大人二次小説(BLGL・二次15禁)

【カゲプロ】カノシンばっかり【シンタロー総受け】
日時: 2021/01/19 00:33
名前: デイズ

スレ名変えました!
他CPも一応あるけど、カノシン絡んでるもんね。

※注意※
◆1つ1つが長文だから結構読みにくいと思います。
◆残念ながら、文才は持ち合わせておりません。
◆カノシンだけです。
◆長編すぎる。
◆たまに誤字脱字して気付いても直しません。(めんどくs(((( )
◆私の好きなシチュエーションです。

以上が大丈夫な方のみ、どうぞ!
リクエストなどありましたらシンタロー総受けなら大概受け付けます!
よろしくお願いいたします!

* * *
とりあえず、完結したものや制作中のもの▽

★…完結していないよ! 
▽…更新停止中

カノシン/告白 >>1
カノシンセト/ 争奪戦:設定 >>2 :本編>>3-12
カノシン&モブシン/ストーカー :設定>>20 :本編>>21-39
シンタロー総受け/けもみみ:設定>>41 :本編>>52
▽カノシンまとめ(?)/奇病:設定>>64 【花吐き病】>>69
カノシン/フェラ:設定>>95 :本編>>96
カノシンセト/腐男子タロー:設定>>165 :本編>>166
カノシン/初心な2人(初夜未経験):本編>>243



[番外編]
カノシンコノ/クリスマス:>>80
カノシンエネ/節分:>>127
カノシン/にゃんにゃんにゃんの日:>>144
カノシン/ひな祭り(耳の日):>>153
カノシン/カノシン(3/7)の日!!:>>156

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Re: 【カゲプロ】カノシンばっかり【シンタロー総受け】 ( No.191 )
日時: 2018/08/10 08:46
名前: デイズ

Said : カノ

最初の内は皆急ぎ足だったけども、段々と焦りが生じて足も自然に速くなっていき、いつの間にか駆け出していた。そのおかげで、病院に着いた時にマリーがバテちゃって、セトが付いて取り敢えずソファで休ませることに。
僕とキドはぐるぐると周りを見渡して、キサラギちゃんとエネちゃんを探した。
でも、きっと病室の方にいるだろうって事になって、一旦ここで待つことにした。その間、キドが受付の人に聞いて、病室を聞き出しているっぽかった。

僕らは貧乏揺すりをしたり、そわそわとあっちこっちに目をやったりして落ち着かない気持ちをなんとか押さえようとしていた。
シンタロー君に何が起きたか分からないけど、きっと大丈夫。弱いし引きこもりだしニートだけど、芯の方は強いからきっと、きっと大丈夫。というか、そうであって欲しい。

1秒過ぎるのが遅い。少しずつ時間が進んでいくのをみると、段々不安になっていく。なんで、こんなに長いんだろう。もしかして、悪い事が起きたんじゃ。
有らぬ妄想に捕らわれ、そんなことはないと掻き消しても逆に色濃くなるばかり。
シンタロー君、無事であって。

「病室が分かった。行くぞ。」

キドがそういうと皆立ち上がった。マリーは大丈夫かとキドが聞くと、マリーは「シンタローに比べたら平気!」とやせ我慢をしているぽかった。
キドは「あまり無理はするなよ。」というと、直ぐにエレベーターのボタンを押し、3階のボタンを押した。

3階につくと、受付の近くにキサラギちゃんと黒髪の女の人が座っているのが見えた。キサラギちゃんがその女の人の肩を持っているから、きっと母親なんだろう。
僕らは直ぐに近寄り、キサラギちゃんに声をかける。

