大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 【SERVAMP】弱ネズミちゃんは愛されてる
- 日時: 2018/10/31 18:59
- 名前: カイ
ここではロウレス受けの話(主にエロ)をたくさん書いていこうと思います。
いや、だってロウレス受け少なくないですか?
書いてる人はいるけど他のと比べると少なくないですか?
「だったらもう自給自足しか残された道がねえ」と思ったので作りました。
そうです。皆さんご存じ衝動書きです←
後悔も反省もしてないですよ←
前書きはこのくらいにしておいて……
【注意事項】
*文才?幼少期に落としたっきり見つかってないです
*リアルが多忙なため低浮上
*キャラ崩壊はお友達(しないようには頑張ります)
*マイナーCP多々ある。というか全てこちらの好みでやっています。
などなど、色々ありますので、何でも許せる人向けです。
リクエストは、時間のある日に募集しようと思います。
アドバイスとかくれると嬉しいです(´ω`*)
- Re: 【SERVAMP】弱ネズミちゃんは愛されてる ( No.6 )
- 日時: 2018/11/04 11:10
- 名前: カイ
「んっ、ふぅ……んっ」
ロウレスは閉じていた口を少し開き、リヒトの舌を招き入れる。そして自ら、彼の舌に自身の舌絡ませた。積極的になったロウレスを見てリヒトは心の中でほくそ笑む。そのままロウレスを起き上がらせ、膝の上に乗せると、腰をグッと引き寄せ更に密着した状態になった。
歯列をなぞり上顎を舐める。深いキスが気持ちよくてロウレスはリヒトのパーカーを軽く引っ張り、『もっと』とねだったのだ。リヒトはそれに応えるように更に深く、深く互いを求めるように口付けを続けた。
続けながらロウレスの尻尾を弄っていく。ロウレスはビクリと体を震わすと服を掴む力を強くする。そんな様子を見たリヒトは彼から口を離した。
「あっ、はぁ、んっ、りひとぉ……」
「気持ちいいかハイド?」
リヒトが珍しく、動物に向けるような優しい声でロウレスに問いかける。ロウレスはだらしなく口を開け銀色の糸を垂らしていた。そしてコクコクと頷く。その姿を満足げに見るリヒトは更に激しく尻尾を上下に擦った。
「あんっ! りひとっ、イっちゃ、イっちゃうっ……」
「イけよ。見ててやるから」
そう言ってリヒトは根本を抉る。ロウレスは声を発さずに腰を震わして白液を散らした。ガクガクと脚を痙攣させているロウレス。仕方ない。軽くも含めるともう彼は今日で四回もイってるのだ。本来ならもう限界の筈だが、薬のせいで彼のモノには既に熱が溜まっていた。
「ひあっ?! り、リヒト?!」
しかし、余韻に浸かっているロウレスを他所に、リヒトは彼の後孔をまさぐってきたのだ。ロウレスの出した液を掬い、ローション変わりに彼の後ろに塗る。そのまま指を一本沈めた。
「あっ、りひと……っ」
後ろだけでも感じてしまうように開発されたロウレスは、熱い吐息を漏らしながらリヒトの首に腕を回す。そのままリヒトの腹に反応を示している自身を押し当てた。
「ま、えも……いじって……?」
雄を誘うような声色で耳元で囁く。妖艶なその姿にリヒトの腰が疼いた。しかし、今のリヒトはロウレスの望み通りにして乱れさせたいと思うよりも、ギリギリまで焦らして、グズグズにさせて、自分のことしか考えられなくなるほどめちゃくちゃにしたいという欲望の方が強かった。これでもロウレスを大事にしたいという思いはあるのだが、なにせリヒトは強欲なのだ。自分の見たいものの為に動く。だから彼はこのロウレスの望みに応えなかった。
「お前は後ろだけでもイけるだろ」
