大人二次小説(BLGL・二次15禁)

ONEPIECE BL小説集 R18表現アリ ロー中心w
日時: 2015/07/21 20:38
名前: 緋朽葉

どうも、緋朽葉です(´∀`)/
ちなみに、これが初投稿のスレなので、これから頑張っていきたいと思います。
このスレは題名通りのスレです。トラファルガーとユースタス屋が中心のBL集。ロキド・キドロ中心小説ですね。他にもcpは気が向いたら書きます。
と、スレ名には書いていませんが、この小説はボカロの曲にそって物語を書いていきます。はい。「この曲で書いてほしい」というようなものがあったら、是非お願いします!全力で書かせていただきますので…!

そのくらいですかね。

では、お楽しみください!!

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Re: ONEPIECE×ボカロ R18表現アリ ( No.18 )
日時: 2015/07/20 13:46
名前: 緋朽葉

【ノスタルジックドーリムガール】〜彼ノ理想ノ王子様ハ誰カ〜

ローはキッドと別れた後、自分の船に戻った。
「あ、船長。おかえりなさい」
「...あぁ」
甲板に上がると、そこには船員全員の洗濯物を干しているペンギンがいた。
せっせと仕事をしている姿を見ていると、話しはかけないほうがいいと悟る。
しかし、ペンギンは洗濯物を干しながらこっちを振り返った。
「船長、一つ聞いてもいいですか?」
自分の思惑とは違ったので、少々驚く。
「あ、あぁ。何だ?」
すると、ペンギンは急に顔を背けると、気まずそうに話した。
「夜中...出てくのは知ってるんですけど。一体こんな夜中に何してるんですか...?」
「...ッ!?」
的を得たような質問。
それは、先ほどのキッドのことやその前の事。そして、スモーカーとの関わりも彷彿とさせた。
冷や汗が背中を伝う。
「船長...?」
「そうだなァ...日によってやってることは変わるからな...。昨日だったら、ユ、ユースタス屋と朝まで飲んでた...」
キツイ嘘話で言葉を飾りながら誤魔化す。
なんか最近、誤魔化すこと多いな...。
そんなことを思いながら、冷や汗を流しつつ、いつもの無表情を保つ。
案の定、ペンギンはぱっと顔色を変え、「そうですか!」とあっさりと納得してしまった。
ローは胸を撫で下ろすと、甲板を後にして自分の部屋へ向かった。
「白猟屋に伝えねェと」
そして、自分は気付く。
いつの間にか、スモーカーではなくキッドとの約束を優先しているということに。
どうするべきかと迷っていると、電々虫がうるさく騒ぎ出した。
「誰だよ...こんな忙しい時に...」
ローは受話器を乱暴に取ると、それを耳に当てる。
「もしもし...」
『オイ...遅ェぞ。ロー』
「白猟屋...!」
電話越しには、イラついたような低い声で自分の名前を呼ぶ、愛人がいた。
「悪い...すぐに行く」
『チッ...後五分以内に戻って来い。じゃねェと...』
「あぁ!分かったと言ってるだろ!?それ以上は言うな!!」
ローはそう怒鳴ると受話器を乱暴に投げ捨て、服を着替えた。
黒い長袖に、いつも通りのジーンズ。
「刀...どうすっかな...」
ローは少し迷ったが、愛刀は船内に残しておくことにし、部屋を出た。
そこに、シャチとぶつかってしまう。
「うわぁ!?船長!どうしたんですか、そんな急いで!」
「いや、なんでもねェよ...そんなことより、悪かったな」
「あ...いえ...」
ローはそう言って駆け出した。
「キャプテン、何急いでんだろうねー」
「さァな。あ!もしかして、この島に滞在してる間に愛人できたとか!」
「オイ、シャチ。帰ってきたら、海のモズクにしてやるから待ってろよ?」
どうやらシャチの声はローにまでしっかり聞こえていたようで、ローは声の変化を一つも変えずに言い放った。
「まァ...あながち間違ってもねェがな」
ぽつりと誰も聞こえない声で呟くと、ローはスモーカーの元へ走っていった。