「あ、団長さん、カノさん、セトさん、マリーちゃん……。」

キサラギちゃんは僕らに気付き顔を上げた。俯いてたからよくわからなかったけど、顔には涙の痕がくっきりと残っていた。
それに隣の女の人が泣いている。

これだけで十分理解した。
シンタロー君に大変な事が起きたんだって。

キサラギちゃんは、隣の人が母だというと一言二言いって僕らを少し遠くの方へ連れていった。

「キサラギちゃん、一体何があったの。」

僕が聞くと、キサラギちゃんは悲しそうに目を伏せた。また涙が溜まってきているのか、目が潤み始めている。

『……私が代わりに話しましょうか?妹さん。』

キサラギちゃんのポケットからそんな声がして、キサラギちゃんはうん……と小さくいうと、ポケットから自分のスマホを取りだし画面を見せてきた。
そこには、泣いてはいないものの悲しそうな表情をしたエネちゃんがいた。

『……ご主人は、倒れました。それは皆さんが知っていことだと思います。』

静かに淡々と事実だけを告げるような口調。それほどのショックだったのだろうか。

『ただの貧血だと思ったんです。しょっちゅう意識を失うので。でも、今回だけは……少し、違って……』

エネちゃんの声が少し詰まる。言いにくそうに顔を歪めている。

『……ご主人、倒れ方がおかしくて。足から急にガクンッと膝カックンされるように倒れて。しかも、腕を使わないで、顔から正面にぶつかったんです。これには流石に驚いて、直ぐに救急車を呼びました。』

確かに、その倒れ方はおかしい。貧血を起こしても、そんなことはきっと起きない。ふらっとするだろうけども、顔から正面にぶつかるなんて。
エネちゃんは少し視線を逸らす。

『今先程、結果と意識も戻りご主人の様子を見に行ったんです。ご主人は特に何もなくて、元気そうでした。モモ、エネ心配かけてごめんな……って。』

それを聞いて、僕らは少しホッとした。意識は戻っているし、元気そうならそんなに問題はないかもしれない。
安心した空気が流れるが、キサラギちゃんとエネちゃんの表情が暗いままなのは気になった。

『ですが、ご主人はお母様を指差して言ったんです。……あなた、誰ですか?……って』

それを聞いて僕らの空気は凍りつく。
自分の母親にあなた誰ですか?……って、どういうことだろう。

『ご主人、わざとじゃなくて本当にそう言っていて。お母様のことを少しも覚えていないみたいでした。……確認してみたら、メカクシ団のメンバー以外全員忘れています。』

記憶喪失。
それは分かっているけど、なぜ全部を忘れていないのだろう。
なぜ僕らだけは覚えているのだろう。不思議だった。

『宝石涙記憶喪失病……ご主人は、奇病にかかっていました。』

そこの見えない深い穴に落とされたような気分だった。



続き>>192

Re: 【カゲプロ】カノシンばっかり【シンタロー総受け】 ( No.192 )
日時: 2018/08/14 09:22
名前: デイズ

Said : カノ

エネちゃんがご主人に顔を見せてください。というので、僕らはシンタロー君の病室へと向かった。その間、誰も喋らなくて張りつめた空気だけが漂っていた。

シンタロー君が奇病にかかっていたこと。
その前兆に誰も気づけなかったこと。
そして、宝石……なんとかかんとかはどういう病気かということ。

僕のなかで3つの疑問が頭の中で渦をまき、ぐるぐると回っている。

「カノ、着いたっすよ。」
「え、……ああ、そうだね。」

セトが小声でボソッと言ってくれた。そのおかげで、なんとか通りすぎずにすんだ。
考え事をしていたらそちらに意識が行って、周りの事が見えなくなってしまっていた。セトには感謝しなくちゃな。

キドが先頭を歩いていたので、病室のドアノブに手を置き、そして軽く握った。
が、その後の扉を開けるという行程にはなかなか入らない。ずっと、掴んだままの状態でフリーズしているのだ。

「キド、どうしたの?」
「ははっ……マリー、団長なのに情けないよな。なんだか、いろんなあり得ない想像ばかりが頭を過って、怖くて堪らないんだ。」

マリーが心配して声をかけると、キドは無理に笑いながらそう言った。よく見ると、キドの手はカタカタと小刻みに揺れている。
とても分かるから、なんだか黙ってしまう。その場はシーンと静まりかえってしまった。

