官能小説(オリジナル18禁小説)

BL
日時: 2018/08/18 06:32
名前: B

阿佐ヶ谷で映画を観た…
『君の名前で僕を呼んで…』

女の人ばっかでソワソワしたけど…観てよかったと思う…

「あれっ?呼人…こんな所で何やってんの?…」
慌てて振り返る…
制服を着ていない貴志を見るのはこの時が初めてだった…

「な、何って;…お前こそ阿佐ヶ谷なんかに何でいるんだよ;…」
誰にも会いたくないと思っていた…
だから朝10時の回に、わざわざ早起きして観に来たんだ;…

「映画観てたんだ…『君の名前で僕を呼んで…』知ってる?…」
いや、知ってる何も;…今観てきたばっかりだから;…
同じ時間に同じスクリーンを見詰めていたとは;…

「へぇ〜…阿佐ヶ谷なんかに映画館あんだ…」
咄嗟に嘘をつく…
BL系の作品を1人で観に来たなんてとても言えない;…

「俺も初めて来たんだぜ阿佐ヶ谷…荻窪には練習試合で来たことあんだけどよ…」
練習試合?…
そうか貴志はサッカー部だったよな…

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Re: BL  ( No.3 )
日時: 2018/08/18 07:58
名前: B

「腹減ったな…吉祥寺で何か食ってかね?…」
12時半に終わった映画…
確かに腹の虫は鳴っている…

「吉祥寺まで移動すんのかよ?…」
各駅だったら4、5駅ある筈…そんな所まで行かなくたって、MACは阿佐ヶ谷にだってありそうだ…

「映画観てたら自然と触れ合いたくなってな…吉祥寺だったら井の頭公園すぐだしよ…」
確かに映画の中の自然は絵画みたいに綺麗だった…
その中に美少年に美青年…あの映画が女の人に受けるのは納得だ…

空いた電車の座席に横並びで座る…
癖のように携帯をチェックする貴志…
何気に覗く画面には映画館までのアクセス地図…
貴志が目的を持ってあの映画を観に来たことは明確だ…

「貴志って映画好きなのか?…」
まぁアカデミー賞にノミネートまでされた作品…
BLに興味がなくとも映画好きなら観なくもないか…

「別にそんなこともねーけど、たまたまだよ…」
たまたま?…
そんなヤツがわざわざ阿佐ヶ谷の単館映画館まで地図片手に行くかね?…

「その映画って…いわゆる腐女子が喜ぶような作品なんだろ?…」
ここまで来たら全く知らを切り通す訳にもいかない…
少しぐらいは知っているふりをしなくちゃ、俺も観たことがバレそうだし;…

「ああ、何かそういうの知りたくなってな…」
ん?…
そういうのって…BLの世界をってことなのか?…

Re: BL  ( No.4 )
日時: 2018/08/19 08:38
名前: B

何気に脚を開き、膝頭を寄せる…
黙って携帯を見詰めたままの貴志…
気付いていない訳ないよな?

「知りたいって…もしかしてこういうこと?…」
前に座る乗客を気にしながら、俺はそっと貴志の太股に触れる…

「ひ、人に見られるって;…」
明らかに動揺してみせる貴志…
脚を組んで俺から逃げる…

「何だ、口程にもないな…映画観て気が済んだか?…」
頭で思っているよりもビジュアルとして目で見る方がリアルなのは分かる…
俺だってスクリーン上の男2人が、初めてキスを交わし合った時にはドキリとしたし;…

「からかうなよ…その気もない癖に…」
顔を赤らめながらもふて腐る貴志…
見た目の割りに、結構ウブなのかもしれないな…

「そんなこともないぜ…俺だってそういうことに興味がない訳じゃない…」
ホントは大ありなんだけど、そんなことはとても言えない;…

「ホントか?…呼人ってもしかしてソッチの人?…」
訝しげに聞いて来る貴志…
ソッチの人って;…それって所謂ゲイの人か?って聞いてんのかよ;…

「な、訳ねーだろ;…単に貴志に合わせてやっただけじゃないかよ…」
そんなこと自分でもよくは分かりゃしない…
でもあんな映画を観ても…決して嫌な気はしなかったけど…