「はひっ!?」
そう言うとリヒトはロウレスが一番感じる部分、前立腺を擦った。先程までわざと外されていた部分が勢いよく弄られ我慢ならずロウレスは射精する。
「あっ、あぁ、ひぁっ、あんっ、あぁあ!」
射精してるのにも関わらずリヒトの指の動きは止まらない。しかももう一本指を追加してきた。
「ここがイイんだろ? エロネズ……いや、エロ犬か」
グリグリとリヒトは二本の指で前立腺を押し潰す。そんなことをされれば、ロウレスはもう喘ぐことしかできない。いや、媚薬のせいで発情している彼は、ただただ快楽を求めることしか出来なかった。
女のように声を出すロウレス。もう彼はイきっぱなしに近い状態だった。それなのに、まだねだってしまう。
「あひっ、りひとっ、いいっ! きもちいいっ! もっと、もっとやってぇ!!」
まるで「お望み通りに」と言うようにリヒトはグリュンッとナカをかき混ぜる。そしてロウレスはその刺激に悦ぶように声をあげるのだった。
* * *
ロウレスの後ろを解かし初めて早数分。リヒトの指はもう三本も侵入しており、グチュグチュと卑猥な音を立てていた。三本の指がナカを開拓するようにバラバラに動き、彼の限界を越えて攻め立てている。
しかし、ロウレスは指も好きだが、それよりももっと太くて立派な、もう何度も味わってるモノが欲しかった。
「あっ、やっ、リヒトっも、いれて」
上目使いでリヒトに懇願する。リヒトは喉をゴクリと上下させたが、まだロウレスに挿入する気はなかった。自身の欲を堪えるようにロウレスのナカを抉る。
「まだ待て」
「ああっ! なんれぇ、リヒト、のほしいんスよぉ……はやく、ちょうらい!」
自身のモノを膨れ上がっているリヒトの下半身に押し付ける。何度も何度も、甘える声色で「りひとぉ……」と名前を呼んだ。リヒトは「チッ」と舌打ちをすると四本目の指を追加した。
「黙って俺の言う通りにしてろ」
「あぁあっ!!」
もう十分に、ふやけそうなほど解かされているのに、リヒトはなぜ挿れないのだろうか。ロウレスが辛くないようにとは思ってなさそうだが。
「あっ、あぁっ、」
「お前みたいな駄犬にはこのくらいが丁度いい」
今の発言を聞くと、やはりロウレスを極限まで焦らしたいようだ。彼にはそれが分かったのか、意地悪いリヒトの行動に興奮したようで彼の指をキュッと締め付けた。
「あ、今締まった……やっぱ指だけでもいいんじゃねえか」
「あぅ、やらっ、ゆびっ、いいけど、やらっ」
快楽を与えられ過ぎて呂律が上手く回らない状態でロウレスはリヒトに言う。そして次に、リヒトの予想に反した発言をしてきたのだ。
「リヒトのが、いいのっ、リヒトので、おく、ごちゅごちゅされるのが、いいのっ、オレのナカっ、つっ、リヒトので、いっぱいにされる、のが、すきなのっ……リヒトに、はげしくされた、っ、めっちゃくちゃにっ、されたいのっ……らかや、もう、ちょうらいっ……」
プツリと何かが切れる音がリヒトには聞こえた。それが理性の切れる音だということにリヒトは気付く。そりゃそうだ。行為の最中、ロウレスがこんなことを言ってきたことはない。普段自分に攻められてるとき、そんなことを思っていたのだと分かったとき、リヒトは驚くと同時に興奮してきた。そして黒い欲望に支配される。もっと、自分の見たことのない彼の姿が見たいと言う欲望に。
リヒトは自身のモノを取り出しロウレスに見せる。
「これが欲しいか?」
リヒトの問いにロウレスは頷く。そして彼の膝から降りると、躊躇わずソレをくわえた。
リヒトがいつも自分にしてくれるようにフェラをする。裏筋や亀頭を舐め、口に入りきらなかった部分は手で奉仕した。リヒトよりは上手くないかもしれないが、それでも無我夢中でロウレスはフェラを続ける。まるで好物を与えられた犬のようにしゃぶっているのだ。
