No.22 )
- 日時: 2015/07/31 01:32
- 名前: 緋朽葉
【ノスタルジックドリームガール】〜本当ノ王子様ヲ探シニ〜
「ううっ…」
ローは疲れ果てたように、キッドの服を握りしめる。
その姿は怯えているような、甘えているような、どれにでも捉えることができた。
キッドは先程までとは違い、ローをふわりと優しく包み込んだ。
「大丈夫かよ、トラファルガー…」
何も答えぬまま、ローはうつ向く。
彼には、もう誰の声も何の音も、耳に届くことはなかった。
スモーカーは、何をしてるだろうか。自分は勝手なことをして約束ですら破り、恋人がいるハズなのにこんなことをして。愛すべき恋人はの顔を知っている…。
「ううっ…!」
「さっきから、何したんだよ…?体調が悪いのか…?」
背中をさするキッドは、ローの顔を覗き込む。
顔色は決していいとは言えないが、一度に悪いとも言えなかった。
ただ、ローが思うのは、もう一人の王子様。
自分を誰よりも愛してくれ、いつも夢の中でお城に連れていってくれる王子様。
そんな王子様は、今はいない。
いや、いないのではなく、顔が分からない。
おれは、愛すべき恋人の顔を知っているハズなのにっ…!それなのに、思い出せない…!
どうして…?おれが、王子様に選ばれていないから…?
「なァ…ユースタス屋…」
ローはやっと口を開くと、キッドを見上げる。
少し驚いたような表情でローを見ると、抱きしめていた腕の力を緩めた。
「おれは…」
「誰を選べばいい…?」
白いブーケを投げ捨てて、神様に指名されたいんだ。
そうすれば、きっと。
「だ、誰って…どいつのことだよ。お前、おかしいぞ…?」
不信な顔付きのキッドは、ローの問いに戸惑うしかなかった。
その時。
「…ー…!」
雨の降りしきる中、外で誰かが叫ぶような声が聞こえた。
「聞こえたか、ユースタス屋…」
「あ、あァ…。一体…」
それでも、外の叫び声はここまで響いてきた。
「ー…!…こだ…!ー…っ!」
ピクリと、キッドが動く。
まるで野生の動物が何かを察知し、その何かを警戒するような。
ボソリとキッドが呟く。「スモーカーか…」と。
そんな彼は、緩めていたハズの腕に再び力を入れ、ローを強く抱きしめた。
「ゆ、ユースタス屋…?」
不思議だと言わんばかりに目を見開く。
「お前こそ…急にどうした…」
「おれは…お前が好きだ。だから、誰にも渡したくない。例えそれが、あの海軍の野郎だとしても、だ…」
消えそうになるその言葉は、かろうじてローの耳に届いた。
でも…。
「そう、か…」
「…悪い」
約束は守れない。
何処かの物語のように、午前零時に魔法がとけたり、硝子の靴を落として探し回ったり。
そんな、午前零時の約束を、おれは守ることはできないんだ。
「トラファルガー…っ」
いつの間にか、ローはキッドの腕から離れていた。
悲鳴じみたキッドの声が聞こえる。
「ユースタス屋…悪いな…」
顔を見せることはできない。
見せてしまえば、戻れなくなる。アイツのところに帰れなくなってしまう。
「待て…っ、その先は…!」
なァ、もういいだろう。
全てを吐き出してみたらどうだ?その方が楽になれるハズだろう。
その口で、おれに奥歯も凍るようなキスしてみろよ。
なァ、どうしてだろうな。
どうして愛すというものは、こんなに残酷で面白くて儚いものなのだろうか。
分かるか、ユースタス屋…?おれは、お前も好きだよ。でも、誰かに与えられるような硝子の靴は。
いらないんだ。
- Re: ONEPIECE BL小説集 R18表現アリ ( No.23 )
- 日時: 2015/07/31 17:00
- 名前: 緋朽葉
【ノスタルジックドリームガール】〜ソノ階段ヲ上レバ〜
飛び出した外の世界は、叩きつけるような雨が降りしきっていた。
髪も、衣服も何もかもが雨に濡らされ、顔や額に雨が伝う。
目の前ですらロクに見えないこの天気の中で、ローはたった一人の男を探す。
いろんな扉をくぐるように、たくさんの扉を開くように、傘をさしながら歩く生き物のような人混みをかき分ける。
「何処だ...!何処にいる...っ!!」
足がもつれ転んでしまっても、どんなに無様な醜態を晒してもいい。
「白猟屋っ...!!」
だから、
「おれは、ここにいる...っ!」
おれのことを見つけてくれ。
その目に咲くことは無いアネモネの花。一体誰がその花をつんでくれようか。
演目の無いサーカス。一体誰がそんなサーカスを見にいくというのか。
それでも、会いたい人がいる。
自分では、咲かせることも演じることもできないけれど、この瞳で想うことはできる。
「っハァ...ハァ...」
ローが人混みを抜けた先には、白い大きな建物が見えていた。
確かこれは...。
まるで城のような建造物は長い階段と共に、威風堂々とした姿で残されていた。
雨に濡れ、冷えた身体では何も感じるものはないが、ただ思うとしたら、これが最後の扉なのだろう。
この扉さえ抜ければ、きっとその先に。
ねぇ、ダリーン。ダーリン。
ドレスを舞い上げるように階段へと走り出す。
確かにこの目に写っているのだと実感し、走り出すまで、そう時間はかからなかった。
『とびきりの浮気をするの』
お菓子をヌケガケしようとする子供のように、怪盗が宝物を盗むように。
階段を一段一段と上がっていく。
「ロー...」
スモーカーは口を開いた。
口にくわえている葉巻は、もう濡れていて使い物にならない。
でも、もう今日でそんなものも必要ないだろう?