「...一体何してたんだよ」
不機嫌なスモーカーをどうにか抑え、ローは一通りの事を説明した。
ただし、キッドの事は除いて、だが。
「ほう...まァ、いい」
「いいんなら電話で脅すこともなかっただろうが!」
「お前はマイペースだからな。そんくらいしねェと急がねェだろう」
「フン...」
そして、スモーカーはローを自分のほうへ抱き寄せた。
力強く抱きしめられ、少し息が苦しくなるが、それを我慢しながらローは抱かれていた。
「なァ...今日は何するんだ...?」
「今日って、なんのことだ」
スモーカーは自分の腕に包まれているローを見ながら、「夜のことだよ」と呟いた。
その瞬間、ローの身体がビクリと跳ねる。
「...?どうした...」
「い、いや...今日の夜は...」
ローはキッドの言葉を思い出していた。
『今日の夜お前のとこにいくからな』
ローはペンギンと話していた時よりも冷や汗をながしており、今日の夜のことをボソリと呟いた。
「き、今日の夜は...ユースタス屋と...」
「...ユースタス?誰だ、そりゃ」
「あ、そいつはただのかい...怪人チューリップ野郎だ」
海賊と言い出しそうになるのをどうにか抑えると、ローは冷や汗をさらに流し続ける。
「怪人チューリップ野郎...?...その怪人と何をしてくんだ」
「何って...」
ローは言葉に詰まった。
酒を飲みに行くといってもきっと着いてくるだろうし、何よりそれ以外の言い訳が思いつかない。
しかし、スモーカーは溜め息をつくとローを離し、「行ってこいよ」と言った。
「何だ...前みたいに言及しねェのか?」
「もう、お前がマイペースだってことは分かってるからな。それに...夜の予定を今にずらしゃァいいんだ」
スモーカーは意地の悪い笑みを浮かべると、ローをベッドに押し倒した。
「うっ...!?」
「覚悟しとけよ。ロー」

時間は過ぎていく一方、約束の時間は刻々と近付いていた。
『とびきりの浮気をするの』
こんな楽しい時間を投げ出して行くのは、自分を愛する王子様の元。

Re: ONEPIECE×ボカロ R18表現アリ ( No.19 )
日時: 2015/07/20 23:17
名前: 緋朽葉

【ノスタルジックドリームガール】〜彼ノ理想ノ王子様ハ誰カ〜

「んっ…はぁっ…白猟、屋っ…!!」
「どうした?ロー…」
ベッドの上で馬乗りにされているローは、腕で顔を隠しながら言った。
「もうっ…そろそろ…約束の時間なんだが…っ…」
スモーカーは視線を、ローから時計の方へと移し変える。
時刻は午後10:43。キッドとの約束まで、あと16分ほど残っていた。
スモーカーは再び視線をローへと戻すと、顔を近付け頬に軽く口付けをする。
「んっ…!」
ローは微かに体をよじらせると、スモーカーの両手によって拘束されている手を上へと押し上げた。
「…?」
「もう…いいだろっ…?早くしねェと、間に合わなくなる…」
「…そう、か」
ユルリと、拘束されていた両手の力が緩んだ。
ローはその解放された両手を使いながら起き上がると、隣にある机に乱暴に脱ぎ捨ててある服を着た。
スモーカーはじっとそれを見ていると、ドアが叩かれる音を耳に入れる。
「オイ、来たんじゃねェのか?」
「あ…?まだ早いだろうが…あのバカ」
ハァと溜め息をつきながらも、ドアノブに手をかけ、ゆっくりと開けてやる。
やはり、そこには案の定、赤い髪を逆立てたユースタス・キッドが立っていた。
ローは不満げな顔付きでキッドを見る。
「まだあと10分もあるんだが…?」
不満を漏らすと、キッドは「知るかよ」という一言で一掃した。
「つーか、何でおれがここにいると分かった?」
「あ?そりゃ、お前が…。…おれの勘だ」
「勘でここに辿り着けるもんなのかよ」
何やら計画された話し方のような、嘘臭い会話が流れる。
スモーカーはそっと影で二人の話を聞いていた。
「アイツが…ユースタス?」
腕を組ながら、壁にもたれかかると、窓の外を見た。
漆黒に染まった夜空に、小さな星ヶが白を強調しながら点滅している。時折雲から逃れられた月が顔を出し、この部屋に光を与えた。
こんな夜には、王子様が月夜にさらされながら自分の愛する者を奪いに来そうだ。
まさか、目の前のローと話している者がその王子様だとは知らずに、ただただ夜空を見上げる、スモーカー。
「ここで立ち話してんのもアレだからな、さっさと行くぞ」
「え、あ。あァ…」
そして、二人の会話の終わりに気付き、はっとした表情でローを見た。
「白猟屋…」
そう口が動いたのが分かった。
まるで、自分を気遣うような目に、今自分はどんな顔をしているのだろうと想像する。
それに対してローは、寂しげな表情でこちらを見る愛人に声をかけようとする。
しかし、キッドに手を引かれ、ローはおとぎの国の世界に強引に連れて行かれた。