リヒトはそんなロウレスの頭を撫でる。「いい子だな」とでも言うように。それが嬉しかったのかロウレスは更に喉の奥に当たるほど深くくわえこんだ。
「いふぃふぉ……」
「つっ……喋んな……俺がイったら挿れてやる……」
その言葉を聞いて、ロウレスは目を輝かせると更にリヒトを攻め立てた。余裕そうにしていたリヒトの顔が歪む。吐息を漏らし、ロウレス程ではないが頬を赤く染めていた。
「っ……全部、飲めよ」
「んんっ?!……んっ」
リヒトがロウレスの頭をグッと押さえる。そのままリヒトの吐き出した液はロウレスの喉を通っていった。ゴクゴクと出されたものを全て飲み干し、仕上げとばかりにジュッと吸う。まるで一滴も残したくないと言わんばかりだ。
「はぁ……はぁ、ぜんぶ、ちゃんと、のんだっスよぉ……」
「あー」と口を開けて見せる。それを確認したリヒトは再度ロウレスを膝の上に乗せた。
「いい子だな。ハイド」
「んぅっ……」
「よしよし」と動物を撫でるような優しい手つきでロウレスの頭を触る。快楽とは別の意味で心地よくて、ロウレスは目を細めた。
「ほら、ご褒美だ」
そして次の瞬間、リヒトがロウレスにモノを突き立てて来たのだった。
- Re: 【SERVAMP】弱ネズミちゃんは愛されてる ( No.7 )
- 日時: 2018/11/07 19:57
- 名前: カイ
「あぁっ!! りひとの、きたぁ……!」
勢いよく挿入されたリヒトのモノ。待ち望んでいたソレにロウレスはだらしなく笑った。
「奥……好きなん、だよな……」
「あぁっ! しゅきっ、しゅきっ、しゅきなのっ!」
ガツガツと奥を抉るようにリヒトが突く。ロウレスも自ら腰を動かしている。
「りひっ、とぉ、イくっ、も、イっちゃうっ、いっしょに、イきたっ」
「あぁ、一緒にな……」
ラストスパートとでも言うように二人は動きを速くする。そして二人同時に果てたのだった。ロウレスはもう色の薄くなった白液を撒き散らし、リヒトはロウレスのナカに出す。ロウレスのお腹に暖かいものが広がる。望み通りリヒトでいっぱいになることができたロウレスは、彼の肩に顔を埋めた。
「あっ……すきぃ……リヒト、すきぃ……すきぃ……」
グリグリと顔を擦り付けるロウレス。尻尾と耳がパタパタと動いている。リヒトはそんなロウレスを見て可愛いと思うと同時にまた腰を動かしたくなる衝動にかられた。が、なんとか堪えロウレスのナカから自身を抜く。それすらも刺激になるようでロウレスは小さく「あっ……」と声を漏らした。
疲労のせいか、虚ろな目をしているロウレスをベッドに寝かせ毛布をかける。そのまま自分も隣に横になってロウレスを抱き寄せた。
「…………俺も好きだぞ。ハイド」
「はぁ……りひとお」
その言葉が嬉しかったのか、ロウレスはリヒトの胸板に顔を押し付けた。先程と同じように耳が揺れている。脚元が少しくすぐったいことから、尻尾も動いているのだろう。
しばらくすると動きが止まる。彼の方から穏やかな寝息が聞こえてきた。気持ち良さそうに眠っているロウレスを見て、リヒトは彼に対する愛しさが込み上げてくる。相手が起きない程度に頭を優しく撫でる。
そんな彼の浮かべている笑みは、どんな動物に見せるものよりも優しいものだということをロウレスは知らない。
そして、鍵の閉まっていた扉がガチャリと小さな音を立てて開いたことに、二人は朝になるまで気づかないのであった。
END
* * *
個人的にはリヒトは行為中にロウレスのことを「○○ネズミ」じゃなくて「○○ハイド」って呼んで欲しい。
