大人オリジナル小説
- Repeat ―リピート― 【完結】
- 日時: 2010/07/11 12:16
- 名前: 紅翠
- 参照: 名前の読みはコウスイです。
はじめまして。
別館では書くのは初めての紅翠です。
いじめ系を書いていきたいと思います。
挫折するかもしれませんが、よろしくお願いします。
*〜Attention〜*
・荒らしは戻るをクリック。
・暴言、中傷目的の方は電源クリック。
・駄文を読みたくないという方は逃げましょう。
*〜守れる方はお進みください〜*
*〜Guest〜*
・世迷さん
・莉亜羅さん
・彪覇さん
・蒼嵐さん
*〜の4名の方、ありがとうございます〜*
*〜Menu〜*
・Prologue >>1
・Cast >>2
・Story.1 >>3
・Story.2 >>4
・Story.3 >>5
・Story.4 >>6
・Story.5 >>12
・Story.6 >>14
・Story.7 >>17
・Story.8 >>18
・Story.9 >>21
・Story.10 >>25
・Story.11 >>28
・Story.12 >>32
・Story.13 >>33
・Story.14 >>34
・Story.15 >>35
・Epilogue >>36
・あとがき >>37
*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
それでははじまります。
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- Re: Repeat ―リピート― ( No.17 )
- 日時: 2010/07/09 22:05
- 名前: 紅翠 ◆aeqBHN6isk
- 参照: 名前の読みはコウスイです。
*〜Story.7〜*
空が優しい橙色に染まるころは、
生徒たちの帰る時間でもある。
騒がしいはしゃぎ声、ほがらかな笑い声、時には怒りの声も聞こえ、通学路はいつも賑やかだった。
彩羽はというと――……。
「でね、双音さん。
……ねえ?どうしたの?聞いてた?」
「!……ゴメンなさい、なに?」
こんなあやふやな会話をしながらも、
前のように独りでは、なかった。
杏那、静人、ゆかり。
とくに喋りかけるのは杏那だった。
――そっか。これが、友達なんだ。
――友達って、あったかいんだ。
――私、今、“幸せ”なのかな。
杏那の声には耳を向けず、くすり、と笑う彩羽。
けれど、もう一人の自分が、また反論をし始める。
――もう信じちゃうの?ダメだよ、絶対に裏切られる。
――貴女に、私に、友達なんていないの。わかるでしょ?
――幸せなんて、感じたことなかったくせに。いつからそんなこと言えるようになったのよ。
今までずっと、幸せじゃなかったくせに。
だから貴女は、これからも一生不幸なの。
幸せはね、永遠に訪れないのよ。
クスクス。クスクス。
――――笑い声が頭の中で響く。
「ぃや、やめて……」
とっさに耳をふさぐも、笑い声は離れない。
“やめて”と言ったって、止まる気配はない。
――ねえ、そうでしょ。やめて、って言われたところで誰がやめるというの。
いじめって、そういうもんでしょ?わかってることでしょう?
「ッ……」
「……双音さん?」
杏那は彩羽の様子に気づいたのか、不安そうに顔色をうかがう。
彩羽は真っ青だった。
――アンタが必死こいて考えて、考えて、考えて考えて考えて考えて、カッター睨んで、睡眠薬睨んで、それで、ボロボロになって、わかったことじゃないの?
あの時のアンタ、ホント面白かった――……
声は止まらない。すべりよく言葉は進む。
自分自身の声で――――。
――調子乗んじゃないわよ。いい、これは警告。
なんたって、アンタは私だもの。馬鹿なアンタは私なの。
……これぐらいで信用するなんて、アホらしいわ。
どうしたのよ、今までそんなことなかったじゃない。急に弱くなっちゃってさ。……ふん、前から弱かったけどね。
「やめてよ……」
立ち止まる彩羽。
汗ばんだ手で、必死に頭を抑える。
――弱いやつは大人しく、静かにしてればいいの。いじめられたって仕方ないわよ、全部アンタの行いの結果でしょ。
でも、大人しくしてればそれ以上は不幸になんないわよ。
ね、そう言ってたじゃない。
友達なんていなくていいから、静かにしてよう、独りでいようって――。
「でも、でも……」
――今に罰が当たるわよ。今のうちになんとかしときなさい。
私は弱いです、だから何もしないでくださいって、神様にお祈りすれば?
……ふ、それはさすがにアンタでもやんないか。
だって神様にすら突き放されてんだもんね?
ずーっとお祈りしてたのにさ!助けてもらえない哀れな自分!
「嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌」
――どうなっても知らないわよ。
……そう最後に一言言うと、声はやっと消えた。
「ハア、ハア、……ハア……」
呼吸は荒々しい。
力が抜けてしまったのか、彩羽の手からスクールバッグがドサリ、と落ちる。
「双音、さん……」
横には心配そうな杏那の顔。
その後ろには退屈してそうな静人とゆかりがいた。
「……ゴメン」
彩羽は、眼をギュッとつぶると、家がある方向に走りだした。
何も見たくない、考えたくない。
そう思いながら。
「――……ゴメンは、こっちのセリフだよ。」
彩羽の姿が見えなくなると――。
杏那は、ポツリと呟いた。
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