Re: BL  ( No.5 )
日時: 2018/08/19 09:45
名前: B

公園口を出てファミマでお握りを買う…
洒落た店は結構あるけど、高校生の俺たちにそんな店に入る金銭的余裕はない;…

「公園の入口に有名な焼鳥屋があるらしいぜ…ここの焼鳥も旨いけど、そういうのはそこで買わねー?…」
確かにファミマの焼鳥は旨いけど、はっきり言ってちょっと食い飽きてはいた;…

「いいねぇ〜ちゃんと焼いた焼鳥なんて祭り以外で食うのは初めてだよ…」
祭りの屋台で焼いているのが“ちゃんと”しているかどうかは微妙だけど;…

煙り立ち上る列に並び、浅黒系のお兄さんに注文する…
流れ落ちる汗が着ているシャツを地肌に貼り付け、そのワイルド感にちょっとドキドキしてしまう…

「呼人はああいうのがタイプなのか?…」
貴志のその言葉にハッとして自制心を呼び戻す…

確かに焼鳥を焼いているお兄さんに魅せられていた自分がいた;…
映画で観た2人もいいけど、外人というだけでそれはどこか現実味はなく、俺は映画中の2人のセックスシーンよりもどちらかというとこの滴る汗の方に…性的魅力を感じてしまっていた;…

Re: BL  ( No.7 )
日時: 2018/08/19 10:54
名前: B

「バカいえ;…俺はそういうんじゃないから;…」
そういうしかない;…
貴志とは今の自分のことをカミングアウトする程の親しい友達って訳じゃないし…

「でもそのケは無くはないんじゃないのか?…そんな気はするぜ…」
そのケって;…自分ではあくまでもノンケを装ってはいるつもりなんだけど;…

「もしかして…俺って端から見てオネエっぽかったりするのか?…」
それは勘弁して欲しいところなんだけど;

「別にオネエだけが男が好きってことでもないさ…日常生活に於いては至って普通の男が、実はそうだったりするもんだぜ…」
確かに映画で観た2人は女装もしなければ、オネエ言葉で話しをすることも無かった…
イチャイチャするその現場を見なきゃ、2人がゲイだなんて誰も思いはしないだろう…

「そういう貴志はどうなんだよ?…その世界のことにやけに詳しいじゃないかよ…」
そうかもしれない?と思っている俺より、ずっとそのことを知っているようだけど…

「言っただろ?…知りたいんだって…男同士の恋愛とかセックスとか…興味あんだ…」
セックスもかよ;…
それってやっぱり貴志はゲイってことなのか?…

Re: BL  ( No.8 )
日時: 2018/08/19 13:28
名前: B

「ボート乗るか?…」
池の橋を渡りきった所で貴志が言う…

こんな暑い日にボートなんかに乗りたかないけど、こんな話し…誰にも聞かれずに出来る所としては最適には思えた…

「男2人でボートなんて…怪しく思われないか?…」
映画みたいに野外で2人っきりになれる場所なんて日本ではそうそうない…
あんな風に川の畔でのファーストキス…憧れちまうけど;…

「そんな風に思うヤツなんていないってぇ…考え過ぎだよ…」
確かに高校生の男2人がボートに乗ってるからって、変に思うヤツの方が少ないだろうけど…

「貴志が変なコト言うから警戒しちゃうよ;…」
映画では男同士ということに対しての悩みはあんまり描かれてはいなかったけど、現実はそうもいかないし…

「“変なコト”ってこともないだろ?…男同士だって人を好きになるってことに変わりはないんだぜ…」
それゃそんなことは俺だって分かっている…
あんな映画観たばっかたし…

「でも世間の目ってもんがあるじゃないか…俺、そんな風に見られたくはないし…」
いくらジェンダーフリーを唱えている世の中であっても、それはマスコミが取り上げる1部に過ぎないことは俺には分かる…