「……覚悟を決めよう。もう、行くぞ。」

キドがそう言い、ふーっと息を吐いた。
ドアノブを掴んでいない方の手を拳で握りこみ、そのまま勢いに任せて扉を開いた。
ここの病室は個人だ。きっと、シンタロー君が奇病だから他の患者への感染のリスクを考えてなんだろう。

「シンタロー、元気そうじゃないか!」

キドが少し大袈裟なように思える演技をした。
あーあ、それじゃあバレちゃうよ。

「本当っす。心配してたんすよ。」

キドに対してセトは意外と普通。あんまり違和感がない。
きっと、バイトで接客業をしてるからかな?

「ほんとによかったよぉ〜!心配したぁ!」

マリーは半泣きになりながらそういう。
うん、この様子なら演技じゃなくて本心だ。

「ほんと、心配したよ〜。僕のシンタロー君。」

そう言って僕はシンタロー君の横に行って、肩の辺りをぎゅっと抱く。
大分滑らかだったと思う。それに、僕は嘘が得意なんだから。

「……。」

皆が話しかけたのに、シンタロー君は返事もしない。流石におかしいなって雰囲気が流れ始めた。
今のところ、僕が一番シンタロー君に近いので、よく観察してみることに。シンタロー君の目は虚ろでどこをとらえているのか分からない。口はなにかの形に動いてはいるが、言葉として発されていない。

……どうしたの、シンタロー君。


誰もが、シンタロー君のこの様子に絶望の思いにかられていた。


続き>>193

Re: 【カゲプロ】カノシンばっかり【シンタロー総受け】 ( No.193 )
日時: 2018/08/17 20:28
名前: デイズ

Said : カノ

「あっ、あれっ?!なんで皆いるんだ?というか、カノ抱きつくんじゃねぇ!!」
「わぁ〜ん、シンタロー君のいけずぅ〜!」

即興でシンタロー君に合わせたけど、正直内心では驚いていた。
あんなに不穏な感じだったのに、今は一転して何時も通り。それが、なんだか怖かった。

だって、それが病気の影響かもしれなかったから。


そのあと僕らは他愛のない会話をした。
大したことないのに見舞い来てくれてありがとな。とか、モモとエネに助かった。とか、ヒビヤとコノハも来ないのかな。とかそんな話。

それでも、自分の母について触れることは1回もなかった。
本当に忘れてしまうんだ。きれいさっぱり、その人の存在すらも。

自分で忘れた事にすらも気付かずに。
いずれ、メカクシ団の事、妹の事、恋人である僕の事もきれいさっぱり、忘れてしまうかもしれない。

僕らは変わりの無いことに安心しつつ、その病気がどのようにしてシンタロー君を蝕んでいっているのかについてばかり気にしていた。
どんな病気?どんな症状?どんな治療法?どんな対処をすればいい?

しかし奇病だから、そのような詳しいことなんて分からないだろう。
特に、治寮法。ほぼ壊滅的だろう。
一体どうすればいいんだろう。にこやかに喋りながら、僕の頭の中はぐるぐるといろんな感情が渦巻いていた。

「じゃあ、俺達は帰るな。お大事に。」

キドがそう言うと僕らは口々にバイバイとか大事にねとかまた明日とか言いながら病室を出ていった。
これで暫くは来なくても少しは覚えているだろう。
多分だけど。

病室をでて、僕は思いきってキドにいってみた。

「僕、シンタロー君の近くにいたい。」

そう言うとキドは朝に渡したあの重たいバックを僕に投げてきた。
重たいので、受け止めるときに胸に思いきり当たり咳き込んでしまう。
キドは特に気にすることもなく続ける。