「トラファルガー…お前、あのスモーカーってヤツと、ヤってたろ」
「ッ…」
「何とか言ってみろよ」
キッドの海賊船に連れていかれたローは、キッドの部屋にて壁際に押し倒されていた。
「だから何だ…お前だって、おれで何度弄んだと思ってんだ…」
「さァな…?」
キッドはそうとぼけるフリをして、ローの着ている服をめくる。
「ッ…!」
「ほら、そうやって誘うからよ…」
「誘ってなんかっ…!」
キッドは、まるでドレスを舞い上げるかのようにローの服を脱ぎ取る。
「あっ…!?」
「…好きだ。トラファルガー…」
そう言いながら、ローのハダカを抱き上げるキッド。
王子様は愛する相手にそっと口付けをすると、その相手は愛しそうな顔で王子様を見つめた。
「はっ…好きだって…?お前も落ちたモンだな」
「海軍のヤツと付き合いしてるお前に言われたくねェ」
キッドは片手でローの顔を撫でてやると、その手で今度は髪の毛を撫でてやる。
「ユースタス屋っ…焦れったい…」
「そりゃあ、悪かったな」
意地の悪い笑みを浮かべると、そっと夢の中へ足を踏み込んだ。

『今から、とびきりの浮気をするの』
誰かに指名されるような、処方箋なんて、いらない。
ただ、愛に溺れるようなそんな夢も好きではない。
でも、思うのは、夢の中でいつも自分を抱きしめている王子様の顔が。

見えない。

Re: ONEPIECE BL小説集 R18表現アリ ロー中心w ( No.20 )
日時: 2015/07/24 02:04
名前: 緋朽葉

【ノスタルジックドリームガール】〜本当ノ王子様ヲ探シニ〜

暗い部屋の中。
時折月光の光が差し込み、抱き合う二人を映し出す。
キッドは舌を出すと、そっと撫でるように、ローの耳の裏をなぞった。
「ッ…!!」
体をよじらせるローは、思わず、掴んでいたキッドの服をさらに強く握った。
それを見過ごさなかったキッドは、嬉しそうに顔を綻ばせる。
「敏感なヤツだな…」
「うる、せェ…な…っ」
「強がってんじゃねェよ、トラファルガー。そんなに焦らされんのが、たまんねェのか?」
「あァ…?消す、ぞ…テメェっ…!」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべるキッドに、必死そうな顔付きでキッドを睨み付けるロー。
月夜の光はなおも、二人を照らし出す。
まるで、おとぎ話の王子様とその恋人のように。
しかし、その恋人には王子様の顔が見えていなかった。

自分ノ本当ノ王子様ハ誰…?