「呼人って案外チキンなんだな…皆と風呂に入ってもタオルで隠すんだろ?…」
何で今、風呂が出て来るんだよ;…
話し飛び過ぎじゃねー;…

Re: BL  ( No.9 )
日時: 2018/08/20 07:31
名前: B

こんな話し周りにいる人たちに聞かれそうで、俺は慌ててボート乗り場の自販機でチケットを買う…
男同士と言えども、ボートに乗る方が幾分かはマシだ…

「おっ、図星だったか?…」
図星って;…
まだ風呂のこと言ってやがるのかよ;

「いいから;…早く乗ろうぜ…」
乗り場の補助をしてくれるお兄さんの視線が気になる;
こんな暑い日にボートになんて乗るヤツは少ないだろうに、その上俺ら2人は男同士だし;…
視線を合わさないようにしてボートに乗り込む…と、同時に大きく傾く船体…
条件反射でお兄さんの手にしがみつく…

「気を付けて下さい…」
笑顔で俺の身体を支えてくれるお兄さん…
強い日射しの下で働いているだけあって、その顔は真っ黒だ…

「す、すいません;…」
慌てて手を離す…
男と手を繋ぐなんて…初めてだ;

「ホント気を付けろよ…」
続けて乗り込んで来る貴志…
ポンポンと俺の肩を叩き、余裕で漕ぐ側に腰を下ろす…

「何だよ、貴志が漕ぐのかよ…」
立場的に見たら男が漕ぐ側…俺としてはちょっと不満だ…

「それじゃあ時間守って下さいね…」
白い歯を見せボートを押すお兄さん…
首筋に流れ落ちる汗がちょっと艶かしい…

「呼人ってホント、ガテン系が好きなんだな…」
ボートを発進させながら笑う貴志…

「ば、バカ言ってんじゃねーよ;…そんなこと言ってねーだろ!」
つい向きになる;…
まだ自分が本当に男が好きなのかも分かっていないんだ;…

Re: BL  ( No.10 )
日時: 2018/08/20 19:38
名前: B

水面に出ると幾分か涼しい…
池畔に延び下がる桜の枝のお陰で、ほとんど畔の人の姿は見えない…

「何か、呼人と2人っきりの世界に迷い込んだみたいだな…」
ニヤケ顔でロマンチックなことを言う貴志…
貴志とだったらそんな世界に迷い込んでみたい気もするけど;…

「こっちからはあんま見えないけど、向こうからは結構見えてるもんだぜ…」
油断禁物…
羽目を外し過ぎることには要注意だ…

「呼人は、見られちゃいけないことでもするつもりだったのかなぁ?…」
サンダルの先で俺のスネを小突いてくる貴志…
ハーフパンツから伸びるそれは、流石サッカー部の脚だけあって逞しい…

「見られちゃいけないことって何だよ;…こんな公共の場で出来る訳ねーだろ;…」
映画では主人公の少年が相手の股間を握ってソレを確かめてたりしていた…
でもまさかここでそんなことしたら、直ぐに通報されそうだ;…

「はは、妄想はしてたんだ…呼人も結構スケベなんだな…」
それは否定は出来ない;…
だけど俺らぐらいの年齢の男子で、スケベじゃないヤツがいたらお目に掛かりたいもんだ…

「それゃ俺だって、スケベなことだって普通に考えるよ;…」
あんな映画を観た後だ…対象が目の前の貴志になってしまうのも致し方ないことだし;…

「やっぱ呼人はそういうケがあんだな…そうじゃなきゃ、あんなお兄さん相手にあんな顔しないもんな…」
あんなお兄さんって;…さっきの焼鳥屋やボート乗り場のお兄さんのこと言ってんのかよ;…

「あれは別にそういうことじゃないって;…ただ男らしいなって思っただけで;…」
そこに性的な興奮が無かった訳じゃないけど;…そんなこと貴志に言える訳はない;

Re: BL  ( No.11 )
日時: 2018/08/20 22:21
名前: B

「そうかなぁ?…そういう大切な出会いとか機会を逃すと、後々後悔するぜ…」
それって映画の最後に父親が少年に言った台詞じゃないかよ;…
貴志って案外、感化されやすい質なんだな;…

「そういう貴志はどうなんだよ?…BLとかゲイの世界…知りたいって言ってたよな?…」
今考えると貴志も凄いことを言ったもんだ;…
ノンケだからこそ言えた台詞だとは思うけど;…