「それは、シンタローの服じゃない。お前の服だ。そう言うと思って、先に用意したんだよ。」

流石キド。僕らの事はよくわかっているみたいだ。
そう言うところは本当に気遣いが凄い。

キドはポカンと見つめる僕を見て笑う。

「そんな顔をするな。ホラ、さっさと行ってやれ。」

僕は軽い返事をすると、荷物を持って階段をかけ上がった。3階だし、エレベーターを待つのは時間がかかるから。
どうか、どうか、治って欲しい。元気になってまたあの時みたいに笑い合いたい。

いつの間にか病室の前に付き、僕は思い切り扉を開いた。




続き>>194

Re: 【カゲプロ】カノシンばっかり【シンタロー総受け】 ( No.194 )
日時: 2018/08/21 23:16
名前: デイズ

Said : カノ

「おわっ?!カノかよ、ビックリした……。」

扉を開けたら急すぎてビックリしちゃったみたい。変な声出たのが恥ずかしいのか、少し顔を赤らめて口を手で押さえている。

「で、なんだよ?忘れ物でもしたか?」

少し不機嫌そうに言う。
なんでそんなに不機嫌そうなのさ。それでも、少し拗ねたような君の表情に釘付けになって、不満なんかどっかへ飛んでいってしまう。

「違う違う!別の事!」
「あ?じゃあ、モモからの伝言とか?」
「んん〜、もっと違う!」
「はぁ?!じゃあ、なんなんだよ……。」

キブアップを意味するかのように、両手を軽く挙げるシンタロー君。
なんだ、当てられるかと思ったのに。

持っていた手提げ鞄を前の方へ持っていき、肩の高さまで上げる。

「じゃっじゃーん!答えはこれだよ、これ!」
「はぁ?」

そうやっても、意味が分からないというみたいに顔を歪ませるシンタロー君。
あれ、可笑しいな。もう、分かるかなって思ったのに。

……やっぱり病気が関係しているのかな?

「分かんないの?お泊まりだよ、お泊まり!」
「え……?」

シンタロー君は呆気にとられポカンとしている。
あれ……、思ったのと違う反応。照れるか、怒るかどっちかだと思ったのに。

シンタロー君は驚きを隠さないまま口を開いた。

「お前……、病院から許可とったのか?」
「あ。」

シンタロー君と同じ場所に居れる、同じ時間を過ごす事ができると舞い上がってたら、1番大事な事を忘れていた。
そうだ、泊まるというものより前に、許可を貰わないと泊まる事は出来ない。

僕が困ったように微笑むとシンタロー君は呆れたようにため息を吐いた。

「なら、早く貰ってこい。たくっ、お前はいつも大事な事を忘れるんだから。」
「あはは、ごめん。」

そんなことを言っていると、僕のポケットに入れていた携帯から着信音がなった。
この着信音はメールだ。
携帯を取りだし、画面を開く。メールはキドかららしい。なんの、要件だろう?

メール画面を開いてみると、キドから『病院側からは許可は貰ってる。お前の事だからしてないんだろう?』という短い文章が送られていた。
なんか、ありがたいのとなんでもお見通しな事に少し恥ずかしさを覚えた。

取り敢えず『ありがとう、助かった。』と返信しておいた。

「もう、貰ってたみたい。」
「そうか。じゃあ、お前はどこで寝るんだ。ベットはオレの使っているのだけだぞ。」
「いいよ。君と一緒に寝るから。」
「は……っ?!」
「冗談冗談、そこのソファで寝るよ。」
「……おまっ!」

照れて真っ赤になるシンタロー君をスルーして、荷物に手をつけた。
実際は一緒に寝たかったし、君も満更でも無さそうな顔してたから良さそうだとは思ったけどね。

それでも、男二人じゃこのベットは狭いし。病人だからちゃんと休んで貰いたい。


簡単な整理も終わったので、何かをしよう。
お話でもしようかな?スマホゲームするとか?あとは……、なにがあるかな?

そんな事を考えているとガラリと扉が開く気配がした。
僕は驚いてパッと振り返った。

続き>>195

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