「なァ、トラファルガー…」
「ハァッ…何、だよ…さっさと、言えっ…!」
ローはろれつの回りにくいその口で、精一杯の声を出す。
最も、その声は幼児のはしゃぎ声には完全にかき消されてしまう程の小ささだったが。
キッドは囁くような声で、言葉をぶつけた。
「お前の…本当に好きなヤツは、誰だ?」
「本当に、好きなヤツ…?だと…?」
そこから沈黙が作り出され、何の音もしないまま、数分が流れる。
やっとのことで、ローが口を開いた。
「んなこと…知るか…。おれと白猟屋は、たまたま…バーで会っただけだ、からな…」
「にしちゃァよ、随分と愛し合ってるよなァ?二人ともよォ…」
その言葉にローのこめかみには、青い筋が入った。
普段のローなら、こんな安い挑発には乗らないだろうが、今は状況が全く違う。
ローは先程とはうって違った表情で、キッドを見つめた。
「オイ…ユースタス屋…。おれにこんなことさせといて、ただで済むと思ってんのか…?」
「トラファルガー…?」
「気安くおれの名前を呼ぶな…!」
荒々しいその声は、ロー自身ですら、驚きを覚える程だった。
キッドは驚嘆の表情を浮かべていたが、すぐさま表情を笑みに戻すと、ローに向かって笑い返した。
「そう言うんなら…いいんだよな…?」
「…好きにしろ」
自分でも、何故そんな言葉を言ってしまったのかですら分からない程に、ローは内心混乱していた。
もう、彼を止めることは出来ない。自分も、きっとブレーキは踏まないだろう。
見得でさえ、勝手に走っていってしまうから。
「もう、遅ェからな…」
キッドはそう言うと、ローの背筋をくすぐる。
触れられるのに敏感なローは、あっけなく感じてしまう。
「んあっ…ああっ…!」
「ククッ…本当に面白いくれェに反応してくれんなァ」
まるで楽しむが如く、キッドはさらに続けた。
「ああっ!…ハァッ…!んんっ…!!」
自分がどんな声を出しているかも確認すらできず、ローは悔しそうに唇を噛んだ。
「あぅっ…あっ、ヤバ、い…!ハァッ…」
「あァ…?どうした…?」
ほんの些細な程の声を聞き取ったキッドは、少しだけ顔を離す。
ローの顔は真っ赤に染まっていた。
「…?何、顔真っ赤にしてんだ…?」
「なっ…何でもねェよ…っ!こっち見んなっ…!!」
ローは慌てて視線を反らすが、声を出した時点で遅く、キッドはニヤリと笑った。
「もしかして、もう濡れたのか?」
「ッ!!」
「図星、だろ?」
さらに言葉で攻めてくるキッドに、ローは成す術を無くしていた。
「何とか言ってみろよ…ほら」
「くっ…!!」
キッドはローの背中に回していた手をゆっくりとほどくと、ローの下半身に手を入れる。
気持ち悪い水音が聞こえ、思わずローはビクッと身体を揺らした。
「なんだよ…濡れてんじゃねェか」
「ちょっ…触ん、なっ!バカタス、屋っ…!」
しかし、その言葉は逆にキッドを刺激させることになった。
「そんな口叩いてもいいのか…?トラファルガーさんよォ…」
キッドはそう言うと、一気にローを押し倒し、ジーンズを脱がせる。
脱がせさせまいと抵抗するローだったが、力の抜けている今では、少しの抵抗にもならなかった。…力が抜けていようがいまいが、きっとキッドの方が力は勝っていただろうが。
「ひっ…!」
「そういう声出されると、マジで理性飛ぶわ」
ボソリと呟くように話す。
「何…!言って、んだ…よっ…!」
「…何でもねェさ」
キッドは自分のソレをローに当てがった。
「うあっ!?…あっ…いっ…!?」
ローは激しい痛みに耐えようと、奥歯を噛みしめる。
それを見たキッドが、四つん這いの状態でローに問いかけた。
「痛いのか…?確かにっ…少しキツい…が」
「るっせェ…!!気ィ…使ってんじゃ、ね、ェよっ…!」
何を言っているのか分からなくなる程、息がまばらになる。
「ハァッ…!ああっ…!んあ…あ…!」
「力抜けよ…バカ。力入れてるからっ…」
「何にもっ…!言う、なァ…!!」
変に間延びする声。
それが、キッドの理性をぶち切れ寸前まで追い込んだ。
「トラファルガー…」
「ハァッ…!あぁ…っん…!いっ…ッ…!!」
「好きだっ…」
そっと耳元で呟くと、ローはそれに反応するかの用にビクンと身体をよじらせた。