「ああ、あの映画観て益々知りたくなったよ…肝心なところはオブラートが掛かったみたいによく分からなかったからな…」
確かにあの映画はゲイというよりもBL的な綺麗綺麗で…いかにも腐女子が喜びそうな作品だった…
毎日夥しい量の“精”を造り出されている俺ら男子には、やっぱり物足りないような;…

「まぁそれは仕方ないんじゃないのか?…そういう目的で観に行ったヤツなんて貴志だけだろ…」
あとのもう1人は此処にいる俺なんだけど;…

「そうだよな…これと言ってピクリともしなかったもんな…」
ピクリって;…それって股間のこと言ってんのかよ;…
そう言われると、自然と貴志のソコに目が行ってしまう;
面と向かい大きく脚を広げているんだ…隠すもんなんて何もありゃしないし…

Re: BL  ( No.12 )
日時: 2018/08/21 06:50
名前: B

いくら俺がそういうことに興味があるからって、こんなマジマジと他人のソコをガン見したことなんて無い;…
いや、返ってそう意識しているからこそ…こんな風には見れなかったのかもしれないけど;…

「呼人のもソコにあるんだな…その膨らみ見ると改めて思うよ…」
何だよ;…貴志も俺の股間、見てたのかよ;…

「当たり前だろ;…男なんだから;…」
そんな見られると…ちょっと恥ずかしいんだけど;

「いや、そういうこと特別に意識したことも無かったけど、男には皆付いていて…ソレがデカくなるんだな…と、思うと不思議に思えてくるよ…」
まぁ貴志の言いたいことは何となく分かる…

俺も通学途中の電車ん中とかで、何かを着ているみたいに腕にタトゥーを大量に入れてるお兄さんや、携帯で日経新聞を読んでいる真面目そうなリーマンなんかを見ると、この人たちも勃起したり1人エッチするんだよな?…って、ちょっと不思議に思ったりもする…

「普段の生活の中では、なかなか見せるモンでもないしな…」
コレをズボンの中から出すのなんて、小便する時ぐらいのもんだし…

「でも勃っちゃったりはしないか?…」
それはある;…
通学途中や授業中…俺の想像力は豊かだ;

「貴志の場合…男と女…どっちに勃たされんだ?…」
興味があるってことは当然、男相手にも勃起しちまうってことなのかな?…

「どうだろう?…ちゃんと女のこと考えても…勃つには勃つぜ…」
て、ことは…男にも勃つってことじゃないかよ;

Re: BL  ( No.13 )
日時: 2018/08/21 07:36
名前: B

「それってバイってやつか?…」
バイセクシャル…
男も女もイケる両刀遣いってやつだ…

「分かんねー;…だって両方とも経験したこと無いし;…」
鼻頭をポリッと掻く貴志…童貞であることに照れていることは明確だな…

「前に付き合っていた彼女とは全くか?…」
ヤって無いのは聞いたけど、少しぐらいのスキンシップはしたんじゃないのか?…

「情けない話しだけど…ダメだったんだ俺;…」
ん?…
ダメだったって…上手くは出来なかってことなのかな?…

「それって、そこまでいっときながら…挿れられなかったってこと?…」
俺だって童貞…そんな時に上手く出来るか不安ではある;…

「挿れるもなにも…その準備が出来なくてよ;…」
準備?…
準備と言ったら、コンドームを持っていなかったとか?…

「妊娠のこと…気にしたのか?…」
それは当然だ…初めてでデキたりしたら、一生トラウマになりそうだ;…

「それ以前のことさ;…ちゃんとゴムは準備してたよ…」
まぁそれはそうか…
こんな俺だって、もしかの為にそういうもんは財布の中にちゃんと隠し持ってるし;…

「それじゃ何だって言うのさ…その他に準備しとかなくちゃいけないもんなんてあるのか?…」
女と寝るため…
俺だってそれを諦めた訳じゃない;…

「物じゃねーよ、身体だよ身体…ココが勃たなきゃ挿れたくても挿れられなかったんだよ;…」
あっ;、そういうこと;…
俺は貴志のソノ膨らみを繁々と見詰める…

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