○○の部分にはエロとか淫乱とかあと泣き虫とかでも萌える。
でもラブラブエッチで一番萌えるのが普通に「ハイド」って優しく呼ぶやつ。
そんな漫画とか小説とかみただけで自分は今日一日頑張れる気がするので、これを読んでる皆さんもリヒロウ書きましょう←
書いてくれると喜びますよ。私が←
そして話変わりますがもうすぐポッキーの日ですね。
あと更に変わるんですけどお日様まひまひ、最近主人公味か増してきてイケメンに磨きがかかってますよね←
これらの発言を聞いて自分と同じこと考えた人は同士様なのでコメントしてくれると嬉しいです←
- Re: 【SERVAMP】弱ネズミちゃんは愛されてる ( No.8 )
- 日時: 2018/11/12 08:56
- 名前: カイ
ポッキーゲームを一番最初に考えた人は凄いと思う。
そして真ロウを広めたい今日この頃←
そしてニ、三日遅れるぐらいなら遅刻じゃないと思ってる←
ギリセだと言い張る←
* * *
【キスの味・真ロウ】
ファーストキスはレモン味なんて誰もが知ってる言葉。
あとはミントみたいな味とか。
でもリアルじゃそんなの普通あり得なくて、だいたい相手が最後に口に入れた物の味がするらしい。
最悪ラーメンとか餃子とか、煙草の味がしたなんて人もいたな。
できれば、自分のファーストキスはムードのある味がいいなと願っていた。
* * *
「真昼はイチゴ派っスか? それともチョコ派?」
「は?」
スーパーで買い物をしていた時、荷物持ちのために同行していたロウレスから唐突にそんなことを聞かれた。
急に何だと思いながら彼の手元を見る。そこにはイチゴ味とチョコ味のポッキーの箱がそれぞれ一つずつあったのだ。
「今日はポッキーの日ってやつらしいっスからね。一箱買ってこうと思って」
「なるほどな。俺だったらシンプルにチョコだけど」
「じゃあチョコにするっス」と言いながら買い物かごに商品を入れるロウレス。て……ちょっと待て!
「おい何入れてんだ! 俺が買うんだぞ?!」
「まぁまぁいいじゃないっスか〜。後で真昼にも分けてあげるから」
ヘラヘラと笑うロウレスに対し小さな溜め息を吐くが、商品を棚に戻すことはせずにそのままレジに向かった。頑なに家から出ようとしないクロに変わって、買い物に付き合ってくれたお礼のつもりだ。
にしてもポッキーの日か……
レジに並んでいる最中、不意に恋人たちがこの日にしているあるゲームが脳内をよぎる。それを、俺とあいつとでやっているシーンを想像したら顔に熱が集まってきた。
「真昼どうしたっスか?」
「顔赤いっスよ?」と顔を覗き込んでくるロウレス。タイミングがタイミングなので、オレは声が裏返り、反射的に距離を取ってしまった。
「な、何でもねえから!!」
「そうっスか……」
あまり納得していない表情で引き下がられる。まだ熱い頬を隠すように手の甲を口元に付けた。
今日の夕飯のこととか、残ってる家事のことを考え、先程の妄想を忘れようとする。
「真昼、順番来たっスよ?」
本人が目の前にいるせいで、嫌でも想像してしまいそれは叶わないのだが。
「んっ……」と短く返事をして財布を取り出し会計を済ませる。レジ袋に商品を入れてる時も、あるゲームもといポッキーゲームというものの存在を頭から追い出そうとしていた。
別にゲーム自体には何ら問題はないのだが……あらぬ期待は抱きたくないのだ。
先程言ったあいつこと
「んで真昼、ポッキーの日って具体的に何するんスか?」
俺の恋人のロウレスは、こういう恋人同士のイベントにはあまり関心がないから。
「普通に、ポッキー美味しくいただいとけばいいんじゃないか?」
「やっぱそうなんスか。ジャパンは何がしたくてこんな日作ったんスかね〜」