「なァ、白猟屋...嘘でいい。だから、本当のことを教えてくれ...」
自分が海賊だからとか、相手が海軍だからとか、そんなことはどうでもいい。
「お前は、こんなおれでも...」
「あァ。愛してやる...海賊、死の外科医トラファルガーロー...」
そう、おれに寄り添うメロディを、おれに寄り添うお前の声を、空駆ける電線に並べてくれ。
スモーカーがゆっくりと手を差し伸べる。
ローの目線は下から上へと上がっていき、その手を見た。
「白猟屋...」
でも。
どうしてだろうか。
やっと出会えたハズなのに、やっと探し出したハズなのに、
「お前の顔が見えない...」
例えば、愛する人が自分の追う側の人間で、愛する人が自分を追う側の人間だったら。
それでもいいと、手を差し伸べて、一緒に笑ってくれますか?
「おれは海軍だ...」
その独裁者は言う。
「今からお前を攫いに向かう」
硝子の靴を元にいつか探し当ててもらうよりは、自分で探した方がいいだろう?
それで、見つかって探し当てて、笑えるのなら。
残る階段はもう、数える程しかないのだろう?なら、手を伸ばせば届くハズだ。
ゆっくり、ゆっくりと。
重なろうとするその手は....。
- Re: ONEPIECE BL小説集 R18表現アリ ( No.24 )
- 日時: 2015/07/31 17:38
- 名前: 緋朽葉
【ノスタルジックドリームガール】〜エピローグ〜
重なろうとするその手は....。
離された。
何故?
「ッ...!?」
「ロー...!」
どんどんと遠のいていくその手は、もうどれだけ伸ばしても届かない。
気付けば、その逆の腕を誰かが引っ張っている感覚があった。
階段を転げ落ちるように、自分のいたハズの一段が崩れかけている。
「どうして...っ!ま、さか...」
横目で見えたのは、ニヤリと笑う、赤い髪を雨で濡らしそして滴らせている男。
「ユースタス屋...っ」
それに気付いた時にはもう遅い。
そう言いたげな顔で、キッドは自分の方へとローを引っ張った。
Hello...
なァ、白猟屋、城はまだそこに在るのか?
悲しみに表情が崩れ、また、求めていた手すら下ろしてしまう。
Hello...
「おれはここにいる」
- Re: ONEPIECE BL小説集 R18表現アリ ロー中心w ( No.25 )
- 日時: 2015/07/31 20:33
- 名前: 緋朽葉
『ノスタルジックドリームガール』、どうだったでしょうか?
曲の方の解釈どおりに進めてみました。
なんか、ふんわりとした表現ができなくて、すごい微妙な感じがしていますw
解釈するなら、なんですが…。
この曲では、黒ミクと青いくまの人形、それと普通のミクらしき三人の登場人物が出てきます。黒ミクの隣でくまの人形はクルクル回るシーンが最初にあるんですが、普通のミクがうっすらと出た瞬間に、ぱたりとくま人形は倒れてしまいます。で、そこから黒ミクは普通の青ミクに連れられて…。という感じで話は進んでいき、二番のサビ前で例の「ガラスのくつ」が出てきます。黒ミクは、あのくま人形のことを思い出して、「ガラスのくつなんか捨てちゃえば」と言い、走り出します。
…そして、ラストはエピローグどおりの結末です。
ちなみに、黒ミクがロー、青いくま人形がスモーカー、青ミクがキッドになっております。
顔が見えないと言っていたのは、どちらが自分の愛すべき人なのか迷っていたからだと、自分では解釈しておりますがw
それと!!
いつの間にか、閲覧が200越えてました!
ありがとうございます!
ということで、勝手なのですが、お祝いネタを書かせていただきます。
前のスレでも、100突破でやろうとしてましたので。
皆様ありがとうございました!そして、今後も宜しくお願いします!