Re: ONEPIECE BL小説集 R18表現アリ ロー中心w ( No.21 )
日時: 2015/07/31 00:35
名前: 緋朽葉

【ノスタルジックドリームガール】〜本当ノ王子様ヲ探シニ〜

胎内に溶けたヘロイン。
白濁色の液体が、二人を汚す。
絡む脚の並び。
滲む汗が二人の体温を分ける。
あぁ、なんて。なんて、無様なんだろうか。あの、死の外科医と破壊の申し子が、まるで愛し合うかのように。
そんな世界像は、ゆっくりと彼の世界を滲ませる。

その頃、一方のスモーカーはというと。
「ユースタス・キッド…何処かで聞いた名前だな…」
椅子に深く座りながら、葉巻を吸っていた。
しかも、その葉巻の量が尋常ではなかった。
ストレスを表面に表すが如く積み上げられた灰は、いっこうに治まりそうにもない。
スモーカーはおもむろに机の引き出しを開けると、一枚の報告書を引っ張り出した。
「…」
そこには、『最悪の世代の始まり』と題された報告内容がずらりと書かれている。
実のことを言うと、スモーカーはまだこの報告書を目に入れていなかった。
理由はというと、大体のことは察することができるだろう。
そう、この報告書を渡された日は、ちょうどローと初めて出会った日なのだから。
そこには、スモーカーが目の敵にする『モンキー・D・ルフィ』の名前は勿論、その仲間の『ロロノア・ゾロ』の名前が載っていた。
「…!」
そして、次に目に入ったのは、『ユースタス・キッド』の名前。
「アイツっ…海賊か…!!」
スモーカーの吸っていた葉巻が、一気に灰へと変わる。
「ローのヤツ…!それを知ってて誤魔化したのか…っ!」
沸き上がってきたのは、怒りに嫉妬、劣等感。
それに気付くことのできなかった自分に、海賊などと愛し合う自分の恋人。どちらが正解で、どちらが間違いか、などは決めることができないのは、分かっている。
それでも、スモーカーはローのことが…。
しかし、そんな淡い希望も、次の瞬間打ち砕かれる。
「『死の外科医、トラファルガー・ロー』…?」
そこには、愛すべき自分の恋人の名。
固い石を上から落とされたような感覚に襲われる。
「な、なんだよ…これ。なんで、アイツの名前がっ…?」
そんなことは決まっている。
ローも、海賊だということだ。
「ッ…!!クソッ…どいつもこいつも…っ!」
スモーカーは握りしめた拳で、思いきり机を叩いた。
両の拳が熱を伴い、それに続くように痛みが走る。
「ロー…」
でも、
「なァ…お前は…」
それでも、
「おれのことが、好きか…?」
スモーカーはまだ、諦めきれなかった。

雨が降りしきる中、走る。
叩きつけるような雨にも負けずに、今夜、貴方の脳裏を過ぎ去りに行こう。
まるで、波に浚われるように。
ねぇ。


見えない、王子様は、一体誰なのか。
その硝子の靴を手渡すアナタは、本当におれの王子様なのか。
顔を見せてよ。
それでも顔は見えぬままに、誰も答えてはくれずに。
鎖のように絡み合う愛は、深く根を下ろしていく。


王子に恋人よ、そんな足もつかない世界では、本当の者に辿り着けはしないだろう?
ならば、この傘を貸そうか。

ふわりと傘に掴まって、堕ちた星屑を探しにいこう。

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