そう言いながら二つに分けた袋を、全部持とうとするロウレスから重い方を奪い取ってスーパーから出た。
* * *
ポッキーゲーム。簡単に説明すると、ポッキーの両端を二人で食べ進め先に口を離してしまった方が敗けという至ってシンプルなゲーム。
まぁ恋人たちの恒例行事みたいなものだ。それをロウレスとやりたくない訳ではないのだが、やりたいと言う勇気もない。ロウレスは優しいから、こちらから説明すれば了承はしてくれると思うのだが。
家に帰ってもなお、モヤモヤしている俺の心を楽にしてくれたのは、そのロウレスの言葉だった。
「真昼、ポッキーゲームって知ってるっスか?」
まさか相手から言い出してくるとは思っていなかったので、俺は目を丸くする。飲んでいたお茶を吹き出しそうになるのを堪えながら、だきるだけ平常心を装って彼の質問に答えた。
「知ってるっちゃ知ってるけど……それがどうした?」
「やらないっスか?」
辺りに静寂が訪れる。いや、正確には一言も発さなくなった俺を不思議そうち見ながら、ロウレスは俺の名前を呼んでいるのだが。答える余裕が俺にはなかった。
嬉しくないとかそういうわけではない。ただ単に、ホント、びっくりしたというかなんと言うか。
そもそもロウレスはポッキーゲームが最終的にどうなるものかちゃんと分かっているのか?
「えっと、何で?」
「嫌っスか?」
シュンと肩を竦め寂しそうに目を軽く伏せこちらを見詰めてくるロウレス。罪悪感とも言える何かが胸にのしかかった。
「いや、別に嫌ってわけじゃ……」
「じゃあやるっス!」
パアッと彼の雰囲気が明るくなる。いつもの笑顔に心臓が跳び跳ねた。
まぁ、自分もやりたいと思っていたし丁度いいか。ラッキーとでも思っておこう。
そう考えていたが、ロウレスの一言により全てが吹き飛んだ。
「どうせなら罰ゲームとか付けようス!」
* * *
- Re: 【SERVAMP】弱ネズミちゃんは愛されてる ( No.9 )
- 日時: 2018/11/12 08:58
- 名前: カイ
* * *
「は?」
真昼の口から拍子抜けたような声が漏れる。口をぽかんと開ける彼とは対称的に、ロウレスはニコニコと笑っていた。
「ポッキーゲームは先に口を離した方が負けなんスよね? ただやるのも味気ないし、負けた方は勝った方の言うこと何でも一つ聞くってのはどうっスか?」
箱からポッキーを一本取り出し、悪戯っ子のようにロウレスはニシッと笑う。そしてチョコの付いてる方をくわえ、反対側を真昼の方に向けた。
「どうするっス?」
口にポッキーを差したままロウレスは器用に喋る。明らかに動揺している真昼をからかうように見ていた彼はこんなことを言った。
「まぁ、真昼にはちょっとハードルが高いっスかねぇ〜?」
「思春期高校生」と彼は言い足す。その発言にムッとしたのか、真昼は眉間に皺を寄せた。そして顔を少し赤らめながら、ソファーに座るロウレスの隣に腰掛け、向けられた棒を口に含んだのだ。
自分の計算通りにことが運んでいると思ったのか、ロウレスがニヤッとする。真昼がそれに気付いたかどうかは分からない。
「じゃ、行くっスよ」
ロウレスのその言葉を合図に二人とも食べ始める。緊張しているからか、はたまた何か考えがあるのか、双方ゆっくりと進めているのだ。
ロウレスがポッキーゲームをやりたいなんて言い出したのには理由があった。
彼と真昼が恋人になってもう数ヵ月が経過したが、一向に先に進めていない。一線は勿論越えていないし、キスだってまだだ。辛うじて手は繋げたが、それも一瞬だけ。
要するに真昼は恋愛に奥手なのだとロウレスは分析していた。まあ年頃の青年だし仕方ないだろうとも思っていた。真昼のペースに合わせていこうと考えていたのだ。
が、数ヵ月が経った今、さすがにロウレスも焦れてきた。もう少し先に進んでもいいのではないか? キスぐらいはいいんじゃないか? と思うようになってきていたのだ。
だから彼は自分から仕掛けることにした。真昼の方から手は出して来ないことは今までの経験上分かっているから。しかし、自分から「キスしたい」なんて直球過ぎる。さすがのロウレスでも恥ずかしい。
そんな彼にもチャンスが訪れたのだ。真昼との買い物帰り、スマホをいじってたまたま目にしたポッキーゲームと言うもの。
彼は瞬時にこれだと思った。
(罰ゲームなんて真昼はきっと嫌っスからね〜。我ながらいい案思いついたっス)
最初は余裕の表情を浮かべていたロウレス。彼の心も浮ついていた。しかし、そんな彼に変化が訪れる。
「「…………」」
長い沈黙。刻々と短くなっていくポッキー。近づいてくる相手の顔。そして何よりロウレスの心を騒がせたのは、普段あまり見ない真昼の真剣な顔だった。
頬は赤らんでいるが、真っ直ぐな瞳で見詰めてくる真昼。一言で表すなら、男の顔だった。何を言ってるんだと思われるかもしれないが、この言葉でしか形容できないのだ。
「っ……!」
見たことのない真昼の表情にロウレスの心臓は耐えきれなかったらしい。あともう少しで唇が触れてしまうという距離で、彼はポッキーを折ってしまった。
彼は真昼から顔を逸らす。手で隠されている鼻から下は、先程よりも赤くなっているのであろうことが分かった。
「……ロウレス」
名前を呼ばれビクリと肩を震わせる。ロウレスは、慌てていることを悟られないようにするために、いつものようにヘラヘラと笑った。もうすでに遅いと思うが。
「いや〜負けたっス。意外とやるっスね真昼」
「アハハ」といつもの調子で笑うが、真昼の強ばった表情は崩れない。それどころかロウレスが思ってもみなかったことを言ってきたのだ。
「もう一回」
「へ?」
今度はロウレスの口から間抜けな声が漏れる。彼は目を点にしていた。そんなロウレスを他所に、真昼はロウレスの手元にあった箱からポッキーを一本取り出す。
「な、何で……」
「負けたら、言うこと何でも聞くんだろ?」
「だから」と言って真昼はチョコの付いてる方をロウレスに向け口に入れる。ロウレスの肩を軽く掴むと、「早く」と彼のことを目で急かした。
「わ、分かったっスよ……」
躊躇いがちにロウレスがポッキーを口にくわえる。それを確認した真昼は何も言わずに食べ始め、ロウレスはそれに少しだけ驚くも、ゆっくりと進めた。先程よりも上がっている顔の熱が煩わしく感じる。ドキドキと普段の生活とは比べられないほど心臓の音が大きくなっているのを感じた。それらに意識を向けないようにしても、目の前の相手が邪魔をする。
真昼はキスをしたいのだろうか。だったら自分と同じ気持ちで嬉しくなるはずなのに。なぜだろう。なんとなく緊張して、せっかくのチャンスを棒に振りそうになってしまう。ロウレスの中では、真昼に触れたいという純粋な気持ちと、いつもの彼とは違う表情で何だか恥ずかしいという気持ちが戦っていた。
そしてあと少しで唇が触れてしまうという距離にくる。
結局、羞恥心に負け、ロウレスはまたもやポッキーを折ってしまいそうになった。
しかし、そうする前に真昼が先手を打ったのだ。
「っ?!」
ゆっくりとしたスピードが一転。グッと真昼が距離を詰め、一気に最後の数ミリを口に入れた。そう、とうとう互いの唇が触れたのだ。身体中が沸騰するような錯覚をしたロウレスは反射的に真昼から離れようとする。が、真昼はそれを許さなかった。
「んぅ……ふぅ、んっ」
ロウレスが逃げられないように腰を抱き寄せ後頭部に真昼は手を回す。そのまま固く閉じてあるロウレスの口に無理矢理舌をねじ込んだ。
事前に調べていたのか、まだ見経験の高校生とは思えないほどのキスを真昼はした。歯列をなぞり、上顎を舐め、相手の舌をなぶる濃厚な口付け。ロウレスは早くもそれに酔いしれているのか、目がトロンと蕩けてきていた。
息が苦しくなってきたのか、ロウレスが身を捩る。だが真昼から相手を離す様子は見えない。胸板をドンドンと叩くも真昼はロウレスを解放しない。それどころか抱き寄せている手の力を強めたのだ。
やがて満足したのか、ロウレスから口を離す真昼。ロウレスの息はここまでかと思うほどに乱れ、目元には涙が溜まっており、身体は少し汗ばんでいる。自分で自分の体重を支えきれないのか、真昼に寄り掛かり幾度も熱い呼吸を繰り返す。そんな酸欠状態のロウレスの姿を見て、真昼は無意識に喉をゴクリと上下させた。
「はぁ、はぁ……長すぎ……」
ギッと真昼のことを軽く睨む。涙目で言われても真昼には煽っているようにしか見えなかったが、彼はロウレスに謝罪の言葉を口にした。
「ご、ごめん……止まらなくて」
「可愛かったから」とボソリと呟く。ロウレスは堪えきれなかったのか、赤くなっている自身を隠すように真昼の肩に顔を埋めた。
キスをしてる時のロウレスは、真昼にとって本当に食べてしまいたいぐらい可愛らしく映っていたのだ。
舌の動きを変える度に小さく揺れる身体も、時折漏れる小さな声も、生理的な涙も、目を瞑り羞恥に堪えるその姿はまるで小動物のようで、もう全てが愛しかった。彼の口内に付着しているチョコの甘さが、媚薬のようにそれを引き立てる。
もっと見たい。目に焼き付けていたい。そんな欲に支配されていたせいで止めることができなかったのだ。
もっとも、ロウレスがそんな真昼の胸のうちを知ることはないが。
「だ、大丈夫か……?」
真昼が心配そうに尋ねる。ロウレスからの返答はない。怒らせてしまっただろうかと真昼は少しだけ焦る。だが、そんな不安は次のロウレスの言葉で打ち消されるのだった。
「良かった……っス」
相手に聞こえるか否かの小さな声。それでも真昼にはしっかりと届いていた。真昼の表情に喜びの色が浮かぶ。彼は自分に持たれ掛かるロウレスのことをギュッと抱き締めた。
突然のことにロウレスは少し驚くが、恐る恐る、相手の背中に腕を回し、抱き返す。その状態を数秒の間続けていると、不意に真昼が声を出した。
「ロウレス、もう一回したい」
「は、はぁ?! 嫌っスよ!」
同じキスをまたされてしまえば、今度こそ腰が砕けて立てなくなると思ったロウレスは彼の頼みを断る。
ロウレスの言葉を聞いた真昼は軽く肩を竦め、ジト目で相手を見詰めた。その目を見たロウレスは「うっ……」と小さくうめく。「ダメか……?」と大好きな恋人に、しかも年下に甘えるような声色で言われてしまえば、「ノー」と言える訳がない。
「い、一回だけっスよ……?」
その言葉を聞くと、真昼は嬉しそうに目を細めると相手に唇を重ねる。今度はゆっくり、できるだけ息が長く続くように。真昼はロウレスを堪能するかのように深く、深く口付けをした。
まだチョコが残る彼の口の中を味わうように真昼は舐め取る。チョコ以上に甘い味を真昼は感じたのだった。
* * *
ファーストキスはレモン味なんて言葉が定着してる現代。あとはミントの味とか。
実際のキスはそんなに上手く行かない。
自分の初めてのキスは甘いお菓子の味とそれとは別の不思議な味。
大好きな恋人の味だった。
END
* * *
キス系はまた別のCPでもやりたい。
あと最初と最後の文、ロウレス視点なのか真昼視点なのか、はたまたNOsideなのかはみなさんの想像にお任せします。